アウトサイダー

　外国人がヤクザになるっていう設定が新鮮で面白かった。銃でドンパチするかと思いきや、全編通して静かな印象。
　最後オロチ(椎名桔平)に復讐するときも、日本刀でバッサリ斬って終わり。オロチが目の前で殺されたのに、普通に帰してお咎めなしってのが謎だった。

　ニック(ジャレッド・レト)の綺麗な顔立ちと、目力の演技に引き込まれた。台詞は少なめでニックの表情で語る感じ。日本語が分からないって設定が活きてるのかも。
　会話の中でぷつりと沈黙が訪れ、狂気が爆発して相手を殺すニックが怖い。返り血を浴びても美しい、血しぶきイケメンと呼ばせてくれ。

外国人が監督する日本を舞台にした映画は、妙な日本の表現に一気に萎えることがほとんどだが、この映画ではそれがなかった。俳優陣も日本を代表する一流ぞろいだし、日本に対する監督のリスペクトを感じた。

オール日本ロケだけあって変な日本感はほとんどないが、ストーリーに派手さがなく主人公も静かなのか荒っぽいのかよく分からない。 HIROは大きな役をもらったな。

突っ込みどころ満載で、上げたらキリがない。
シナリオが破綻している上に、日本人のアイデンティティをこの演出家は理解しない。自分の思い込みで作った作品だ。

例え、裏社会と言えど、仁義というものがあり、それをぶち壊して、平然とするから、裏社会なのだ。
この映画は仁義なき戦いを見て作った模写映画でしかない。

第二話　を作ってどうする？