劇場公開日 2019年11月22日

「本作の「葛藤」とは?」アナと雪の女王2 みっくさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0本作の「葛藤」とは?

2019年11月25日
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鑑賞方法:映画館

映画は主人公の「葛藤」を描くものだ。
分かりやすい例としては、映画「エアフォースワン」で、テロリストが主人公に「殺される方は、妻か娘かどちらか選べ!」というやつ。

どんな葛藤があるかで、観客は登場人物に感情移入できるし、それだけ感動も大きい。

では、本作での「葛藤」は何か?
それは、「ダムを壊して、故郷を壊滅させる」か「森を破壊したダムをそのままにする」か、だろう。

この葛藤は良いと思う。環境問題とか、現地住民のライフスタイルの尊重とか、いくつもの普遍的なテーマを含んでいるから。

でも、いくら何でも「葛藤」があっさりしすぎて、アナは速攻でダムを破壊する、と結論してしまう。
まるで「葛藤」など無かったかのように。

例えば、クリストフと議論させるとか、そもそもその葛藤をもっと早めに提示して、ダムを破壊する以外の選択肢を探させるとか、主人公に悩ませないと、観客は「葛藤」があることに気づかないぜ。

あとは、別件だけど、ダムを破壊した後、エルサが復活して、濁流を止める、って無理じゃね?
エルサがいたのは、ダムよりずっと遠い場所だぜ?
いくらディズニーアニメでも、ご都合主義が過ぎるぜ。
それより、ダム破壊による濁流で故郷の一部が破壊されるが、森の住民の協力もあって再建される、とかの方が、作品のテーマ的にも良かったのではないか。

続編は前作を超えられない、という定説があるが、本作も残念ながらそのとおりになってしまった。

みっく