劇場公開日 2018年8月31日

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「舞台はレバノンでも、こういうことってよくある。」判決、ふたつの希望 MPさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0舞台はレバノンでも、こういうことってよくある。

2018年9月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

難しい

配水管工事の際に起きたちょっとした暴力と差別発言のせいで、当事者である2人の男の意思に反して、事が大袈裟に膨れ上がっていく。たとえそれが、レバノンとパレスチナ、キリスト教とイスラム教の対立というとても複雑な事情を孕んでいたとしても、こういうことってよくあると思う。些細な喧嘩が、双方の意地と、そこに群がる第三者たちの"煽り"によって、取り返しがつかない事態に発展するということは。この映画が日本からは遠く離れた地域を舞台にしていながら、気がつくと誰もが法廷の傍聴席に座ったようなある種の興奮と共感を覚えるのは、そのためだ。人と人とは必ず分かり合えるはずなのに、それを邪魔する不幸で愚かな憎悪の繰り返しを、いい加減止めようじゃないか!?心が安らぐエンディングからは、そんな呼びかけが聞こえてくるようだ。

清藤秀人