判決、ふたつの希望のレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望

劇場公開日 2018年8月31日
79件中、1~20件目を表示 映画レビューを書く

ほんのちょっとの気づき

レバノン社会は複雑だ。18もの宗派が存在し多くの紛争を経て、多様な人種が暮らしている。普段は「配慮」して口にしない感情は、だれの心の中にもある。
きっかけはささいな口論に過ぎなくても、それが人種対立というフィルターを通して拡大されれば、国を揺るがす大事態になる。それほどまでにレバノン人の心の底にくすぶる何かを呼び起こしてしまうものが、映画の中に描かれている。

人間だから誰もが許せないことはある。しかし、重要なのは相手もまた自分と同じ感情を抱いていることに気がつくこと。手を取り合ったり、抱き合って和解する必要はない、ただ、相手を自分と変わらない人間だと認識することで、不毛な対立はずいぶん解消されるものだとこの映画は言っている。対立した2人の男の間に友情が芽生えたわけでもない。ただ「ああ、あいつも俺と同じなんだな」と互いに思えるようになっただけだ。
今日、世界中の対立で欠けているのはこの小さな認識ではないか。それに気づくだけで世界は随分よくなる気がする。

ローチ
ローチさん / 2018年10月27日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  知的
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 6 件)

舞台はレバノンでも、こういうことってよくある。

配水管工事の際に起きたちょっとした暴力と差別発言のせいで、当事者である2人の男の意思に反して、事が大袈裟に膨れ上がっていく。たとえそれが、レバノンとパレスチナ、キリスト教とイスラム教の対立というとても複雑な事情を孕んでいたとしても、こういうことってよくあると思う。些細な喧嘩が、双方の意地と、そこに群がる第三者たちの"煽り"によって、取り返しがつかない事態に発展するということは。この映画が日本からは遠く離れた地域を舞台にしていながら、気がつくと誰もが法廷の傍聴席に座ったようなある種の興奮と共感を覚えるのは、そのためだ。人と人とは必ず分かり合えるはずなのに、それを邪魔する不幸で愚かな憎悪の繰り返しを、いい加減止めようじゃないか!?心が安らぐエンディングからは、そんな呼びかけが聞こえてくるようだ。

MP
MPさん / 2018年9月4日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  悲しい 難しい
  • 鑑賞方法:試写会
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 10 件)

法廷で争う弁護士父娘が新鮮なアクセント

ジアド・ドゥエイリ監督は、西側や東洋の私たちがなかなかうかがい知れないレバノンやアラブ文化圏の事情を、ごく普通の人々の暮らしや体験にからめてわかりやすく伝える才人だ。フランスのアラブ人ゲットーで暮らす若者を描く2作目「Lila Says」、妻に自爆テロの嫌疑がかかるイスラエル在住の医師の苦悩を描く第3作「The Attack」は小説の映画化だが、それでもアラブの人々が決してイージーではない環境の中で、どんな風に世の中を見て、どう感じているかをいきいきと伝えている点は変わらない。

主演2人の名演は見応え十分。多くは語らず、深い怒りや憎しみを表情で伝える。2人の対立が周囲を巻き込みどんどんおおごとになっていく展開も興味をそそる。原告側と被告側それぞれにつく初老の父とその娘、弁護士親子の対決もちょっぴりユーモアがあって楽しませる。暗く重い歴史を扱っているが、後味はさわやかだ。

AuVis
AuVisさん / 2018年8月31日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  悲しい 楽しい 知的
  • 鑑賞方法:試写会
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 8 件)

登場人物が全員、興奮している映画。

 登場人物全員が各々、自分の主張を譲らず、大声でまくしたてる映画でした。日本ではまず、考えられない映画です。なるほど、これが中東の実情なのか、と闇の深さを感じざるをえませんでした。謙譲や寛恕の精神は彼らとは無縁なのでしょうか。レバノンがこうなのですから、イスラエルとパレスチナの対立はもっと凄惨なのでしょう。宗教よりも人命を大切に扱うべきです。人を幸福にするための宗教がここでは人間を不幸にしています。いつの日にか、かの地にも平和が訪れることを祈らずにはいられませんでした。

bashiba
bashibaさん / 2018年12月17日 / PCから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  難しい
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

見せ方上手&説明上手!

題材とか、お国の違いからくる理解できない感情とかあると思ったら、全然!憎しみに共感して、こちらもきりきり胸締め付けられながら、そしてお話はどんどん展開していき、盛り上がります。絵的に派手なことは起こってないけど、緊迫感のある演出とテンポで、最後まできっちり仕上がってました。

Santa
Santaさん / 2018年12月5日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

レバノン!

スペイン映画を見た時に、やけに日本のドラマににてると思ったことを思い出した。

新しい感動を受けるほど、人間関係を理解するのに役立つ映画。
感動もそこから来てる気がする。
とてもしっかり作られていて感動しました。

moviesmusicmyl1
moviesmusicmyl1さん / 2018年12月2日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

とても面白かった ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

 不器用なおじさん二人が素直になれなかったために大変な騒動になっていた。特に若い方のおじさんは、タトゥーとか入れている割にお腹に1発パンチをもらっただけで悶絶してしまい、きっとそれがよほど悔しくて法廷闘争に持ち込んでしまったのだろう。しかしそんな彼が、エンジンがかからなくて困っている現場監督のおじさんの車を修理してあげる場面が感動的だった。不用意にむかっ腹を立てる割に、困っている人がいたら即助けてあげられる人だ。だから、現場監督のおじさんが弱った感じで配管工事させてくれと言ってたら何も問題は起こらなかっただろう。現場監督のおじさんが、自動車工場を訪ねて、無駄に挑発して殴らせる場面も素晴らしかった。出会うのが別のタイミングであれば、すごく仲良くなれていたかもしれない。そんな二人の佇まいが人間臭くてとてもよかった。
 ただ、バーレーンの事情がよく分からなかったので、事前に勉強していたらもっと楽しかったと悔やまれた。

古泉智浩
古泉智浩さん / 2018年11月15日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 悲しい
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

非難し合った結果が戦争になってもいいのか

「シャロンに叩きのめされていたらよかったんだ!」レバノンの男性がパレスチナ難民労働者を罵倒するところから始まる、レバノン出身のジアド・ドゥエイリが民族宗教対立の裏にある歴史や差別に踏み込みながら密度の高い人間ドラマを創った。

これは日本が取り組む移民政策(‪入管法改正‬)にも密接に関係するタイムリーな映画だ。

近年世の中は偏見による罵倒と憎悪にあふれており、移民難民問題が絡むと理性が吹っ飛んでしまうのが現状だ。

レバノンは地中海の東に面し、隣国イスラエルとシリアに再三侵攻されており、イスラム・キリストの宗教対立が激しい国であり、流入したパレスチナ難民が国を支えている面もある複雑な事情を抱えている。

ここで言うシャロンはイスラエル史上、最もパレスチナに強硬姿勢を貫いたシオニストの首相であったことを頭において見れば理解しやすい。

ezukodeoyogu
ezukodeoyoguさん / 2018年11月8日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  悲しい 怖い 興奮
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

日本は平和すぎ?

この映画を観ていると日本人は中東のことを殆ど理解していないんだろうなぁ~と感じながら鑑賞しました。
新築住宅が違法建築だったり、難民の不法労働者が現場監督だったり、大統領自身が個人の裁判の和解を勧告したり、最後は日本では考えられない判決だってり・・・。
いろいろと考えさせられる作品でした。

aki007
aki007さん / 2018年10月30日 / PCから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  知的
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 1 件)

演技、背景設定は見事

しかし、肋骨骨折の胸部写真は、裏表が逆。トニー・ハンナの押さえていた左手は、肋骨の下。かつ、パンフレットの映画エッセイストの論評は、レバノンの文化も、歴史も知らないと言って、書き始めている。テレビの出演者、コメンテーター並みの映画評論が好まれているのでしょうか?良い映画です。

Moriki
Morikiさん / 2018年10月28日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

思わぬ出会いをありがとう

映画と、こういう出会い方をするために、
僕は映画館に通っているのだろう。

暇な時に、たまたまやっていたから観ただけの映画。
さほど期待はせずに観た映画。

やられた。

社会派ドラマとして、法廷ドラマとして、コメディとして、友情物語として…
色々な側面があり、しかもそれぞれの側面の彫りが深いのに、きちんと一本にまとまっている。

2018年観た映画の中では2位。
3位に大差をつけて。

あまりにもひどい私
あまりにもひどい私さん / 2018年10月28日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

明日は我が身

些細な口論と感情の縺れが周りを巻き込んで大問題に発展。ただ謝罪が欲しかっただけなのに…どこにでも起こりえる問題を見事に描いている作品。明日は我が身、身の引き締まる思いになりました。
2018-208

隣組
隣組さん / 2018年10月23日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 1 件)

感情の背景 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

些細なことで主人公と相手が揉める。やがて、社会的・歴史的な背景も相まって、訴訟問題に発展していく。
法廷の中で、二人がなぜそのような発言や行動を取ったのか、徐々に明らかになっていく。
特に感じたのは、自分が取る行動・発言には、自身でも制御出来ない自分達のバックボーンがあって、その場の問題だけではないということ。
過去を振り返らずに、関係ないのだから、前を向こうというけれど、容易なことではないと感じた。
それでも、物語を通して、変わっていった、二人に感動した。
自分は日本人で、そういった負のバックボーンを直面せずに生きて来たのだと思わされた。

Noah
Noahさん / 2018年10月21日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

傑作!我が事として考えさせられる重厚なドラマ ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

これは傑作だった。レバノンとパレスチナ難民の対立や差別意識などを重点に置いて描かれているドラマであるものの、そこに映し出される光景は、今現在世界中の至るところで観られるものであり、どこかで見覚えのあるあるいは身に覚えのあるような出来事に思えたりする。単一民族国家と言われる日本であっても、こういう対立や差別のようなものは確かに存在しているし、国は違えど、この映画に描かれた問題と人々の痛みや苦しみや叫びを、世界中の人々が我が事として見つめたのではないかと思う。

きっかけは些細ともいえる個人同士の問題だった。工事が喧しいとか、水やりの水がかかったとか、その程度のことだった筈が、一方がレバノン市民で一方がパレスチナ難民であったこと、またそれぞれに事情と過去があること、それらはどちらも社会が生んだ悲劇であったこと、個人の問題の根底には社会問題が根を張って居たりすること・・・そういったことが解決の糸を複雑に絡ませてしまい、裁判にまで発展した時点で、あくまで個人同士として始まったはずの問題は民族同士の問題や社会問題に膨れ上がってしまった。この映画は、問題提起として何かを強く訴えようということとして以上に、個人の問題の礎が社会の問題であるということと、一方で社会の問題は個人の問題の蓄積であるということ、そしてまた個人の問題を社会の問題として扱うことの恐怖やその逆もまた然りであることなんかを強く気づかされる内容で、「個人」と「社会」という概念が複雑に重なり合っていくドラマティックさに重厚なサスペンスとメッセージを感じて、終始感嘆しきりだった。

分かりやすいシーンだとは思ったけれど、車のエンストのシーンはやっぱり巧いと思った。社会問題として考えればパレスチナ人を許すことはできない。でも個人問題として考えればエンストして困っている人は助けずにいられない。このシーンのように、人間の矛盾しているからこそ共感できる描写が多数存在して、その都度感心させられた。最後の不思議な和解のシーンも巧かった。

私は日本人という立場でこの映画を「外国映画」として見たわけで、作中の表現を借用すれば「観光客のように」作品を観たことになる。私の立場で観ればとても面白い映画だった。でも私が自国の当事者だったら、この映画をどうやって見てどうやって感想を抱けばよいかは、見当もつかないなと思った。それほど生々しく真に迫るものを感じたからだ。それでも私は☆5より下には出来ないなと思った。

この映画は、傑作だった。

天秤座ルネッサンス
天秤座ルネッサンスさん / 2018年10月21日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする
  • 共感した! (共感した人 0 件)

ちゃんと話し合えば1時間もあれば解決できたはず ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

おじちゃん達の意地の張り合いでこじれまくって国まで巻き込む大事に。ざっくり言うと、水道管から水が漏れてて下の人にかかるから水道管を直したら、叩き壊されてクソ野郎と言ったら訴えられた☆っていう話。
.
もちろん問題はもっと複雑で民族、難民、歴史、、とか色々絡んでるんだけど、どうしても叩き壊さんでもと思った(笑)無料で直してくれたのに(笑).
.
ちょっとネタバレなのですが、.
.
.
この映画ヤーセルの謝り方が上手いなあと思った。相手に自分の気持ちをわからせた上でさらに殴らせて、そして謝るっていう。さすがのトニーも1本取られたんじゃないですかね。

せつこん
せつこんさん / 2018年10月14日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  悲しい 知的 難しい
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

面白くてタメになる

極東の地にいて、遥か彼方の中東のことを知る。映画を観る大きな価値の一つだよなあ。おまけにその話が面白ければ、言うことなしだ。
些細な喧嘩に見えたことが、主人公二人が意地を張り合うかのように、どちらも折れない。
一人は「水をかけられたのに、謝らない」と怒り、相手は「侮辱という言葉では済まないひどい言葉で罵られた」と言って、決して謝らない。
観ている側は「それなりのところに落ち着けようという気持ちはないの?」「まるで子供じゃん」と失笑しかねないシチュエーションなのだが、話が進むにつれて、ヨルダン国民とPLO難民キャンプの軋轢というものの深さ、やるせなさがわかってきて、お互いの辛く悲しい胸の内を感じ始められる。
そして、その中で見る二人の依怙地さは、今度はあたかもハードボイルドかのように感じ始められる。
ちょっとした謎解きはあるのだが、二人がどうしても折れることができなかった理由というか心情を、スッキリ理解できるわけではないのだが、かえってそのわからなさによって、中東を少し理解できたような気になるから不思議だ。
ともにイスラエルと戦い、敗れた国として、PLO難民を受け入れるキャンプを設けることは当然のことと思われるが、PLO敗残兵や民兵による略奪や虐殺もあり、さらにそれらの悲劇はなかったかのように黙殺されているという事実。それを知った自分には、主人公ふたりの折れない姿勢にも、それぞれの理由があると感じることはできた。その真の辛さは、経験している本人たちにしかわからないもので、自分はこうやって映画を観て、少しでもわかろう、感じようとすることだけだ。

映画としてもうまくまとまっている。押しつけがましく説明するのではなく、なぜ依怙地なまでの姿勢を貫くのか、をサスペンスのように謎解きしていく展開は心地よい。
本人の苦悩みたいなものを極力描かなかったのもよかったのではないか。その分、クールに、ハードボイルドになったと思う。
多くを盛り込まず、削ぎ落とすって難しいと思うが、流石だ。

奥さん役の女優、きれいだったな。

CB
CBさん / 2018年10月12日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 2 件)

宗教と政治

僕たちが分からないことを、
映画を通じて教えてくれた。

本当の戦争を知らない僕ら。
祖父に聞いたり、テレビで見たり、
本で読んだり、映画を見たりと、
間接的に見聞きはできるけど、
傷がどれだけ深いものなのか、
僕には分からない。

これから日本も、
同じことが起きるはず。
宗教や政治や民族や人種が、
どれだけ深いものなのか、
地域で一緒に生活をしていく上で
僕たちは知らなきゃいけない。

同じ土地で暮らす者として、
知っておく必要がある。

って、改めて思わせてくれた、
観て良かった映画でした。

たー
たーさん / 2018年10月6日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  知的
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする
  • 共感した! (共感した人 2 件)

エンジニア魂 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

いかにもミニシアター系の映画なのでとっくに終わって見逃したと思っていたらなんとTOHOシネマズ。まだやっていた。

馴染みのない国。背景をつかむのが難しい。
まず、アラビア語(?)で「クズ野郎」がどれだけのinsultなのか。もし、日本語に訳された語感からすると、それを言われて謝罪を求めるだろうか?毛嫌いしている難民だとわかったら、「謝りに来い」というよりはもう「見たくない、かかわるな」というのが普通ではないか?謝りに来て和解する気などさらさらなさそうに見えたが。字幕の難しさと謝罪に対する文化的違いがあるのか?まあ、最初はトニーの暴走、という認識で間違いではなさそうだが。

もう一つは中東情勢。イスラエルのユダヤ人とアラブ人との争いくらいにしか思っていなかった。なんと、アラブ人同士、パレスチナ難民とヨルダン人との間で内戦になるなんて。ヨルダンにはキリスト教徒もいるというから知らないことばかりであった。

だから「シャロンに抹殺されていればな」を一審でトニーもヤーセルもなぜ隠そうとしたくらいの言葉なのか、理解できなかった。私がイメージできる難民は外国に保護してもらっているのだから、現地民から今までそんな挑発はいくらでもあったような気がするのだが、どうなのだろう。増して難民でありながら、受け入れた国と内戦になってまで争ったのに、なぜ彼らは追い出されず受け入れられているのか、パンフレットを読んだことからだけでは想像もできない。元の国民から毛嫌いされて当然のようにも思える。
ヤーセルは仕事で現場のリーダーを長年勤めていたようだ。そんなキャラクターは大抵冷静で、差別的挑発に乗らないものだし、実際、その言葉と解雇以外はそんな役柄だった。「シャロンに抹殺されていれば」がなぜ地雷なのか、理解はできなかった。ただ、地雷なんだろうな、くらいにしか。こんな反応はワールドカップでジダンが退場になった事件を思い出させる。

周りがヒートアップしていくなか、当事者たちはお互いの心の傷に気がつき始め理解していく。駐車場でヤーセルの車のエンジンがかからなくなったとき、トニーは引き返してきて修理する。恩を売ろうとしたわけではなく、エンジニアとして、壊れた車は直そうとする性からだろう。お互いが「中国製はだめだ、ドイツ製なら確かだ(日本製でないのが残念)」という価値観も共有している。生業は憎悪を超越するというのは洋の東西を問わないとつくづく感じた。
まるでその恩返しをするように、ヤーセルはトニーを一人で尋ねて悪態をつき、殴らせ、トニーの憎悪を解放してやる。傷ついたもの同士がこれで和解した。

判決は無罪。だが裁判に負けた人はいなかった。トニーも、トニーの弁護士も、実に晴れ晴れとしていた。無罪だったのはヤーヌスの暴力だけではなく、トニーの暴言も、傷つけあったもの同士、みんな無罪だと宣言したかのようだった。
こんなにわけがわからないのに、最後胸が熱くなるとはすごい映画だと思った。

ここでも女性は正しい。トニーの妻はこの家から引っ越したいと言うし、ヤーセルの妻もノルウェーに引っ越そうと提案する。この2人の言うとおりにしていればこんなことにはならなかったのに(映画にはならないが)。
男は殴り合って理解し合うのだから馬鹿だよね。まあ、それも悪くないけれど。ただ、戦争までしてしまうと、こんなふうに悲劇の連鎖なんだとつくづく感じた。

ちょっと残念だったのは、はじめてのヨルダン映画だったので、ヨルダンの特徴、みたいなものを感じたかった。社会情勢ではなく、文化、風俗など。フランスも共同制作だし、世界は狭くなっているのでそんなものは期待してはいけないのかな。なんだかBGMとか、都市のドローン(ヘリコプター?)映像とか、欧米の映画と変わり栄えなかったので。

かぴ腹
かぴ腹さん / 2018年10月2日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 1.5
  • 印象:  怖い 難しい
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

レバノン映画

今回初めてレバノン映画を見ました。とても良かったです。映画を見るって何だろうかと考えた時、ただストーリーを追うだけじゃなくって、その国や社会の文化、宗教を学ぶことであったり、歴史を学ぶことだったり出来るから面白い。また、謝罪するときに菓子折り持っていくのは日本だけの慣習かと思ったらレバノンもそうなのねとか、町山さんも言ってたけど水掛け論も同じなんだなとかテーマと関係ないかも知れないけどそういうのも知れて良かった。

くによし
くによしさん / 2018年10月2日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 1 件)

レントゲン、逆(笑)

法廷劇は異常に苦手だが、眠気を誘うことなく、非常に良い映画。ただ、自分の勉強不足でレバノンとパレスチナの関係。さらには宗教の問題が分かっていなかったので、その辺が分かったら、もっと興味不覚観られたかも。医者目線で言わせてもらうと、病院シーンのレントゲン写真は裏返しだった(笑)

hanataro2
hanataro2さん / 2018年9月30日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

79件中、1~20件目を表示

映画レビューを書く
このページの先頭へ

最近チェックした履歴

映画の検索履歴

他の映画を探す

映画館の検索履歴

他の映画館を探す

特別企画

Jobnavi