アナイアレイション 全滅領域のレビュー・感想・評価
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様々な解釈を容認する美しくもグロテスクなSF
元従軍科学者のレナは詳細不明の長期任務に就いていた夫、ケイン軍曹の突然の帰宅を喜ぶが、どこか様子がおかしいケインは吐血。救急車を呼んだレナは搬送中に武装した男達にケインとともに拘束されて連れていかれた先はブラックウォーター国立公園、そこには3年前に飛来した隕石によって出現した正体不明の光シマーで囲まれた謎の領域エリアXがあった。シマーは少しずつ領域を広げており、ケインはそこに送り込まれた調査隊の唯一の生存者だった。レナは危篤状態となったケインに何が起こったのかを突き止めるため調査隊に志願しエリアXに足を踏み入れる。
SFサスペンスの傑作『エクス・マキナ』で監督デビューしたアレックス・ガーランドの2作目。生態系がランダムに変異した異世界での冒険譚ながらアクション要素は殆どなく、時制を前後する映像と登場人物達の断片的な会話でレナの深層心理を掘り下げていくかなり哲学的な物語。星野之宣が描いたSF諸作のような美しくもグロテスクな世界で翻弄された登場人物達を待ち受ける宿命の向こうにぼんやりと浮かぶ命題と様々な解釈を容認するオチが深い余韻を残す冷たくも美しい一品でした。
まさしく未体験ゾーン!
「エクス・マキナ」の監督アレックス・ガーランドの新作ということで「アナイアレイション ー全滅領域ー」をNetflixで視た。アメリカ、中国以外は劇場未公開らしく日本の配給会社がびびったのかな。
宇宙から飛来した物体によってあらゆる物質が変異する領域へ侵入する調査隊。そこには一体何があるのか…
熊リアン(私が命名)の鳴き声が半端なく怖いです。こんな鳴き声アリ?
まぁそれはさて置き未体験ゾーンにもほどがあります。Don't think. Feel.
B級感溢れるタイトルの割には実に美しいアート系SFスリラーでありました。前作もそうだったがこの監督って無機質な美が好きなんだな。
人間の境界とは何のか…悩むとキリがありません。この感じは「2001年 宇宙の旅」のよう。
でも最初の現場に残されたビデオにはのけぞったf^_^;
緩急が無くて辛い!!
「全滅領域」という邦題から「絶命異次元」のような恐怖を期待しましたが、まったりした映画でつまらなかったです。主人公の経歴自慢がナタリーに合っていて鼻に付きます。緊張感を出す為か登場人物が皆ずっと同じ調子で喋っていて緩急がなく、ロボットのようで人間味もなく怪物との対比が弱いです。ラストもスッキリしないので、劇場公開しないで良かったと思います。
摩訶不思議な世界観。劇場で公開しないのがもったいない。
摩訶不思議なSFファンタジー映画。
だけど、ストーリー展開にもじっくりのめり込めたし、音楽と映像もキレイだけど幻想的で不思議感を出しているところが良し。(エンドロールも読みづらいってほどでした(笑))
簡単にストーリーを説明すると、秘密任務から生還した夫が危篤状態に。最愛の人を救うべく、生物学者レナを含めた5名のチームは政府が封鎖した地域へと足を踏み入れる。その異様な世界で、彼女は何を見たのか?・・・
主人公レナ役には名女優ナタリー・ポートマン。監督は「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランド。レナの夫ケイン役にはスターウォーズ最新シリーズでもおなじみオスカー・アイザックなどなど豪華メンバー。
オスカー・アイザックはスターウォーズから初めて知った役者さんですが、この作品では普通の生活での明るい夫と生還後の表情のギャップの演技は好きになりました。
冒頭からすでに地域から帰ってきたところで質問を受けているところからスタートし語り始めていくのですが、どんどん不思議なことが起きていき、なぜ入った人は戻ってこなかったのかなどなどネタバレになるのでほとんど言えないのですが、後半になるにつれてなるほどって言えるけど、語り合いたいなぁ~~、刺激的なシーンもあるけど劇場公開をしてもいいんじゃないかなぁ~~と思ってしまうほどもったいないし、いろんな人に見てもらいたい作品だと思いました。
ナタリー・ポートマンの演技も良かったですが、注目してもらいたいのは舞台となっている不思議な世界観の表現ですなぁ。普通の映画なら突然何かが出てきてビックリしたっ!!っていう気分になるシーンは必ず1つはありそうですが、この作品はじわっとした感じで出てくるし、冒頭のシーンなどなど、美術館にありそうって感じの表現が続くのでご注目(個人的意見)
そして、この世界観を引き立てる音楽も好きでしたので、こちらもご注目と言えるでしょうな。
言えないことだらけだけど、面白さは保証する約2時間作品。観た後語り合いてぇ~~って思っちゃいますぞ~~たぶん。
怖美しい
逆『2001年』な良質カルト
カルトSF『エクス・マキナ』を手がけたアレックス・ガーランド監督がの新作。日本ではNetflixによる配信。
ナタリーが主演であることから大衆映画なのだろうかと想像していたが、徐々に監督の本領が発揮されていく。クライマックスの興奮は、まさにカルト映画のそれだし『2001年宇宙の旅』をも彷彿とさせる。地球外の生命が地球に来訪し、知を与えるのではなく、人間の模倣をすることで自らが創造する。ストーリー的には、逆『2001年』だ。カルト映画でありながら、大衆映画でもある、良質な作品だ。
創造者は「模倣」する。そして我々を「消滅」させる。これは人間のテクノロジーと地球自然のリレイションだと解釈するのは深読みだろうか?
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