劇場公開日 2018年10月12日

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「【ある哀しみを抱えながら、必死に生きる少女の心が生み出したモノ。そして、そのモノと心を交わすことで哀しみを乗り越え、成長していく少女の姿が印象的なダーク・ファンタジーテイストの作品。】」バーバラと心の巨人 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【ある哀しみを抱えながら、必死に生きる少女の心が生み出したモノ。そして、そのモノと心を交わすことで哀しみを乗り越え、成長していく少女の姿が印象的なダーク・ファンタジーテイストの作品。】

2020年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

幸せ

ーバーバラは、ちょっと不思議な女の子。”巨人”をおびき寄せるために「エサのジュース」の配合に余念がないし、”巨人”を倒すために、海辺の秘密小屋にはイロイロな秘密兵器や”思い出”が隠されている。そして、彼女は”守護霊への敬意”を示すウサギの耳をいつも、頭部に装着している。-

 ・ちょっと、変わった女の子であるがゆえに、学校では変わり者として観られているバーバラ。けれど、そんな彼女にもひょんなことから、ソフィアという友達が出来る。

 ・学校では、心理士の”モル先生”から、優しく話し掛けられるが、バーバラの頑な姿勢は変わらない。ソフィアもモル先生も、巨人の話を信じない・・。
ーモル先生は全て見抜いていたんだろう・・。-

 ・いじめっ子のテイラーもちょっかいを出してくるが、彼女は”コヴレスキー”と名付けた秘密の武器を秘めたポシェットを常時携帯している。
ーこの、”コヴレスキー”:100年前の野球選手の名前と巨人との関係性が露わになる部分は秀逸である。バーバラの想いが良くわかる・・。-

 ・何故か、バーバラの食事を含めた面倒を見るのは姉のカレンである。彼女も金融関係の会社で働いているが、イロイロと大変らしい・・。時折、涙を流している。

 ・そして、徐々に明らかになるバーバラの家族の真実。今まで足を運ぶことのなかった二階の部屋にいたのは・・。

<哀しき現実と向き合う勇気がなかったためにバーバラの心に生れたモノ。だが、現実は残酷で・・。
 けれど、その事実を受け入れたバーバラ。その瞬間、敵であったはずの巨人がバーバラに話しかけた事。
 新学期を迎え、全てを受け入れたバーバラの頭には、もう”守護霊への敬意”を示すウサギの耳は必要なかった・・。
 多少、ストーリー展開は粗いが、ダーク・ファンタジーとしてはあるレベルには到達している作品。
 似たテイストの作品として、「怪物はささやく」があるが、見比べてみるのも、一興かもしれないです。>

NOBU