女と男の観覧車のレビュー・感想・評価
全75件中、61~75件目を表示
嗚呼、ライフセイバーの王子様!!
私はあなたに告白することが二つある。
一つ目は脚本の巧みさだ。
過去に囚われたアラフォーヒロインの王子様は大学生のライフセイバーだ。
ライフセイバー、私を救って! とばかり迫るヒロインに苦笑してしまうと同時に あぁ、だからライフセイバーにしたのね と納得してしまった。
二つ目は映像美だ。
本作は前作「カフェ・ソサエティ」と異なり、転落人生を描いているが、不気味な美しさがあった。
特に注目すべきシーンは、中盤にある。
ヒロインと無自覚な恋敵(夫の前妻の子)が寝室で対峙する場面だ。寝室バックの観覧車がおりなす赤と青のライトアップがえもいわれぬ緊迫感を視聴者に上手く与えていた。そして、2人共美しい。
以上のようにウディ・アレンの手腕は健在であることを確認できる作品だ。
序盤の会話が少々冗長である難点もあるが、82歳になってもなお毎年の楽しみをくれるこの老齢の監督に感謝したい。
最後に、観ようか迷っている方の為に申し上げると、本作の傾向は「ブルー・ジャスミン」寄りであるので、コメディを期待されている方は注意されたい。
彼女はいつもイライラしてる
彼女が見つめるさきは、過去や思い描けない未来ばかり。たまに視線を足元に戻すと、息子が火ぃつけまくるっつう現実に引き戻される。
やっと若い恋人が現れ、真っ直ぐ見つめられる処を見つけたような気がしてたんに。
最後も、やりきれないなぁ。
だけど、とっても綺麗な映画。
好きだなぁ。こういうの。
高度な芸術作品
ケイト・ウィンスレットは映画「愛を読む人」で、悲惨な運命を辿ったヒロインを迫真の演技で演じていて、非常に感銘を受けたことを憶えている。女優人生であれ以上の作品と役柄に出会える人は稀ではなかろうか。
とはいえ本作の演技も素晴らしい。女優だった過去の栄光から一ミリも抜け出せず、現在の自分や置かれた状況を認めることが出来ないでいる哀れな女を、時に美しく、時に醜くみすぼらしく演じる。白馬の王子を待つ乙女のようかと思えば、嫉妬深いあばずれみたいだったりする振り幅の大きな演技は、自分は女優だという儚い拠りどころに縋っている彼女の精神性をわかりやすく表現している。芝居と現実の境界線がいつか自分でもわからなくなってしまっているのだ。女というものはこんなにも憐れで、そして男はそんな憐れな女に纏わりつくピエロであるというウディ・アレンの世界観がひしひしと伝わってくるようだ。
狂言回し役のミッキーが一方的な見解を観客に伝える仕掛けはアイロニーが効いていて面白い。山の天気のように目まぐるしく移り変わる妻の心に振り回される夫ハンプティを演じたジム・ベルーシの演技は、ベテランらしく堂に入っている。実の父のいない子供リッチーは、ぽっかり空いた心の暗闇を照らすかのように、人の目を盗んでは火遊びをする。母親が現実を見ようとしないように、この子も現実に向き合おうとしない。この子役の演技もとても上手だった。
人間の欲望と浅はかな計算と的外れなプライド、そして不安に駆られた衝動を、登場人物それぞれがリアルに演じ切ることで、高度な芸術作品に仕上がった。
こんな映画を待ってました
邦題の付け方に大いに疑問ながら、脚本と映像に圧巻。一つ一つの台詞が身に染みます。想像するような女と男の映画ではありません。ただならね人間ドラマです。善悪なしの登場人物すべてに感情移入してしまいます。分かります、うなずいてしまいます、そこにいる人の気持ち、ついつい大声を張り上げてしまうあなたの気持ち。
ヒステリー
ぽっかり空いてしまった時間を潰す為にその時に居た近隣の劇場でみられそうな作品を急遽探して鑑賞。
前夫と死に別れコニーアイランドでメリーゴーランドの技師をしている男に救われて再婚した女の浮気と嫉妬の話。
旦那の前妻との娘がギャングの夫と別れ命を狙われて帰ってくる所から始まるややこしい設定に、更には自分の連れ子は放火癖が止まらずという話が乗っかってくる。
自己中でペラペラペラペラ良く喋り自分に自信が有るのか無いのか嫉妬心全開の主人公で何一つ魅力が感じられないし、ラストも中途半端。
特に期待してみた訳でもなくハードルはかなり低かったんだけどそれでももの足りなかった。
ウディ・アレンに圧倒された
ケイト・ウィンストンの二度の長回しシーンはすごすぎ。夢を追い、刹那な愛に身を焦がすジニーを好演。ジュノー・テンプルも素敵でした。五十年代のコニーアイランドの再現も見事。この冒頭のシーンだけでもこの作品を見る価値あり。ウディ・アレンの力作!
痛い女加減が凄い!
女優として生きた行くことを諦められない女
ウエイトレスをしながらも
私はこのままで終わる女じゃないと逃げ道を求めて不倫に嵌る
よくよく見るとジニーが女優としての仕事を失ったのは
実は自分の不倫が原因
息子は酔っぱらったジニーの過去の話に翻弄されながら
はけ口なのか窃盗や放火に走る
夫は元妻との間に出来た娘が可愛くてしかたがない
この夫婦互いに誰かを必要としながら誰かに依存して生きている
まぁどっちもどっちだね
それにしても更年期のおばさん怖いです
ミッキーじゃなくてもキャロライナに走ると思うけどね
私でもキャロライナの方が良いと思うもん
まぁ確かに軽くておバカだけど
なんせ若くて可愛い将来を考えるならこっちでしょ
ギャングに追われてるなら世界の果てまで逃亡すれば良い
ヒステリーおばさんの面倒を見るくらいなら
若くて可愛い女の子との逃亡を考える
ということで嫉妬に狂った女の末路がどうなるか
不倫に走った女の醜さをまざまざと見せつけてくれる映画でした
40おばさんが大学生の男に本気になるほうが
どうかしているとしか言えない
内容はクソだけどケイト・ウィンスレットが痛い嫌な女を
好演してくれています
良い女なんだけど凄いです
そしてジャスティン・ティンバーレイクは
イケメンなのでゲス野郎でも目の保養になりますねぇ~
照明や日差しなど色使いが良いんです
レトロチックな雰囲気と遊園地の観覧車
見世物小屋を中心として繰り広げられる世界は不思議で美しい
世界観は良いです
あのタイタニックのローズが、、、
痛い中年女性を忠実に再現している。
不倫をして嫉妬に狂い
自分はこんな秘めたる才能が
あるのに、、などと思い込んであー痛い痛い。
後半1人でベラベラと
勘違いを喋り続けるあたりはもう
見てるこちらが恥ずかしい。
俯瞰してみるとこのおばさんほんと、、
って思うけれど、
あれ、これは自分ではないか?と
思い当たる節がいくつも出てきて
反省する事も多かった。
想像とは違ったドロっとした
内容でしたが、そこに人間あるある
のような笑いがちりばめられ
バランスが良かったです。
そして、色と光の綺麗さ。
人間の汚さを綺麗に映し出していました。
コニーアイランドと女優
ウディ・アレン監督ですから、音楽が素晴らしいのは言うまでもありませんが、今回は照明も印象的でした。
そこに住む人々が街を作るのか?はたまた街が人々を呼び寄せるのか?
いつもながら、人と街が織り成す物語が見事で
コニーアイランドの夕日や遊園地のネオンは、まるで舞台の照明のように主人公を照らし出し、
日常に疲れ果てた元女優の現実逃避願望に拍車をかけていました。
だいたい、書き割りセットのようなカラフルな建物に囲まれ、住んでいる家からして非日常。
こんな所で穏やかな暮らしなんてのは、到底無理です。
『ブルージャスミン』では「壊れかけた女が完全に壊れる瞬間」を見せてくれましたが、本作では「悪魔が囁く瞬間」に鳥肌が立ちました。
女の醜くて嫌な部を容赦なく描きつつ、その姿が切なくも愛おしい。
自分とは程遠い存在の筈のヒロインが、一瞬自分とダブルような…身に覚えのある感情の既視感に惹きつけられました。
観覧車は素敵な景色を見せてくれた後、一周回って元に戻り
悪夢のような現実から逃れられない絶望と、嫌悪の中にあった微かな温もりを知る。
ウディアレン監督サイコー
年齢がねんれいなのでウディアレン監督はどうなのか。。
なんて思いながら。。
試写致しました
とっても素晴らしかったです
連れ子同志の再婚でお互いを思いやりながら
ほんとに旦那さんが優しいのに感服。。
妻が浮気してるのなんか疑いもせず、、いい人だなあ。。
お互いの連れ子に思いやりも少しはあったりして
でもでも。。
生活もお互いに一生懸命働いてもやっと・・
こんなこと日本でもサモアリナンと思いつつ
ケイトウィンスレットの女優魂に素晴らしい!!
映画も良かった、脚本も、脇役も。。
すこしだけ。。あんな男によろめくなんて・・と思いました
誰でも女は自分の女を試したくなる時が来るんだな~と思います
これはおススメ、私だけそう思ったのかな。。
何ともいえない気持ち
「自分はもっとイケてるはず、もっと幸せになれるはず」という思いに固執して、逆に自分を不幸にしていく主人公。観ていて心が苦しくなりました。
ケイト・ウィンスレットが独り言の様な長い台詞で、自分の心の内を呟くシーンが、舞台演劇のモノローグを観ているようで印象的でした。
とても切ないストーリーを人工的な色彩の美しい映像が盛り上げます。何ともいえない気持ちにさせてくれる作品でした。
グルグル回るよ秘密の恋が…。
ちょっと期待しすぎちゃいました。
『ミッドナイトインパリ』のような、ファンタジックな雰囲気を想像していましたが…。
あまりにも男女関係がドロドロしていたので、イメージと違ってしまいました。
もう少し感情の起伏を抑えた方が監督らしさがあって良かったような…。
でも、でも、ファンタジーな要素は、音楽と映像の美しさで堪能させてもらえたので満足です(笑)
映画の舞台は、1950年代の遊園地と海というロマンチックな港町。
爽やかな風が流れる街並みですが、内容はドロドロの昼ドラのような男女の諍いが続きます。
これまでの監督の明るい楽しいイメージから一変しているため、面食らってしまう人もいるかもしれません…。
主人公の女性は、中年女性の代名詞のような、ケイトウィンスレットさん。
彼女の演技が、殺伐とした世界をより一層盛り立てています。
夫との愛に冷め、若い男性との恋に勤しんでいる中年女性の悲しい生活。
息子は万引きや放火を繰り返し、家庭も火の車。
家族の幸せなんて微塵も感じない、冷めた生活の中、唯一の不倫が彼女にとって心の救いとなっている状態です。
そんな彼との秘めやかな情事に、介入してきたのは夫の連れ娘。
暴力夫の手から逃れる為に、父親のもとに訪れた娘ですが、その女の可愛くて健気なこと…。
彼女の登場により、楽しい彼との甘い生活が崩壊し始めます。
男はやっぱり若くて可愛い女が好きなのでしょう。
あっという間に娘の虜になってしまった男。
中年の女には、若さも可愛さも持ち合わせず、虚無感ばかりが心を覆います。
あんなにも愛していた男を、あっという間に寝取られてしまった虚しさ。
そんな嫉妬心が、良からぬ事件を起こす原因となるなんて…。
『コニー、コニー』と陽気な音楽が流れているにも関わらず、ドロドロの人間関係が容赦なく描かれている今作。
夫との生活に疲れ、愛することを忘れた40歳女性にとって、共感できる作品なのかもしれません…。
まだ子供もいない私にとっては、まだまだ未知の領域。
いつか自分も、こんな誰かを妬み嫉妬する女性へと成り果ててしまうのでしょうか。
個人的に、こういう話はあまり好きではないのですが、昼ドラが好きな人にはきっと満足できるはずです(笑)
観覧車のようにグルグルと回り続ける、男への欲望が随所に描かれた、昼ドラのような世界を堪能しました。
いい気持ちで終わることはできませんが…。
男女のグチャグチャした恋愛が好きな人にはお勧めします(^^)
最後に…
おまけで、Coney Islandのポップコーンをもらいました。
何故、ポップコーンなのか?
その疑問は解消されず、試写場を後にしました。
恋なんて観覧車のようなもの
ウッディ・アレンお得意の人生喜劇
笑えないコメディを楽しんできた
痛いなー笑えないなー
と思いつつも、心の奥底で楽しんでるようなそんな作品
夫と息子がいる身でありながら、若い劇作家志望の学生と不倫をする主人公のジニー
彼女はいつも満たされず、次第に精神が不安定に
そこへ、夫の成人した娘が転がり込んできて、たちまち修羅場に
彼らが修羅場にいるのはわかっているけど、そこがカオスになればなるほど笑ってしまう
けれど、私としては、主人公のジニーに感情移入してしまって笑えない
しまいには、私にはこれが、やはりヒロインの精神が崩壊していく「欲望という名の電車」に見えてくる
ラストが異なるのは、これが電車ではなく観覧車で、悲劇ではなく喜劇だからか
疲れきった中年女が次第に開き直っていくジニーを演じたケイト・ウィンスレットはさすがの演技を見せてくれるし
ジャスティン・ティンバーレイクがモテるのも仕方ない(笑)
カメラは、映画ファンが大好きなヴィットリオ・ストラーロ
「遊園地」らしい画面の華やかさや、長い長いショットで、今回も映画ファンの目を楽しませてくれる
遊園地が舞台だけに、もっと軽めのコメディかと思ってた
大人が好き勝手やるのも自由だけど、そのしわ寄せは、しっかりと息子に影を落としているのがやるせない映画だった
全75件中、61~75件目を表示