戻る場所はもうない
劇場公開日:2018年5月19日
解説
初監督作「マージナル」が福岡インディペンデント映画祭2012の60分部門グランプリを受賞した笹井歳春監督が若年性アルツハイマーを題材に描き、第11回田辺・弁慶映画祭で男優賞と明日への期待賞を受賞した作品。果樹園を営む63歳の男性・佐藤安久は、若年性アルツハイマーを患う妹・裕子と2人で暮らしている。ある日、外国人実習生の劉が突然いなくなり、それを追うように安久まで失踪。裕子はたったひとりで取り残されてしまう。ルー大柴が安久を演じる。田辺・弁慶映画祭の入賞作品を特集する「田辺・弁慶セレクション2018」で上映。
2017年製作/39分/日本
スタッフ・キャスト
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2018年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ルー大柴主演の映画と聞いて、一体どのような作品を思い浮かべるだろう。その実態は、大方の予想よりも遥かにセリフが少なく、むしろ内に抱え込んだ想いの底知れなさに、ただただ戦慄させられるサスペンスだ。
序盤にじっくりと伝統的な職人の技が映し出されるところから、何かこの映画には一筋縄ではいかない雰囲気が充満する。当たり前のようで、当たり前ではない日常。表情。言葉のやり取り。自分の中で警戒信号を発して良いのかどうかわからないまま、ズルズルと術数にはまっていくこの感覚。
物語の中で幾つか提示される“状況”が一度目はストレートに突き刺さり、二度目は角度を変えて裏側から突き刺さってくる様にも意表をつかれる。そして「言葉」と「真実」に実は大きな乖離があることを観る側にナチュラルに気づかせる手腕もとても巧みだ。重苦しいかと思えば、凛として、そして時に背筋が凍りそうにもなる。まさに怪作という名にふさわしい。
2018年5月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
あてがきでかかれたという脚本の面白さもあるがルー大柴氏の今までのイメージを覆す押さえた芝居に引き込まれました。
上映期間が短いのがもったいない!