「前作より纏まりがあり、ずっと良かった」アナと雪の女王2 alalaさんの映画レビュー(感想・評価)
前作より纏まりがあり、ずっと良かった
前作はアナがメイン主人公でしたが、今作はエルサの能力に関する話なので、メイン主人公はエルサ。キャラクターの性格は前作と比べても違和感なく、それぞれの特性や性格をきちんと生かした内容になっています。
前作は、本来悪役になるはずだったエルサを急遽アナとW主人公にし、それに伴ってハンス王子を悪役に途中変更したせいか、まるでダイジェスト版のようなブツ切りの印象で、地上波で見た人は特に違和感なく見られた人が多かったようですが、CMが入らないDVD等で見た人はかなり違和感があったと思います。
今作はきちんと予定通り作れたのか、むしろディズニー映画の中でもかなり丁寧に作られた印象で、ダイジェストのような違和感も勿論なく、話の流れがスムーズです。途中で「あと何分?」となることもなく、飽きずに最後まで見られました。
前作の最後にそれぞれのキャラクターが自分に誓った、エルサ:家族と国を愛する、アナ:エルサと国を守る、クリストフ:アナを愛する…というシンプルだけど貫くには難しい目標を、それぞれが貫く物語になっています。
クリストフは前作ほど活躍してないかな。でも、今作はエルサがメインで、そのサポートをアナがする感じなので、クリストフはこのくらい完全に脇役で良かったのかも。あまり絡ませるとごちゃごちゃ鬱陶しくなったような気はします。
多分今までのディズニープリンスの中でクリストフは、イマイチ決まらないタイプなんだけど、アナに対する愛の強さだけは本物すぎて、結局カッコ良さってのはこういうことなんだよなと。
アナとエルサの子供の頃の話や、両親、その上の代までも出てきて、「その昔なにがあったのか?」という謎を解き明かしていくことにより、エルサは自分の能力を知っていき、またアレンデールと魔法の関わりも知っていきます。
きちんと起承転結のある冒険物語になっているし、冗長に感じる部分もなく、時間配分は完璧だったと感じました。
CMにもよく使われていた、トカゲみたいなやつが可愛すぎる…もっと登場してほしかったなあ。
ところで水と馬って何か関係が深いんでしょうか?『ロード・オブ・ザ・リング』の映画でも確か、エルフが河を操る時、水が馬の形してましたよね。伝説などにも水の馬が出てくることは多いそうで、色々な国の伝承で見られるそうです。
日本語で「水馬」と書いたら昔は水たまりによく浮いてたアメンボになっちゃいますが…
映像はディズニーのスタンダード。綺麗です。
前作は画質の良くない映画館で観たため、エルサの衣装の模様や、オラフが身体の雪がチラチラと輝いているところ等が全く見えておらず、その後随分経ってから4Kのテレビで偶然見て、こんなに綺麗だったのか!と眼球が吹き飛んだ記憶があるのですが、今回はDisney+で観賞したため、画質はDVD程度とのこと。
DVDレベルでもちゃんとオラフの身体が控えめに輝くのは見えるんですね。エルサの衣装も綺麗でした。4Kで見た時ほどの感動はないし、そこまで綺麗でもなかったのですが、DVDクオリティの画質でも充分満足でした。
ディズニープリンセス系は今までほとんど見たことがなかったので、Disney+に仮登録している今、せめて有名どころは全部見てやろうと思っていたのですが、沢山ありすぎて難しそう。でも本登録するほど見たい作品が大量にあるわけでもないし…ウーン。
しかし、今作は見て良かったプリンセス系の中で断トツかも。
本作は歌の良さは前作と同等ながら、ギャグとシリアスの切り替えも上手く、話のテンポも良く、エルサというキャラクターの掘り下げも丁寧に描かれ、謎を追って最後はアナと別れつつも個々に力を尽くし、離れていても補い合い、互いを信じるというストーリーが、前作よりもずっと家族愛を感じさせてくれました。
前作も家族愛がテーマだったようですが、前作は愛よりむしろ、家族・特に親の厄介な部分が(英語版だと特に)フォーカスされていたので…
前作で、評判を聞いて期待値高めで観に行ってガッカリした…という人にこそオススメします。