「意欲作ではあると思うが、設定がいかにもご都合主義的」轢き逃げ 最高の最悪な日 talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
意欲作ではあると思うが、設定がいかにもご都合主義的
加害者は結婚式の打合せを控えていて、その式の打合せに急いでいた。
渋滞を避けて近道して、結果、轢き逃げ事故を起こしてしまうー。
迂回を試みる時点で、すでに相当の「焦り」があったはずですから、そんな心理状態でより歩行者を避けづらいてあろう、細街路(幹線ではない、いわゆる生活道路)に入るのは、ある意味で矛盾していることなんだなぁ…とも、再認識しました。
評論子は。
しかし、「一度も見たことがないので、親友の困り顔を見たかった」という動機には、知能指数すら疑いそうになりますし、そもそも、休業日であることが分かっている喫茶店に呼び出したからといって、被害者が、タイミング良く(?)加害車輌に轢かれるとも限らない。
(クルマを避けるでしょう、ふつうに。近づいてくる音が聞こえたら。)
偶然の轢過を、あらかじめ計算して、計画するというのは、語弊を恐れずにいえば、ナンセンスというほかないようにも思われます。
交通死亡事故被害者の両親、その加害者となってしまった者、その捜査に当たることになった者のそれぞれの視点から事態を浮き彫りにしようとする着想は、ある意味では「意欲作」とも言えるかとは思いますし、その点を買わないわけではないのですけれども。
しかし、観終わって「重厚な人間ドラマ」だったとは、言い難かったように思います。
同じく水谷豊監督の別作品『太陽とボレロ』がなかなかの出来だっただけに、惜しまれる一本だったというべきでしょう。になってしまいました。本作は。
率直に「凡作」たったと評しなければならなかったと思います。評論子は。
Mさん、コメントありがとうございました。
タクシーの運転手さんで、ハンドルを握ったら、その瞬間から運転のことしか考えないと言った方がいましたが、まさしく至言と思いました。