希望の灯りのレビュー・感想・評価
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見たことを忘れてしまうと思うけど、
寝てしまうほど退屈ではないけれど、結構ヒヤヒヤドキドキもしたりして、役者さんは全て素晴らしかったにもかかわらず、いつかきっと見たことを忘れてしまうと思う。
でも、一部はしっかり記憶の片隅に残る気がします。
そんな映画。
フォークリフトでワルツを踊りたい。
旧東ドイツにある会員制スーパーで働くことになった青年と先輩従業員達の交流を描いた静かなお話。
端正な構図と時に凝ったカメラワークで、日々の地味な作業を淡々と進めながら、少しずつ馴染んでゆく無口な主人公。そして同僚の菓子担当マリオンに魅かれてゆく。
ともかく台詞が少なくので、仕草や表情をジッと見つめなから変化を感じさせる演出。
一部の日本映画でやたらとに説明セリフを使うことが、多いこの頃、これぐらいが、心地よい。
従業員の多くは東ドイツ時代から働いている人で、統一後の時間の流れや取り残されてゆく人々の姿を想像させる部分も切ない。
スーパー従業員の作業を見ていると、どこもあまり変わらんなーと思う。
現地のフォークリフト研修で見せられる教材ビデオのひどいユーモアには苦笑い。スプラッタか!
冒頭のフォークリフトが踊るような作業シーンも「2001年宇宙の旅」パロディに見える。
日本ならコストコ物語かなタイトルは
希望の灯りを灯すのはほんの少しの勇気
印象欄に「しみじみ」とか「じんわり」を作って欲しいですね。
じっさいそんな感じで心に残る作品でした。
ささやかでも美しい人生〜なんて言う綺麗事など
今更通じない世の中で、
ままならない事ばかり数えても仕方ない。
なんとか前を向いて生きてゆく。
だから邦題は「希望の灯り」になったって感じです。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
通路を挟んで心が通じ合う中年男女の話は
ちょっとだけ観てて羨ましかった。
なかなか年下の男性に、自販機とは言え
コーヒー奢ってよ〜なんて言えないよね〜
@もう一度観るなら?
「ネット配信とかで〜〜」
そこまで近づけて触れないのは、逆に罪ではないかと思うんですが、私、間違ったこと言ってますか?
クリスティアンの身支度シーンがオール・ザット・ジャズ。時間感覚はゆったりとしていて、奇妙な懐かしさ、と言うか郷愁を感じさせてくれる映画でした。
旧東ドイツが舞台。少年犯罪で2年刑務所にいた若者。見守る親方的存在の寡黙な男。陰のある美女、しかも人妻。決して明るくない職場と、温かい人々。貧しかろう暮らし振り。
なんか日本の「高度成長期の日陰」で生活した人々の物語を見てる気分。
ドイツの物流、つまりは経済を支えるアウトバーンの「脇」で慎ましやかに生きる人達の、希望や夢なんて言葉からは縁遠い日常は、不思議としみまくる小品でした。好きなタイプです。いや映画のことです、女優さんじゃなくて。
温かなバイブレーションが絶妙
ここはコストコ?
旧東ドイツの郊外にある巨大スーパーが舞台。期せずして2時間前に観た「僕たちは希望という名の列車に乗った」は東西に分裂していた1956年の東ベルリンが舞台だった。
若い時はヤンチャで務所にいたこともあるという全身タトゥーで無口な青年クリスティアンが在庫管理係の見習いとして働き始めた。彼の仕事ぶりは危なっかしくて仕方がないが、ベテランのブルーノが気長に面倒を見る。一緒に働く年上の女性マリオンへの恋心もリアルだ。そりゃ好きになるだろう。
年配の従業員の東西統一前の時代へのノスタルジーをもしっかりと切り取る。このへんも今作のすごいところ。あの時代も悪いことばかりじゃなかったんだ。
それぞれ孤独で悩みは多いが、決して押しつけがましくない心のふれあいが、温かなバイブレーションを生んだ。映像も秀逸で、極めて地味だが珠玉の作品と言えるだろう。
人間が優しい
出てくる人間が皆んな優しい。
ハリウッド映画のような華々しさはないが、等身大の人間を描いていて、親しみを感じる。
観光では見られない、異国の日常を見ることができるところがいい。
タバコとビールが飲みたくなった。
ドイツの倉庫内作業
近所の映画館での上映が終わりそうだったので、あわてて観に行った。
毎日を淡々と、いろいろありながらも明日からも生きていく。そんな映画。ゆったりと観れた。
横向きで座って乗るフォークリフトがたびたび登場。
一番高いところにある瓶入り飲料が結構重たいはずなのに爪を奥まで差さずに下ろしていて危ないと思ったが、思ったより爪が結構長くてしっかりささっていたようで安心した。
ハンドルきるのが早いから横の荷物に当たるんだから、もう少しまっすぐ後ろに下がってから曲がればいいのにと思った。
主人公の羽織っている制服がかっこよかった。
映画のときいつもそうなのだがヒロイン的位置の女性を最初見たとき、別に良いと思わなかったりするのだが、映画が終わる頃にはすっかり可愛かったり魅力的に見えてくるからすごい。
生きること…
ドイツの巨大なスーパーで働く人たちの
姿が淡々と描かれます。
登場人物の詳しいことは
全く描かれていません。
けれど、役者さんの
素晴らしい演技力によって
それぞれ背負っているものは、
きっとこうなんだろうなという
人生を垣間見せてくれます。
ドイツという国の複雑な遍路を
辿った背景が、慎ましく生きている
人々への人生を翻弄させ、色濃く絡んで
いるのだと思いました。
毎日ルーティンの生活の中で、
出会いがあり、人の優しさを感じ、
あるいは孤独を感じ、悲しい
別れもある…
それでも、日は登り明日が来る。
歩き出さないといけない。
生きる、生活して行くって
こういうことね、と 改めて
感じさせられました。
静かな映画から、頑張ろ!と
優しいエールをもらえました。
タイトルなし
暗めの画面で淡々とスーパーマーケットで働く人たちの日常が描かれているのですが...
退屈しそうなのに、見入ってしまう手前ギリギリの所らへんで見続けている自分。
寝落ちできない自分がいました。
主人公が無口すぎたり、中盤突飛な行動に出たりが気になったのか、はたまた「トニエルドマン」に出てた、一度見たら絶対忘れられない魅力的な女優さんのせいなのか...
一度見れば十分な映画ですが、記憶に残り続ける映画になりそうです。
みんな言ってるよ、あいつはいい奴だって。
巨大スーパーという設定が斬新。そのため、その出会いが「どこにでもある」というよりも、「こんなところでもある」という希望になる。
そこで働く人びと。その過去?それはどうでもいいじゃない。一人暮らしの訳がなんでも、明るい彼女の旦那がDVの疑いがあっても、全身にタトゥーがあっても。だから、込み入った詮索をしないのが暗黙のルール。親しくしてる同僚にさえ、本当の自分は見せはしないのだよ。そこでの働きぶりが真面目であればいいじゃない。
ほんと、ろうそくの灯りくらいの希望でも、人によっては、とても頼もしく愛おしい灯りになるってこと。
【美しい音楽の流れる中、リーチ式リフトは全て観ていた・・・・】
-統一直後の独逸の巨大スーパーマーケットの倉庫係の人たちの人間模様を優しい視点で描いている。-
若いころ身体に刻んだタトゥーを制服で隠しながら黙々と働く男と、彼を暖かく見守るその上司。
徐々に距離が近づく年上の魅力的な女性。休憩所での倉庫係達の何気ない会話。
今作品の風合いはアキ・カウリスマキの映画を想起する人が多い気がするが、私はこの映画の音楽の使い方が好きだ。
男がリフトを危なっかしく運転する際、静かに流れるサン・ラックスの"EASY"が特に良い。
哀しい出来事も起こるが、観終わった後、優しい気持ちで映画館を後に出来る映画だと思います。
〈2019年4月30日 京都シネマにて鑑賞〉
しみじみする
「ありがとう トニ・エルドマン」に出演されていたサンドラ・フラーさんが出ているみたいなので、鑑賞しました。
ドイツっぽいというか、陰鬱な気楽さを感じる映画でした。雰囲気や、人間関係、会話の中にお国柄というのか、独特なものを感じて、とても面白かったです。現地の本当にリアルな生活というものを感じれる映画だと思います。
ただ、何が主題かといわれると、ちょっとよく分からなかったです。
癒しを求めて鑑賞すると、大火傷
期待していた展開と違っていた。
ごく普通の倉庫管理の職場と職場では見せない問題を抱える3人の主人公の物語。
誰しも暗い過去や誰にも相談出来ない問題があるという裏側を描いた作品。
癒しを求めて観るのではなく、現実に戻りたいと思った時に観ると良いでしょう。
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