スターリンの葬送狂騒曲のレビュー・感想・評価
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コメディありのロシア歴史の一コマ
なかなか登場人物の名前が覚えられず、録画したので2回観て復習しました。σ(^_^;)
冒頭の音楽会への1本の電話からピリピリムード。
官僚達は飲み食いした後も帰れず映画の誘いも断れない。粛清というスターリン社会で、市民が次々と連行され殺される。
そのスターリン死後の跡目争いだが、ドタバタ的にとフルシチョフがベリヤを罠に嵌める。
そもそも遺体を運ぶのにも、自分の服を汚れるのを気にして、全く崇拝感なし 笑笑
軍司令官ジューコフの威圧感たるや(どんだけバッジや勲章をつけとるねん!)
スターリンの息子ワシーリーのおバカボンボンぶりと娘スヴェトラーナのテンパリ方もほぼコメディ⁉︎
娘役、『ウォリスとエドワード』でシンプソン夫人だった女優さんとは!『ナンシー』も是非観たい!
歴史+ブラックコメディ
スターリンの死後に起こった権力闘争をコメディタッチに描いた作品
笑わせてくるような場面もあるんだけれど人死にが多くライバルを貶めることばかり考えて、こんな連中に権力を握られるのはごめんだ・・・と考えてしまった。
エンディングの登場人物たちの写真の顔や姿が消えたり変わっていく演出・・・
粛清され削除されたトロッキーのことがモチーフで最後までユーモアを詰め込んだ作品だなと思った
権力闘争で奪われた多くの命を思うと...
ベリヤという人物について知っておいた方が良いかもしれない。
ベリヤはスターリンの大静粛の主要な実行者とみなされている人物で長くNKVD(のちのKGB)長官の座にあった。
そのベリヤがスターリンの死後、フルシチョフらによって失脚、死刑になるまでを描く。
劇中の最後にもあったが、そのフルシチョフもブレジネフが現れて失脚する。
権力闘争があまりに熾烈で多くの命が奪われるので、ブラックコメディだとしても笑えないかも。
人間って恐ろしい
独裁者スターリンが死に葬式をするまでの
さまざまな恐ろしい人間模様を
コメディタッチで描いている
初めにスターリンが死ぬシーンがあるのだが
ここまで やっていいの?と思ったり
独裁者もやはりただの人と思った
彼が死んだ後の権力闘争激なのだが
権力にとりつかれた人間の恐ろしさ滑稽さが描かれている
そして権力の為には邪魔者は平気で殺す
凡人の私には信じられない光景が
ブラックコメディ仕立てで繰り広げられます
コメディで良かったです
シリアスだったら 恐ろしい
自分だけが可愛い人ばっかり。
モーツアルトのピアノ協奏曲23番第2楽章が何回か
かかった。もの悲しげなピアノ。
ブシェーミを久しぶりにみたくて。すっかりおじいちゃんになったなーとおもいました。
結構笑ってしまいましたが、史実なんだとしたら彼らは何のために政治をしていたのだろうと思ってしまうかんじです。
政治家ってそんなものなのかな、とも。
多分どんな独裁者(と後に言われる人)も、最初は頼もしいリーダーだったのじゃなかろうかと思います(知らんけど)。
でも、頑張ってるうちに欲が出てきて、猜疑心が止まらなくって、ひれ伏す人々が滑稽で、おかしな方向へ行くのかな?と想像しました。
いやいや、そんな誰もが通る道とかではなくて、単に独裁者(と後に言われる人)の性質が異常だからああなった、なのかもしれませんが。
ロシアの話なのに、ロシア語じゃないっていう声もききましたが、
虚構における言語は、翻訳こんにゃく使用中って思うといいんじゃないかと。
全虚構界にドラえもんが配ってるんですよ。どうでしょう?
マレンコフさんとっても小物感が強い大きな人でした。
ベリヤさんがスターリンの別荘から女の子を連れだしてたのって、レイプ※の比喩なんですよね?めっちゃ子供でしたけど、、、きもいです。
名前忘れましたが、軍の人が初登場時にマントを肩でワッサーって弾き飛ばすやつ、めっちゃ面白かったです。仰々しいマチズモ感がたまらなくおかしくて笑わせてもらいました。
フルシチョフさんは、おたおたしてるんかと思ったら、後半一気に普通のことのように悪だくみを進めて、あれよあれよとベリヤさんを陥れていて、こっわーと思いました。
その他のおじさんたちはあまり印象もないです。
ただただ保身し、下克上できそうならやるけど、みたいな。
全員大した思想もなく、不遜な感じしかせーへんけどって思いました。
スターリンの別荘にいた人たちとかを、容赦なく殺していたのとか、
医者を殺しすぎてやぶ医者しか残ってないとか、
あの人たちはいったい誰のための政治をしてたんでしょうか。
そんなに人を殺して国家が成り立つと?馬鹿なの?って思いました。
実際がどうだったのかは知りませんがね。
スターリンを呪うメモを入れたピアニストさんは、架空人物かと思ったら、実在の方らしいです。あのメモを入れたかどうかは不明ですが。
スターリンの娘役の人(アンドレアライズブロー)は、バトルオブザセクシーズでビリージーンの恋人のマリリン役の人らしいです。後で知ってびっくり!全然イメージ違う!へえーーーーーーってなりました。
※レイプの箇所を強かん(女3つ)としていたら使えない文字があるから投稿できないってなった。なんで?
権力
恐ろしい内容。
作品自体はコミカルにも描かれているのだが、その内容となると恐ろしい…。
実在したスターリンという人物。
どこまでが実際のエピソードかは空想の域を出ないのだが、作中で巻き起こる出来事は、まぁまぁ酷い。
そりゃ、本国ロシアでは上映禁止にもなるわ。
ロシアの話しを英語でやられる違和感は、やはり多大にあって、冷戦なんて言葉に馴染みのある俺ら世代は戦々恐々としてしまう。
物語は、没後の権力闘争のいざこざではあるものの…タガの外れた人間って生き物の本性を垣間見る。
法さえ自由に創造できちゃう人間の無慈悲さったらない。善悪の基準が法にはなく、全て正義で自身の行動を肯定できてしまう。
そんな輩たちが、絶対的な権力者の席の争奪戦を繰り広げるのだ。
話してる台詞、その時の音楽、上手にコメディ仕立てではあるけれど、その建前の裏に流れる血生臭さと言ったら常軌を逸してる。
笑っては観れるけど、見方を少し変えると途端に、目に余る程の社会派な一面が顔を出す。
よく出来た作品なのだろうけど…この作品のコメディ以外の側面には目を向けたくない。
歴史の勉強にはならないけど面白い
明るいタッチで実話を元に肉付けされてますが、こんな映画を作ってしまった製作者たちの勇気に感服です。
舞台は1953年のモスクワ。自国民の粛清に明け暮れていたスターリンが心臓発作で他界。空いたトップの座を狙って腹心たちの争いが勃発。最終的に出し抜いたのは誰…!?という話。
スターリンは、レーニンの後を継いで、ソ連によるロシア制覇を遂げた英雄なのですが、映画では、風刺色が強いので、ジェノサイド部分が強く浮き彫りになっていたので、とても悪い人な印象になっていました。全ては革命を守るためという強固さを表現しているんだなと感じました。
ロシアが舞台の話のくせに、登場人物が全員しれっと英語を話していることも何だか可笑しかったですが、スターリン(アドロアン・マクローリン氏)が登場した途端、中々似ているので、ビジュアルだけで可笑しくて、「細かい事はどうでもいいや〜(苦笑)」って思えるほどに、すぐに話に引き込まれてしまいました。
倒れたスターリンの診察を検討するも、有能な者はスターリンの粛清によって投獄か処刑されており、医者はゴマスリ上手かヤブ医者しか居なかったり、将来を考えずに、スターリンの、やりたい放題だったツケが要所要所に現れて、たちまち大騒ぎになっていく様が、いかにも独裁政治の爪跡っぽい演出満載で面白かったでした。
映画には描かれていませんが、映画の登場人物中に居るスターリンの後釜に着いた人物が、後にスターリンの個人崇拝で招いた弊害を暴露して、世界を驚かせるという歴史的事実が続きます。それによって、今までのスターリンを国家改革の英雄とあがめる風潮まで消え失せ、スターリンの名前は知っていても何をした人なのか、いまいち習っていないという世代が居るそうです。どの国も歴史が積み重なると習うことが増えて割愛されてしまうのは同じなんでしょうねぇ…。最近、時の人プーチン氏が、スターリンの政策を話題にすることもあるので、悪い歴史なら繰り返さないように…と、願うばかりです。
あと余談ですが、側近役のスティーブ・ブシュミ氏。だいぶん老けましたね。『レザボアドックス』が懐かしくなりました(苦笑)。
まあまあだった
スターリン時代のソ連は全く馴染みのない世界で、どんな様子だったのか垣間見ることができてなるほど〜と思った。ちょっとしたパワーバランスや空気で立場や人生、命までも大きく変わってしまう恐ろしさがユーモラスに描かれていた。ブシェミがすっかりおじいさん。
ただ、あまり関心のない題材だった。誰が誰かもあんまりわからない。
敷居の低いブラックユーモアに見えて、実は…
※核心には触れないようにはしていますが、若干のネタバレありです。
最初に言っておくと、別にこの映画の世界観について何も知らなくても前半のブラックユーモアをそれなりには楽しめるでしょう。
しかし当時のソ連の状況や登場人物の事情を事前に頭に入れた上で映画を見ると、作品にちりばめられた演出や示唆を通して全編を通して楽しめる映画となります。
ベリヤは夕食の席でスターリンに何をしたのか
なぜ委員会のメンバーはベリヤを極度に恐れたのか
モロトフがスターリンにあれだけの仕打ちを受けたのに後半はスターリンに固執するような態度を取ったのは何を意味するのか
ジューコフがベリヤを嫌っていたのはなぜか
終盤フルシチョフが近づいていた委員会メンバーは誰だったか
そしてラストシーンでフルシチョフを見つめる「彼」は一体…
列挙しだすとキリがありませんが、登場人物にまつわる事実から噂話まで多くの隠し味を含んでおり、知っていれば知っているほど面白いのがこの映画の真骨頂と言えるでしょう。ウィキペディア程度の予備知識で構わないのでぜひ下調べを済ませてから鑑賞してはいかがでしょうか?
愉快な"不愉快さ"。
この作品の面白いと思えるところはこれに尽きるのでは、と思います。
そしてそれが何より実話を基にした話しだというのだからなおさらです。
ソ連の絶対的存在・スターリンの死後の権力争いをコミカルかつシニカルに描いたこの作品、観終わって思ったことは「あぁ、こらロシアで公開禁止になるわな」ということ。
映画にするにあたってエッセンスとして加えられたのは「ぎこちなさ」から生まれる「不協和音」。
その「不協和音」が愉快な"不愉快さ"を生んで、不思議と物語に引き込まれていきます。
映画だから、と思いながらもどこかやりすぎな部分も「本当にこんなんだったんかなぁ」と思えてしまう不思議。
おかしな設定を逆手にとってより現実味を持たせる、演出と構成のうまさが垣間見れました。
ただ、やはり史実。終盤は中盤まであったシニカルな笑いは陰をひそめてエンディングを迎えます。
個人的には最後までコミカルかつシニカルさを追求して欲しかったなぁ、と思います。
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