「究極の危機に挑む男達の苦闘」空母いぶき みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
究極の危機に挑む男達の苦闘
緊迫感が途切れることのない、面白い軍事サスペンスだった。しかし、それだけの作品ではない。日本を取り巻く国際情勢が混沌としている時期に本作が上映される意義深さを感じる作品である。戦後、日本は戦争放棄、専守防衛の立場を貫いてきたが、そんな日本の立場に鋭く切り込んだ問題作である。24時間に絞り込んだ物語なので、スピード感、緊迫感が半端なく、我々も緊迫の物語に放り込まれたような臨場感がある。
本作の舞台は近未来の日本。主人公は、航空機搭載護衛艦いぶきの艦長・秋津竜太(西島秀俊)。ある日、突然、国籍不明の漁船団が日本の領土である南方洋上の島を占領してしまう。この危機的状況を打開するために、いぶきは現地に向かうが、徐々に事態は悪化し、未曽有の危機に深化していく・・・。
舞台が近未来の日本なので、冒頭からフィクションであることを忘れて魅入ってしまう。この手の作品の危機は机上で終わってしまうケースが多かった。しかし、本作は、予想を遥かに超えて究極レベルまで踏み込んでいくので、日本人として平常心で観ることはできない。
究極の危機に直面して、政治家、最前線にいる自衛官たちは、日本の平和を守るために、それぞれの立場で、それぞれの闘いをしていく。特に、専守防衛を堅持しながらも懸命に決断をしていく自衛官たちの姿はリアルである。艦長・秋津と、副長・新波(佐々木蔵之介)が持論を戦わせて対立しながらも、結束を強めていくプロセスは本作の軸であり、二人の演者の迫真の競演は見応え十分である。
専守防衛について、本作で取られた方法が最善手かどうかは分からない。我々一人一人がしっかり考え、議論を繰り返して結論を導き出していくしかない。
戦後70年以上、日本は平和を享受してきたが、平和は、自分たちで必死になって守っていかなければ維持できない。観終わって、いつまでも本作をフィクションとして鑑賞したいという思いが強く込み上げてきた。
こんばんは、NOBUさん。
みかずきです。
コメント欄があるサイトって、荒れますね。
私が3月まで登録していたサイトも、コメント欄が荒れることがあり、その影響でしょうか、段々登録者が減り今年の3月で終了となりました。
こちらのサイトは、事務局の努力で改善したようですね。
コメント欄はレビュアーの意見交換の場として有効ですが、
意見にも色々あるので、事務局がしっかりフォローする必要があります。
-以上-
今晩は
今作は作品の内容とは違う思い出がある作品です。当時、このサイトは自分でレビューも書かない癖に、自分の政治的主義主張を書き込んでくる愚かしき輩(右派が多かったですね。)が多く、いい加減に嫌になった私はこの作品のレビューだけコメント不可にしました。
あれから3年かあ。早いモノです。では。
みかずきさん、コメントありがとうございます。
最近、レビューはあまり書いていませんが、映画.comは3年目のひよっ子です。こちらこそよろしくお願いします。(^^)
『空母いぶき』
多少迫力には欠けるかもしれませんが、コンパクトにまとまっていました。
始終、緊張しながら見てしまいました。