「リニューアル」ライオン・キング U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
リニューアル
吹替版を鑑賞。
被写体をリアルに寄せた事で、壮大な世界観が増したように思う。
ただ、表情がアニメと違って乏しいので、その辺りが映画としての評価の境目か。
映像としてはすこぶる楽しい。
幼いシンバはとてつもなく可愛く、愛らしい。物語の改編はあまりないように思うので、成長してからは既定路線。
その辺りからは、壮絶な映像技術に馴染んできて、話の展開を知ってるから退屈といえは退屈だ。ただ、初見ですって方には極上の映像体験だと思う。
ビッグタイトルだけに、初見の人は少ないだろうが、映画は何十年も残る。これからの人にはセンセーショナルなのだと思う。
デフォルトされた過剰表現を◯とするか、微細に描き込まれた映像にリアルを感じるかが分かれ目だろうなぁ。
そんな本作の声優が担う役割は大きいと思う。思うのだが…やっぱオリジナルで鑑賞した方が良いのだろうなぁと、作品と日本語表現の溝を若干感じる。
これはもうしょうがないと思う。
言葉としての文化が高いので、色々当てはめられてしまう。言葉自体にここまでという範囲があって、それを超える時には違う単語を選べてしまう。
表情やトーンによる補足を元々必要としないのだ。それが英語になると違う。表情とトーンで補う前提の言語なのだ。
この辺りが世界一演技がしやすい言語と言われる所以なのかと思う。
だから、日本語で話した時に過剰に聞こえてくる。しつこいな、とか大袈裟だな、とか。
なので、オリジナルにもトライしようと思う。
壮大な大自然を堪能できる本作。
それが何百台のPCと何百人のアニメーターによるものであるという事に、矛盾を感じながらも、賞賛と感謝を捧げずにはいられない。