希望の灯りのレビュー・感想・評価
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みんな必死に生きている
ドイツの巨大スーパーマーケットが舞台、主人公は内気で刺青の多い青年、在庫管理係として採用されて先輩から仕事を教えてもらう。
いろんなタイプの人たちがいるが、みんな必死に生きている感じ。
主人公は自分より年上の同僚女性に恋をしてしまい・・・。
みつめる視線が温かい。
語らないからって感情がないわけではない、語らないからこそ心に秘めているものが大きい。
ブルーノ(ピーターカース)のような存在の人がいれば、クリスチャン(フランツ ロゴスキー)のような社会に受け入れにくい存在(例えば、この映画の場合、内向性、少年犯歴、刺青、貧困など)の人が生きにくく道に迷っていても、なんとかやっていけるんだよなあと思った。
上に立つものの理解と寛容さが社会の中で生きにくく迷っている人のために、(この場合はスーパーの通路という狭い場所だが、心を寄せ合い生きて行ってる場所である)大事なんだよなあ。なんでもやれて優秀と言われ、自分の進む道を知っている人ばかりが、世の中に住んでいるわけじゃないからね。この映画をみて、是枝監督の「万引き家族」を思い出した。社会的立場の弱いもの、この人たちが家族という仲間を作って生活をしている。
弱いもの、道に迷ったものに寛大になれて、理解し、それを消化できて共感できる社会を作るべきだと。自分の時間を人のためにあげられる、人の話を聞いてあげられる時間を持つこと、それに、問題がある同士がいたわりあえる社会が必要なんだけど、今の社会は、一般論だが、人の問題を聞いてあげていない社会になり、自分の気持ちを吐き出す場所もなく一人こもって孤独になってしまう。レッッテルを貼らない、そして、十人十色のコンセプで人一人一人をみたいと思う。
主人公クリスチャンがトラブルを抱えるとそれに対面して行くのでなく、自分に自信がないから、そのトラブルを避けて通ろうとする本能が働き、それが、酒、ゲーム、にのめり込む結果になったり、悪い習慣に戻ったりしてします。はっきり断ち切ることが難しいし、自分の気持ちも酒の力を借りないと吐き出せない時もあるようだ、そうでない時もあったが、クリスチャンは自分、そのままで居られる場所を(自分の場所)を暗黙に探しているようだ。
観たいとずっと思っていてやっと観られた映画だ(インタビューから察するとロゴスキーはものすごく多弁で、冗談ぽく話す男で、彼の、言葉やバックグラウンドを聞くと、私の好みの思想を持っている魅力的な人))が、なんでだが知らないが私は恋愛の映画と誤解していたようだ。なぜ、私自身が誤解していたかわからないが、この映画は「量販店の通路で生きている人の生活」であり、その一部が恋愛であったり、悲しみであったり、力のある量販店の労働者の雇用賃金労働条件問題であったり、苦悩だったり、小さな幸せなどであったりする。それに、クリスチャンの乗って帰るバスのから察すると(N3 Miltitz) ベルリンの壁崩壊後の旧東ドイツで、その社会変化についていけないブルーノーの気持ち(トラックの運転手に戻りたい。)が彼を死に追いやったのかもしれないし、フォークリフトとしてクリスチャンを育ててから(後継者)、自分の命をたったのかもしれない。私にとっては想像するしかない。
ブルーノの言葉は私の心に突き刺さる。例えば、自分のところでビールを飲めとクリスチャンに声をかけて家の連れてくる。これは明らかにクリスチャンにたいして家で泥酔してもいいといういたわりの行動で、クリスチャンが外に出て悪い道に戻っていかないようにしてくれているのだと思った。それに、クリスチャンが好きになったマリオンについても、ブルーノは次のように言っている。
クリスチャンはそこにいなければならない、マリオンのためにも。クリスチャンはいい男だ。それは、みんなが知っている。
この意味は、そして、エスキモーの挨拶は、クリスチャンはマリオンに一線を置いていることだと思った。
クリスチャンの寡黙で、口数が少なく、いや、自分の感情を口に出すととが得意でないようだ。また、それをブルーノーが、認めているというか、クリスチャンそのままを受け入れている。他にも、クリスチャンは未成年の時、犯罪を犯しているし、仕事場に遅刻をしてきたりしている。でも、ここで、 ブルーノは絶対批判していない。(日本でよく言われる、今の若者は??じゃない)そして、批判の代わり、「一緒に働いているから、何も言わなくてもわかる』と。すごくない!!!!感激したよ!!!
(このレビューは徒然なるままに書いたものである。ここでやめとかないと延々とかけるんで。)
ジャームッシュ
見たことを忘れてしまうと思うけど、
フォークリフトでワルツを踊りたい。
旧東ドイツにある会員制スーパーで働くことになった青年と先輩従業員達の交流を描いた静かなお話。
端正な構図と時に凝ったカメラワークで、日々の地味な作業を淡々と進めながら、少しずつ馴染んでゆく無口な主人公。そして同僚の菓子担当マリオンに魅かれてゆく。
ともかく台詞が少なくので、仕草や表情をジッと見つめなから変化を感じさせる演出。
一部の日本映画でやたらとに説明セリフを使うことが、多いこの頃、これぐらいが、心地よい。
従業員の多くは東ドイツ時代から働いている人で、統一後の時間の流れや取り残されてゆく人々の姿を想像させる部分も切ない。
スーパー従業員の作業を見ていると、どこもあまり変わらんなーと思う。
現地のフォークリフト研修で見せられる教材ビデオのひどいユーモアには苦笑い。スプラッタか!
冒頭のフォークリフトが踊るような作業シーンも「2001年宇宙の旅」パロディに見える。
日本ならコストコ物語かなタイトルは
希望の灯りを灯すのはほんの少しの勇気
そこまで近づけて触れないのは、逆に罪ではないかと思うんですが、私、間違ったこと言ってますか?
温かなバイブレーションが絶妙
ここはコストコ?
旧東ドイツの郊外にある巨大スーパーが舞台。期せずして2時間前に観た「僕たちは希望という名の列車に乗った」は東西に分裂していた1956年の東ベルリンが舞台だった。
若い時はヤンチャで務所にいたこともあるという全身タトゥーで無口な青年クリスティアンが在庫管理係の見習いとして働き始めた。彼の仕事ぶりは危なっかしくて仕方がないが、ベテランのブルーノが気長に面倒を見る。一緒に働く年上の女性マリオンへの恋心もリアルだ。そりゃ好きになるだろう。
年配の従業員の東西統一前の時代へのノスタルジーをもしっかりと切り取る。このへんも今作のすごいところ。あの時代も悪いことばかりじゃなかったんだ。
それぞれ孤独で悩みは多いが、決して押しつけがましくない心のふれあいが、温かなバイブレーションを生んだ。映像も秀逸で、極めて地味だが珠玉の作品と言えるだろう。
人間が優しい
ドイツの倉庫内作業
近所の映画館での上映が終わりそうだったので、あわてて観に行った。
毎日を淡々と、いろいろありながらも明日からも生きていく。そんな映画。ゆったりと観れた。
横向きで座って乗るフォークリフトがたびたび登場。
一番高いところにある瓶入り飲料が結構重たいはずなのに爪を奥まで差さずに下ろしていて危ないと思ったが、思ったより爪が結構長くてしっかりささっていたようで安心した。
ハンドルきるのが早いから横の荷物に当たるんだから、もう少しまっすぐ後ろに下がってから曲がればいいのにと思った。
主人公の羽織っている制服がかっこよかった。
映画のときいつもそうなのだがヒロイン的位置の女性を最初見たとき、別に良いと思わなかったりするのだが、映画が終わる頃にはすっかり可愛かったり魅力的に見えてくるからすごい。
生きること…
ドイツの巨大なスーパーで働く人たちの
姿が淡々と描かれます。
登場人物の詳しいことは
全く描かれていません。
けれど、役者さんの
素晴らしい演技力によって
それぞれ背負っているものは、
きっとこうなんだろうなという
人生を垣間見せてくれます。
ドイツという国の複雑な遍路を
辿った背景が、慎ましく生きている
人々への人生を翻弄させ、色濃く絡んで
いるのだと思いました。
毎日ルーティンの生活の中で、
出会いがあり、人の優しさを感じ、
あるいは孤独を感じ、悲しい
別れもある…
それでも、日は登り明日が来る。
歩き出さないといけない。
生きる、生活して行くって
こういうことね、と 改めて
感じさせられました。
静かな映画から、頑張ろ!と
優しいエールをもらえました。
タイトルなし
みんな言ってるよ、あいつはいい奴だって。
【美しい音楽の流れる中、リーチ式リフトは全て観ていた・・・・】
しみじみする
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