轢き逃げ 最高の最悪な日のレビュー・感想・評価
全59件中、1~20件目を表示
水谷豊の人柄と俳優歴の蓄積を感じさせる監督作
邦画初のドルビーシネマ採用作品だそうだが、残念ながら試写室でその真価を見極めることはできなかった。国内の映画館では今年ようやく4館ほどが対応になるそうだ。ただ、本作に派手なアクションや圧倒的な映像美があるわけでもないので、是が非でもドルビーシネマ対応館で観なければ、という気にならないのも正直なところ。
社長令嬢との結婚を控えながら轢き逃げしてしまった青年と、助手席に座っていた親友。2人が割と早い段階で逮捕され、おや?と思うが、本題はそこからだった。長年刑事役を演じてきた水谷豊が、亡き娘のために素人探偵よろしく真実に迫ろうとする姿に、本当にこういう役柄が好きなんだなあと感慨を覚える。
加害者の贖罪、被害者遺族のグリーフケアなど、明確な答えを出せない問題と真摯に向き合う姿勢に、脚本も書いた水谷豊の人柄を感じる。ミステリー仕立ての部分もあるが、ラストシーンこそが描きたかった核心だろう。
うーん、、
脚本は面白いと思える部分もあったけれど、なんというか全体的に古臭さやチープさを感じてしまった。特番のドラマを観ているような感覚だった。
お芝居も水谷さんと岸部さんでもっているという印象だった。
かもなく不可もなく
うーん。
悪くは無いけど面白みに欠けるかな。
色々な人にフォーカスを当てすぎたのか何を伝えたかったのかわからないかなーと思いました。
もうちょっと的を絞ればよかったと思います。
途中から展開が見えてしまい、だよねー、やっぱり。
となりました。
前半部分は是非、免許更新の違反者講習で見せて。
最近の違反者講習の映像がドラマ仕立てじゃなくなってて(警視庁だけかも)面白くなさすぎるので、このくらいのやつやって欲しい。
ただ言えるのは、事故ってこういう急いでる時って意外と起こらない。
私の経験では、何気ないポカンとした瞬間に
ガガン、って音がして 「あ」ってなって やっちゃったーってなる事の方が多い。
(ってそんなに事故してるわけじゃないけど💦)
急いでるときに多いのは自損の接触でのボディ擦り傷。
スピード出してると かなり集中するから割と まして人身はやらない気がするんだけどなー。
(自転車との接触事故はあるけれど生身の人間の方とぶつかった事は幸運にもないので、、、この先もないのを願う)
とりあえず車降りるって言うのがドライバーの習性のように思うので 車に乗ったままって言うのはよく考えると違和感はある。
そういうのは全部抜きにして、大手ゼネコン社員(学生時代から学業に精を出して就職も勝ち組でおまけに結婚も会社の会長の娘って、羨望を一身に受けるやつ)が、自分の人生の汚点を残すまいと 急いだ結果 更なる落とし穴に落ちる、っていうあたりはリアリティあった。
事故車のボディに塗料を塗ってるの
あんなの警察が見たら一発ですよ。
でも 轢き逃げしちゃったら、そりゃそうするだろうなあっていう心理は描けていると思った。
後半 被害者家族が出て来て途端にミステリー仕立てになって来るあたりから 主人公の性格設定がブレて来て
お嬢様が彼をそこまで好きな理由がよくわからなくなる。
父の会社の社員との結婚とは言えちゃんと愛情あってのものだ、というのはアリだとしても
前半のセリフなどから見ても魅力的な男には到底見えない。
水谷パパの奮闘は まさに刑事を引退した人か?って程の働きぶりだし 家宅侵入が全く問題になってない感じも違和感あるが、調べて行く上で娘の友人たちの悲しみが上っ面過ぎるのもちょっとどうかと思う。あれじゃ娘の人格の方が蔑ろにされてる事になる。嫌われてたのか?みんなから、みたいな嘘くささ満載のお友達の涙。
そこからどんでん返し的に事件は進むんだけれど、刑事さんは交通事故のひき逃げ犯のその先の事ってやってくれるんだっけ?
というわけで 違反者講習に使う映像は逮捕されるあたりまでで。
染み付いた昭和
感覚が昭和。輪郭をゆるくしてフィルムダメージを入れたら1970年製作の映画──で通る。台詞ぜんたいにそこはかとなく“昔の人たちの会話の気配”が漂ってしまう怪。作為のレトロではなく、感覚に染み付いてしまったレトロ。ある意味、衝撃的だった。
愁嘆場への執着。愁嘆場を撮りたい──がひしひしと伝わってきた。同時に愁嘆場を演じたい、も伝わってきた。
よく知られた逸話がある。
『海外の監督は創作意欲によって映画をつくる。対して日本の監督は自己顕示欲によって映画をつくる。』
──
日本の映画/ドラマのクオリティが“どうしてもツッコミたくなってしまう低レベル”を維持・継承しているのはご存知の通りだが、それは言論の自由や、主観に過ぎない論や、権威的な批評家集団によって強固に守られている。
また、メディアそのものの権威──というものがある。
先般、与党のとある政治家が、NHKの朝ドラについて公的なかたちで苦言をのべた。曰く『脚本の論理性が崩壊しています。』
為政者がドラマの内容に介入したことで賛否を呼んだ。が、権力者が表現の自由に対して容喙した・圧力をかけたという非難のほうが多かった。
しかし私的な見識だがNHKは一政治家をはるかに上回る強権力だ。(たとえばそれが元首相であろうと。)NHKならずとも好きな方向へ誘導報道できるメディアは日本の支配カーストのトップにいる。
ドラマが酷いという世評は日常茶飯事にもかかわらず変革やテコ入れがなされたことはいちどもない。政治家が苦言したところでびくともしないだろう。メディアがいちばん強いからだ。視聴者なんて全員“おまいら”に過ぎない。
けっきょく映画もメディアによって守られる。まして監督がテレビの功労者ならなおさら。
だからこそ日本映画にはタレント枠がある。北野武島田紳助奥田瑛二萩本欽一石井竜也桑田佳祐さだまさし松本人志竹中直人板尾創路小栗旬水谷豊・・・。タレント枠は海外の俳優兼監督枠とはまったくの別物。かれらの初動は創作意欲ではなく自己顕示欲だ。本作もそれが端的にわかる映画だった──という話。
──
ぜんたいに感覚が微妙すぎる。宗方(中山麻聖)と森田(石田法嗣)は、ほとんどゲイ関係としか思えない。サイコパスの描き方も斜めっている。そして全員が泣く。
謂わば、自動車教習所で聴講生に見せるための啓発ドラマを依頼された片田舎の製作会社が、頼まれてもいないサスペンスと愁嘆場を挿入してしまった──という感じの映画。
檀ふみは懐かしかった。
轢き逃げ事件がおこす被害関係者たちの心情
今や自動車を利用することはごく一般的であり、最近では煽り運転というワードも交通単語では多く聞くようにもなった。『轢き逃げ』はそんな一般的乗り物車が人を轢き、なんの対応もせずに放置、その場から遠ざかること。これは教習では教わるがその判断の誤りは各個人の性格によるものであり、実質は本人に委ねることになる。タイトル通り主人公は轢き逃げをする。会社の副社長の娘と結婚する未来があったが、結婚式準備でホテルに向かう会社同期を助手席に乗せ道中に轢き逃げ、なんとか結婚式を終えると見知らぬ人からの脅迫手紙。主人公と同期の2人は怯え、事件発覚がどんどん近づく中、事件は思わぬ裏が……
人を殺めてしまい罪の償いに苦しむ主人公、娘を殺されて悲しみ怒りと娘との思い出を振り返る両親、夫の轢き逃げで親族へのお詫びや留置所でやつれた主人公と向き合う妻、と各関係者からの目線での送られています。
最後にラストで主人公が妻へ出した手紙の一部を個人的に心にきたので
『人の人生を奪い、早苗さんご家族やみんなの人生を壊した私に早苗さんは何を求めるのでしょう。早苗さんへの愛を問われても、早苗さんを守ろうとしなかった私には選ぶべき言葉も無いのです。逃げ場のない隔離された場所で、毎日自分の犯した罪と向き合っていると心も身体も自分が人間であると思う意識が薄れていきます。人間で無ければ楽になれる気がしてくるのです。嫉妬にはその先に2つの道がある事を知りました。一つは嫉妬を糧に高みへと昇る道、もう一つは嫉妬に取り憑かれて地獄へと落ちる道。ご両親の人生も壊してしまいました。それでも僕は被害者とご両親に何をしなければならないのか考えます。答えなど永遠に出るはずがないとわかっているのに。今の私には、その事を考えている時だけがせめて自分が人間でいるような気になれます。自分の犯した罪を償えるなら償いたいと思いました。でも、罪を償えると思うのは罪を犯していない人間の言い分だと気づきます。罪を犯したものにできるのは罰を受けることだけです。どんな罰を受けようとも、誰かが僕を許したとしても私は私を許さない。』
監督としての水谷豊の今後に期待できると思った
物語冒頭から題名通り
轢き逃げする
なぜ逃げる。。と思うけど
これが後半話がつながると
まじかーーーって思いました
ただただ被害者の望さんとその家族が運が悪すぎて、、、
最初知らない俳優さん二人の青年、秀一と輝が
建設会社のサラリーマンとして登場
秀一が副社長の令嬢と近く結婚する予定で、その打ち合わせに司会を担う
輝を乗せて結婚式会場に向かう途中で轢き逃げが起こる
途中から轢き逃げ被害者の家族として壇ふみさんと
水谷さんが父母として登場すると
画面が圧倒的に強くなる
相棒好きにはおっとって思う、一徳さん登場
相棒とは全く逆の立場ね
一徳さんが刑事です
後半は主役二人より水谷さんに目が行くんだけど
轢き逃げした運転手の彼より
助手席に座っていた彼の変化していく感じが良かったです
主役の好青年は難しいよね
あそこまで反省されると本当はどうなのって
その純粋性が鼻についてたんじゃないのって
思いました
水谷さんの他の監督してる映画も見てみたいと思ったし
この話を脚本された水谷さんは才能があると思う
ラストシーンって大事じゃないですか
そこに監督の言いたいことが表されてるような
檀さんが最後そっと握るあの手に
この映画の伝えたいものの一つが優しさ、、、もっと深く
慈愛だったのかな
そして多分水谷さんは良い人なんだろうなと
思いました
余談ですが主役の好青年秀一は三田村邦彦さんと中山麻里さんの
息子さんなんですね、びっくりでした
前半は良かったのに
轢き逃げをして周りにバレるんじゃないかってビクビクしてる所までは普通に良かったのに、後半から被害者のお父さんの暴走、親友の裏切り....etc ここって別に要らないんじゃないかな??普通のリアルな轢き逃げ犯の真相とか被害者の心情とかを描いた内容の方が良かったと思うよ.....??
どんでん返し的な、観てる人をびっくりさせようとか思わせてちょっとややこしい設定になってて後半から見る気が失せた
後、お父さんって勝手に人の家に入ってるよね(ガラスも割ってるし)あれはええんか(笑)あそこはノータッチなんか(笑)
なんか凄く期待してた映画だからこそ余計残念な気持ち ゔーん....
水谷豊が…
自分を主人公に作ってしまったんだなぁ…
別の登場人物の誰か目線でその人を主人公に展開した方が…と思ってしまった。
老夫婦のセリフは白々しく感じてしまって両方とも全く響かなかった。要は面白くなかったと言う事です。
加害者・秀一の親友・テルが実は轢き逃げ事件を仕組んでいたという真相...
加害者・秀一の親友・テルが実は轢き逃げ事件を仕組んでいたという真相は意外感があって驚いた。
ただ、テルがやったことは被害者の女性と喫茶店で待ち合わせの約束をしていたこと、秀一との待ち合わせに20分遅刻をしたことだけである。
テルのサイコパス演技は寒気がしたが、そこまで凶悪犯扱いしなくても・・・。
最後に秀一の新妻はどこまでもできた女性だと思った。
誰しも明日起こり得るかもしれない物語
学生のとき、父から『窮地に立った時に絶対逃げるな、男の真価が問われる』自分の座右の銘のひとつ。そんな自分が主人公に諭してあげたい強いインパクトに引き込まれる。岸部一徳さん、檀ふみさんの人生円熟の演技が30年も満たない若者の築き上げてきたものの崩壊を抱擁する演技が染みる。誰しも明日起こり得るかもしれない物語。
サスペンス色もあり。加害者と遺族、それぞれの人生の行方。
【賛否両論チェック】
賛:轢き逃げ事件の加害者も被害者遺族、それぞれの視点からの物語が描かれ、それぞれの人間ドラマに考えさせられる部分が多い。意外なサスペンス要素も魅力。
否:セリフの言い回しが結構小説チックで、あまり現実感がないのが気になるところ。展開もかなり静かに進んでいくので、気をつけないと眠くなってしまいそう。
前半は結婚直前に轢き逃げ事件を起こしてしまった青年と友人が、その罪と葛藤しながらも己の身を優先し、立ち直らんとしていく様に、人間の持つ浅ましさやある種の強かさをも感じさせるようです。
後半は対照的に、最愛の娘を心ない事件で失い、その真実を求めて少しずつ暴走していく姿が、非常に切なく描かれていくのが印象に残ります。
そして特筆すべきは、最後に明らかになる事件の意外な真相です。一見裏のない事件に思えた轢き逃げに、思いも寄らない真実が待ち受けているのには、驚かされます。
セリフの言い回しなんかが小説チックで、あまり現実味はありませんが、人間ドラマもサスペンスも感じられる、そんな作品に仕上がっています。
真の友人とはを考えさせられる作品
水谷豊監督・脚本 第2作
序盤が単調だが、途中からストーリーが動き始める。ただ、親友と思っていた人物の真の姿は観ていて辛かった。テーマが重く余り好みではないかな。
水谷さんは誰もが認める日本の演者としての第一人者で、酸いも甘いも経験しておられるからこういうテーマを選ばれているのかもしれませんが、次回作は人間性肯定の深みある映画を作って頂けないかな。初監督作品も面白かったが、陰のある作品であったし。
勝手な想いを書きましたが、ご容赦頂きたい。
<2019年5月11日 劇場にて鑑賞>
じっくりと丁寧に作られた作品
一人娘を轢き逃げされた遺族側と、轢き逃げという犯罪を犯してしまった加害者側、その心の葛藤がとても丁寧に、緊迫感を漂わせて描かれています。皆さんのレビューの☆印が少ないのが残念です。脚本、監督、主演と多才な水谷さんの力作はとても満足でした。もしかしたら、水谷さんはこれから日本のクリント・イーストウッドになるのかな。
全59件中、1~20件目を表示