「子供なら楽しめる!」アナと雪の女王2 S Yさんの映画レビュー(感想・評価)
子供なら楽しめる!
アナ雪、映像はきれいだし
印象はいいんですが、やはりイマイチですね。
話がとっても浅いです。
キャラの行動の動機がハッキリしません。
主人公たちを引き立てるヴィランズもイマイチ。
プリンセスで、だれにも知られずに
秘密の力を秘めているエルサと
愛されキャラでモテモテのアナ
そりゃあ、女の子が憧れますよね。
このシリーズは、そのキャラづくりと
映像美でうまくいっているんだと思います。
1は音楽も良かったですが、今作はイマイチです。
2はエルサのテーマが良かっただけですね。
クリストフが歌う場面では、シュールさを
狙っている演出がありましたが
狙いが弱いから受け止め方に迷います。
私が映画館で見た時、この場面で
トイレに行く親子が沢山いました。
今作は新しく祖父や親がキーになりますが
話に必要最低限な部分しか出来ないので
キャラを知ることができず
終わってからの消化不良感がすごいです。
森での諍いのきっかけは本当に単純で、
単純すぎて殺し合いになるとは思えないし
お互いのトップが死んで、そのうえ森が
閉ざされてしまったのなら、休戦し
話し合うと思うんです。
そういう柔軟性があるからこそ、エルサの登場で
争いをやめて耳を傾けようとしたんだと思います。
エルサの登場まで争い続けていることと
エルサの登場のみで争いが終わることが
何とも言えない矛盾です
精霊たちによって呪いがかけられたという話でしたが、
エルサは次々と精霊たちを手なずけていきます。
だからエルサが精霊たちと仲良くなることで、
簡単に森にかかった呪いは解放されそうですが
されません…
第五の精霊の存在があり、その精霊が呪いの根源で
エルサを呼ぶ声だと思われました。
第五の精霊も本当は、
エルサを呼んで呪いを早く解決してほしいんだろう、
と思えたんです。エルサ自身も、声の主に親しみを感じつつ
早く会いたいと願いながらそこまでたどり着きます。
ところが、たどり着いた先に第五の精霊はいません。
エルサは水の記憶で真相をしるも、前作のアナのように凍り付きます。
え!?なんで!?!?!?!?ここが一番矛盾を感じました。
その後、エルサの最後の魔法でアナが真相を知り
ダムを破壊し過去の先祖の過ちを正すことで
呪いは解けますが、じゃあ呪いとは
なんなのか?誰がかけたものなのか?
そのあたりが深いんですかね。答えのない部分で
観客に問いかけているんでしょうか?
アナがダムを破壊したことでエルサも氷から解放されます。
ん!?じゃあエルサも知らない間に
呪いにかかってたということ??
この流れも意味不明ですね。
エルサを呼んだのは氷河なんでしょうか。
それとも氷河にあった記憶?
母親が父親を助けるときに精霊に語り掛けた歌声が
繰り返し氷河の記憶の中で再生されていたのでしょうか。
エルサしか聞こえないそれは、精霊のものとしか
思えないんですが、そこに第五の精霊はおらず
エルサ自身が第五の精霊なのです。
伝説として伝わっている第五の精霊が
生身の人間なのも不思議ですが
これに関しては不思議だけで留められます。
後付けの説明でなんとでもなりますからね。
なんていうか、こういう、
なんでだろう?と思ってしまう小さなムリヤリ設定が
この作品は多いのです。
きっと観客に考えてほしいポイントなんでしょうが
そうならヒントも伏線も少ない。
だから、本当に小さいお子さん向けの作品なんです。
映画の外面だけ素直に見て
矛盾もそういうもの、として受け入れるなら
楽しく見ることができるでしょう。
1作目から特別なキャラだったエルサは
より特別な存在となり、愛されキャラのアナは
プロポーズをうけて女性として
更に幸せになることができたので、
そういう部分にときめいたり憧れる
小さい女児は、より一層楽しめると思います。