来るのレビュー・感想・評価
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中島監督作品は私には不向きです。
多くのシネコンで上映されている。見方によっては「R-18」ではないかと思う。
香奈の公衆便所での死にざまは、そう思ったのだが。
中島監督の作品は初めて。う~ん、陳腐な作品だなと感じる。キャストに恐れられている監督らしい。作品自体、一つの線が入り組んでいて、細部まで理解不能な点が多くみられた。岡田准一がオカルトライターの役であるのもいまひとつ。野崎の髭の長さまで要求してくる監督の拘りまでもが全く伝わってこない。多くの映画館を満席にするほど監督らしいが、CM上がりの映画監督の「作品づくり」にたいする姿勢、下品さも垣間見え不快でさえ感じる。
「オムライスの国」も観客を小馬鹿にしているようで、笑っていいのか。怒っていいのか。
彼の作品の知名度の高さが、全くわからなかった。結局のところ、秀樹と香奈がどうして結婚に至ったのか。
マコトの必要性、琴子の奇抜な服装。ビルの1階に秀樹を呼び出した高梨が会った人間は誰か。除霊のための壮大な儀式。琴子と警察・政府の関係は。マンションには誰も住んでいないのか。エキストラのあまりの少なさ。「●●日後」というモノクロ画面もストーリーの流れを完全にぶっ潰している。
悪い親には“あれ”が来る
“ホラー映画”とひとくちに言っても世の中にゃ色んなホラー映画があるわけで、
例えば『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』も『エクソシスト』も
『13日の金曜日』も『リング』もホラーだが怖さの方向性がまるで違う。
その方向性ごとの物語のフォーマットもある程度は存在すると思うけど、
『回路』や『イレイザーヘッド』等のとんでもなくエグい角度を攻めてくる変化球もある。
(先日の『ヘレディタリー/継承』もまた既存の手法や観点に縛られない魔球だった)
『来る』もそう。既存のホラー映画のフォーマットなんぞどこ吹く風の変化球。
監督が中島哲也という時点で普通のホラーにはならないとは思っていたが、それでも
『告白』『渇き。』のテンポを多少ホラー的テンポに落としてくるかと思っていた。
いえいえノンノンですよ。まぁとにかくスピーディでカットも多くてキレが良いですよ。
なので通常の幽霊ホラーのようにじわじわ恐怖を煽るような怖がらせ方は
しない……というか手法上できない訳で、この映画の怖さはまた方向性が違う。
怪異そのものではなく、その根幹にある人の心に焦点を当てている印象。
構成や語り口のテンポはエンタメ性が高く、登場キャラの個性も強い為、
総じて“怖い”というより“怖面白い”映画に仕上がっていた。
賛否両論ありますが、個人的にゃ大満足の4..0判定で。
...
まず登場人物について。
承認欲求を満たすことしか頭にない秀樹、恋人に堕胎させた後悔に苦しむ野崎、
ゲッスい津田さんなど、情けない男性陣に対して女性陣の強いことカッコいいこと。
松たか子演じる琴子はユタでありながら国家権力すら動かす、霊能界の
ゴルゴ13みたいなスゴイ人。淡々と冷徹に仕事をこなす姿がカッコ良すぎ!
生死は不明だけど、そう簡単に死にそうにないよねえ、彼女。
その妹・真琴を演じたのは小松菜奈……ん、へ? 小松菜奈? いや嘘でしょ、
誰このパンクガール?! 「あたしバカなんで」と言うが、自分の身も
顧みずに他人の子を守れる、登場人物中で一番優しい彼女が素敵。
そして意外や柴田理恵もカッコイイ。方言丸出しの田舎のばあちゃん
なのに(「すんずられるのはいだみだげ」)、存在感と胆力の凄いこと!
女性陣でも黒木華はカッコ良くはないが、人の業深さという恐怖を
一番見せ付けたのは彼女。どんどん疲弊し壊れていく様の説得力。
トイレで血溜まりに横たわる彼女の表情は笑っているように見え、そこが僕は
本作で最も恐ろしかった。彼女はもう母であること、自身が憎む母へ近付く
ことに悩むことは無くなった。あれはそんな安堵の笑みだったのだろうか。
...
そして、“ぼぎわん”または“あれ”と呼ばれる怪異。
一般にホラー映画の幽霊や怪異って、序盤ジワジワ攻めて最後に畳み掛ける
持久型ボクサー的なお方が多い印象だが(ホラー感台無し表現)、
“あれ”はゴングが鳴るや全力疾走で飛び膝蹴りを食らわす山本KID徳郁的な
超アグレッシヴ妖怪さんで、こちらが対処を考える暇も与えてくれない。
「来る」と思った瞬間には肩切られたり腕もがれたりと容赦ナシ。
特定の獲物に執着し、邪魔者も手当たり次第に襲う怒り狂った獣のようだが、
襲う相手の恐怖を読み取って声や姿を変えて巧みに騙す狡猾さもある。
“あれ”が見せる恐怖はどれも親子に起因するものだった。
自由に生きたい、責任が怖い、様々な理由で子を愛せない親。
親からの身的/心的暴力に怯え、恨み、それでも愛情を求める子ども。
今でこそ“DV”や“ネグレクト”等の単語が一般的になりつつあるが、思うに
そういう事例は大昔から存在していたんだろう。集落や大家族で子育てを支援
する環境が減り、そういう事例が目立つようになってきた、という話だと思う。
劇中で語られる“子捨て・子殺し”の風習も、根底にあるものは同じだ。
土地としての世間体や後ろめたさから表に出ないだけで、日本各地に
そんな事例は存在するはず。その後ろめたさを負ってもらおうという
意思から生まれたのが、本作で言うところの“ぼぎわん”伝承だ。
...
映画内では明確な姿も正体も曖昧だった怪異。原作ではそこがもっと
詳細に記述されてるようだが(カミツレさんのレビューを参照されたし)、
原作未読の僕は、この映画において猛威を振るった“あれ”は、
端的に書けば「妖怪ではなく人の怨念である」と解釈した。
“子捨て・子殺し”で死んだ幼い子ども達の無数の怨念。
愛してほしいのにどうして怒鳴るのか、虐めるのか、捨てるのか、殺すのか。
行き場のないその怨恨が、まるで実在するかのように伝承された“ぼぎわん”
という名を依り代に凝縮され顕在化したのが“あれ”だったのではないか。
だから“あれ”は特定の姿を持たない。
“あれ”は無数の子どもたちの凝縮体だから。
だから“あれ”は子どもをさらう。
親に愛されない子どもを憐れみ、一緒になってあげたいから。
だから“あれ”は親を無残に殺す。
子どもの残酷さは時として無尽蔵で、そして“あれ”は
子どもを愛さない親たちを恨みに恨んでいるから。
だから“あれ”は強力無比だ。
子が親に向ける愛憎という複雑で強烈な感情の無数の凝縮。
そんな恐ろしいものに生半可な理屈が通用するだろうか?
...
野崎と真琴が助かったのはそこだと思う。琴子なら強力な
“あれ”を殺すことも可能だが、それが嫌なら方法はひとつ。
その子を普通に愛してあげること。
野崎と真琴と知紗のちぐはぐ親子がこの先どうなるかはわからないが、
あの子を“オムライスの国”に居させてあげたいと努力する内は安泰だろう。
野崎も真琴も、他人だからこそあの子の苦境に気付けたし、
他人だけれどあの子を守ろうと命懸けになれるほど優しい。
思えばあの夜、父と母と一緒にオムライスを食べていられれば、
“あれ”があんな急速にあの子に取り憑くことも無かったんだろうか。
「親の愛は偉大」なんてテンプレのように言われるけれど、
子どもを愛せない親を脊髄反射的になじる人もいるけれど、
初めから悪い親になりたくて子を生む親なんていない。けど誰だって、
自分が傷付いたり苦しんだりするのは怖いし、親が子を愛し続けるのは、
人や環境によっては言うほど当たり前でも簡単でもないことなんだと思う。
“ぼぎわん”を生まないようにするには、親が親になれるよう、
気付いた周囲も少しでも助けてあげることが大事なのかも。
ううむ、そう偉そうに書く自分も我が子をしっかり守ってあげなきゃね……
……あれ? ああ、そうだった、僕には娘も息子もいませんでしたよ。
あ! それどころか奥さんもいないね! 失敬失敬、アッハハハハハ!
ハハ……ハ……
……誰か幸せ家族を崩壊させる妖怪の魔導符とか持ってませんかね!?
ほんの100枚くらいでいいんで!!(津田さんよりゲスい)
<2018.12.08鑑賞>
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余談:
秀樹はホントにダメな夫/父だったが、娘を守るというその気概
だけはいっぱしの父親だった。それに、彼がかつて仲の良かった
少女の名前を娘に無意識に付けたのは、あの少女を救ってあげたい、
守ってあげたいという後悔の念からだったのかもしれない。
怖くないホラー
中島哲也監督作tohoシネマズ 新宿
最初の子役の回想シーンから嫌な予感がしてそのまま流れに任せ映画が進んでいった感じがしました。唯一いいなと思ったパートは小松菜奈と岡田准一のオカルトライターとキャバ嬢の霊媒師のシーンはこの映画唯一のいいと思った場面です。妻夫木聡と黒木華の家族のパートは割と最初のほうで妻夫木聡が死んだ時になんでこんな最初に消えていくのと疑問に思いました。黒木華もクライマックスに進んでいくにつれどんどん崩れていた。ほんとに見るに耐えなかったです。最後のオムライスのシーンで怒りが抑えられませんでした。今年ワースト1の映画です。
タイトルに惹かれて、急に観たくなった
タイトル「来る」から某ホラーを想像して衝動的に観てしましましたが…
終わりからの回帰的レビューになりますが…
民族的な風習といいつつ…
現代の親子関係の中から出てきそうな、よくある問題が、おんりょう(あえて平仮名にしているのは漢字にすると怖いから…)の仕業として物語を作っているのかとも思いました。
ある種の モンスターペアレント…
で、観た直後の感想になると…
・前半のペラペラな妻夫木の演技…(途中でウザ!と思える名演技)
★このあたりからホラー感★
・ブラック黒木さんの嫁演技!(トイレのシーンは逸品!)
・主役って… 岡田さん&小松さん&柴田さん?
このあたりからホラー感出てきた
・松さんの真顔でこの役って ギャップすごすぎ
・子役の子供の自然な演技…(これ作ってたら名子役)
終わり方の「???」
(しばらく〇〇ライス見たら笑えてしまう)
で、観終わり1日たった感想になりますが・・・
結構、脳裏に何シーンかは、残ります…
(今思うと、ところどころの無意味と思える映像は…サブリミナル?)
そういう意味で、評価しました。
精神的に何かがホラーという形で残る映画だと思います。
妻夫木と青木オモロイ
妻夫木と青木 青木の大阪弁やっぱ
ほんまもんやな。まあ黒木華ちゃんも大阪やからな。
しかし小松菜奈可愛い!ショーツ姿見れて良かったっす。
映画は、ラストがイマイチ。
残念。
小松菜奈ちゃんが・・・主演?
ホラー要素は低め!
主演者の皆さんが素晴らしい♪
菜奈ちゃんが主演と言っても過言ではないくらい光ってた♪
監督の菜奈ちゃんへの思い入れみたいなものが見えました。
中だるみなく時間が早く感じた作品で
ラストシーンは内容のわりに重苦しさが残らず・・・微笑ましい気分になりました。
期待したからかー
あまり、ホラーっていうものを見た気がしない。他の方も言っている様に豪華な出演者さんがいっぱい。
ホラーな部分よりスプラッタ部分が目立つ。
ホラー映画を見たいという人にとってこの映画は、少し違うかも?
柴田理恵の熱演
人間のドロドロしたどす黒い内面を見事なエンターテイメントで煌びやかに魅せてくれる中島監督、今回はどんな手練手管で我々を楽しませてくれるのかと、非常にワクワクして席に着きました♪
最初に主人公が惨殺され、次にヒロインも惨殺され、どこにどう落とし前を持って行くのかと期待感満載で後半を迎え~そのままエンディング?(^^;)
何でこんなに釈然としないのか考えましたが、ネタの回収が中途半端やったかなぁ~…と。
子供の頃の記憶と女の子と名前とその由来と…枚挙にいとまがない(^^;)
完全版が出るか、はたまた続編が出来るか、う~む…
貞子系のホラーではない。
まず第1にこれはよくあるようなホラー系の作品ではない。サスペンスです。
長い髪の幽霊が襲ってきたり真っ白の子供が出てきてわっー!と驚かすのではなく、
「人間の狂気や歪みから妖と呼ばれる怪物を生み出し呼び寄せてしまう」というお話です。
ぼきわんと呼ばれる敵は基本的には姿形の無い怪物です。
狙った獲物を誘ったり怖がらせる為に姿や声を変えます。電話を掛けてきて周りの人間が実際に放った陰口で煽ったり本人の知られたくない本性が見える発言を利用したり心理的に相手を追い詰めます。
なお貞子や伽椰子などのビデオを見たり家に入ったりとは違い主人公は幼い頃にそこに住んでいたからという理由で狙われました。(性根がクズだったり家族を大切にしてないとか色々プラス要素もありますが)
正直言って、ぼきわんよりも現実では主人公のような軽薄で頭すっからかんの自己承認モンスターが平気で父親をやっているという事の方が恐怖です。
母親の加奈さんも生い立ちは同情しますがすっからかんの主人公を選んで子作りしておきながら放置したり不倫したりするのも奇妙です。(原作では不倫せずに居ます)
娘のちさちゃんが可愛そうでした。最初から霊媒キャバと記者のあの二人の間で生まれていた方が幸せでしたよね。
よかった
お化けの力がどんどん強力になって行って、あそこまでになるとなんでもありな感じがしてスリルも何もなく、松たか子のとのバトルもやってんな〜としか思えなかった。弱点とか戦略的な駆け引きがあってもよかったのではないだろうか。ホラーとしては全く怖くなかった。
むしろ妻夫木と黒木夫婦のそらぞらしさだったり、作品全体の人の不幸が好きな感じが怖い。
ホラー映画 撮ってみた
全編に渡り散らかってます。起承転、転、転。テーマらしきものはうっすらと感じますが、何も伝わらなかった。プロデューサーはスクリプトドクターを呼んでもっと駄目出しして、完成度を上げましょう。
特に前半の1時間は無駄が多すぎる。見せ方を工夫したら10分くらいに圧縮できます。妻夫木氏の得意な役回りなんだから、彼なら短時間で濃密に表現できる。役者を信頼して欲しい。
子役を含めた俳優陣は凄く良かった。特に黒木華、小松菜奈、伊集院光。
映像も統一感に欠けてブレまくり。テンションが上がるはずのクライマックスがアレでは、、、チープに行くなら全編通してやって欲しい。
シビリゼーションに於ける大切にされるべきもの、家族、労働、宗教、民間伝承などに対する姿勢に不真面目な物を感じて不愉快。
ベテランなのだからもっと人間を描き、深い洞察を持ち、観るものに感銘を与えられる作品を創って下さい。
最後に一言 来る来る詐欺でした。何も来ません。悪しからず。
美味さ100倍オムライス
「溜め」と「爆発」のバランスが上手いジェットコースターホラーエンタテイメント。
オカルトホラー的にもサイコスリラー的にもバトルムービー的にも味わえて美味しさ100倍。
ケチャップソースもデミグラスソースも明太子ソースもかかったオムライスのような。オムライスの国に行ってみた~いな♪
上塗りだらけの夫、苦労続きの妻、寂しい子供、頼りがいのある民俗学者の友達、実力不足な霊媒キャバ嬢、胡散臭いライター、圧倒的実力を持つ霊媒師。
視点や中心に据えられる人物が目まぐるしく変わり、それぞれの裏の顔とそのまた裏の部分まで見せてくれるのがとても面白かった。
一番面白いと思ったのが、田原夫婦の対比。
まともに育児に参加せずキラキラした部分だけを切り貼りして創り出す秀樹。
わざとらしく笑顔で固めて嘘の上塗りを重ねる彼は、自分のその行動に特に後ろめたさも感じておらず純粋に空っぽな理想像を建てている。
しかし「あれ」に襲われてからはしっかり妻と娘を守ろうと必死になっていて、建前の奥の奥のほうには家族に対する愛が垣間見える。
家事育児に協力的でない夫と言うことを聞かない子供に挟まれノイローゼになる香奈。
頑張って色々とこなし苦しむ姿に共感と同情も覚えるけれど、その中に隠しきれない子供や回りの人間への嫌悪がありありと見て取れる。
どんどん家族への愛が薄れてくる反面、自己愛が強まり薄い顔に濃い化粧を塗りたくる彼女に序盤の秀樹に似たものを感じた。
血まみれのトイレからはみ出す香奈の最後の笑顔よ…。
どの人物も一癖も二癖もある者ばかり。
表面も裏面も気持ち悪くてゾッとするけれど、誰のどの要素も多かれ少なかれ自分の中にも見つけることができる。
誇張しつつもリアリティと身に覚えのある感情がビシビシと刺さってくる、人間の心の弱さと隙の描き方が絶妙。
そこに入り込む「あれ」。
人間の魂を欲する悪魔のような存在なのかな、悪霊的な。悪魔よりフワッとしてて良いな。
ザ・ジャパニーズホラーな演出や化け物との追いかけっこのような展開がスリリングで面白い。
てっきりマンションの田原の部屋にだけ来るのかと思っていたら結構フットワーク軽いのね。
そして案外パワー系の襲撃方法が好き。
妻夫木聡のはらわたが見られるとは思わなかった。最高。欲を言うなら岡田准一のはらわたも欲しいところ。
何よりも大がかりな祈祷シーンの素晴らしさよ!!
いくつもの宗教観が入り乱れ、強烈な力とリズムと混沌を感じてトランス状態になる。
映像と音響と演者の迫力が合わさってグワングワンに振り回される気持ちよさ。
もう狂おしいほどに好き。大好き。最高です。天晴れ。
やっぱりお祓いはこうでなくては。十字架をかざし水ぶっかけて現代の言葉で語りかけるだけじゃ駄目なのよ。ピンと来ないんだよ。アジア文化万歳。
ポップな作風ゆえにジメジメした暗さや重くのしかかる狂気は感じられなかったけど、楽しさで言ったら満点。
この儀式をここまでのお金と大キャストを使って作り上げてくれたことに感謝しかない。
完璧に見える琴子が儀式の最中に少し揺らいで弱さを見せたのも良かった。強いだけの人間なんていない。
野崎と真琴の寂しさと知紗の寂しさをうまく掛け合わせたラスト、これからどう生きていくんだと不安はありつつ綺麗な結末だった。
悪霊も人間も怖い。
怖くて楽しいものだと改めて思う。
家族、恋人、友達、職場。様々な人間関係と日常に潜む些細で自覚の無い悪意の鋭さがさり気なく炙りだされる。
人間の多面性を表に見せて、それを別に否定していないのが良い。
どんな人にも色々な面があって、でもそれで良いじゃないと言われているような空気を感じる。
最も、度が過ぎたアンバランスには災いがやってくるものだけど。
原作未読。読んでからもう一度観ようと思う。
中島監督ならではの演出が強く、それが非常にハマっていた。
個性的なキャラもカラフルに染まった作品の中で変に浮くことのない収め方が見事。
一瞬だけ間延びして感じられた部分があったのは残念だけど、それもその後のために力を溜めている狙いと思えば良い。
ポップでダークなショーを観たような爽快感と達成感があり、とにかく楽しかった。
関係無いけど、鑑賞後ふと気づくと自分の腕に薄い切り傷のようなものを発見した。
痛くもないし血が少し滲んだくらいの軽い傷だけど、全く身に覚えがなくて妙に恐ろしい。気付かないうちにどこかに掠ったんだろうが…。
もしかしたら「あれ」の噛み傷なのか⁉来たのか⁉︎と内心大騒ぎ。しばらく鏡と刃物を近くに置いて用心していようかな。
芋虫ドバァ。
2018.12.25 原作読了後、再鑑賞 追記
やっぱり楽しすぎる。
原作に伴いつつ色々な要素を抜粋し映画の枠の中に昇華されていて、実写化としてかなり上手いと思う。
オープニングのかっこよさが素晴らしい。
「乱杭歯」「魔導符」などの単語について、初見時拾いきれていなかったことに気付いた。
らんぐいば、まどうふ、と言われてすぐ変換するのってなかなか難しい気もする。
魔導符については野崎からほんの少し説明的なセリフが入るけど、乱杭歯についてはポンと出てきてそのままだったことが少し気になった。
私の知識が無いだけではあるんだけれども。
やっぱり祈祷シーンが楽しすぎる。
よく見ると韓国の儀式も入っていたりして、アジア最高の気持ちがさらに高まった。
秀樹の精神構造は考えれば考えるほど面白い。
津田に関してももう少し掘り下げたかったところだけど、あのキャラ好きだな。
2部作ホラー。。。?
豪華な役者陣。
時間とお金のかかった演出。
虫、血、得体の知れない何か。
迫り来る。嘲笑う。騙す。
全てを超越した怪奇現象を生み出す"あれ"。
130分ほどある映画で飽きさせないようにストーリーが移り変わっていく。
黒木さん、妻夫木さん、岡田さん、青木さんは見事な演技だと感じた。
、、、と上記だけ見たら聞こえはいい。
ただホラーと謳っていて致命的なのは怖さが全くないことだ。ホラー嫌いな人でも恐らく怖い箇所は全くないだろう。予告動画からも感じる恐怖感のなさ。
それだけでこの映画は大きくマイナスと言わざるを得ない。
色々な伏線を散りばめたが回収しきれてない気もする。
家族のくだり。浮気からのくだり。そして、除霊と。
話が一貫してるようでしていない為、フワフワしてるように感じてしまう。
そして、結果最後の10分。
あそこで大きく印象を落とす。
除霊からのオムライス。
雪景色の中の先の見えない終わり方。
残念ながら満足するとは言い難いのではないだろうか。
だが、ひとつ言えるのはスーパーの店長感が凄い伊集院光さんと、異様に佇まいがしっくりくる柴田理恵ださん。
虫嫌いな人は鑑賞注意
原作未読。
画面や演出が派手でその点は見応えあり。
妙に癇に障る夫役の妻夫木聡の演技が絶妙。
口から出る芋虫は、前半から中盤にかけてさりげなく散りばめられている人間の悪意や底意地の悪さのメタファーなのだろうと思う。
ホラー演出は単調でちょっと飽きる。血飛沫、血の手形がバン!!とガラスにetc.
そしてみんなとにかく死ぬ。派手に死ぬ。
個人的に、沖縄のシャーマン婆さんたちが遠くで死に、何かを感じた祈祷師の爺さんたちがやにわに電車の席を立ち、平静な様子で「(まとまっていると周りの一般人に危害を及ぼす&全員やられると祓いに行けなくなるから)分かれた方がいいなぁ」とほうぼうの駅で降りていくシーンが好きだった。
時々は怖かったような気もするけど、あとに残らない、どこか爽快なスプラッタホラー。
要は、原作を読む必要があるということ?
映画を見た結果、もやもやしたのでここの評価を見に来ました。
やはり、みなさんもやもやしていますね。
演技がすごいので、瞬間瞬間は引き込まれているのですが
ふと、なんで?なんで? で、さっきのとのつながってるの?
で、なんで呪われてたの? なんで、そんなに強いの?
結果、勝ったの?負けたの?
でも、原作を読めばわかるようです。
読んだ方は、映画との違いを指摘してくれて納得できそうです。
原作を読めば、すっきりしそうなので読んでみます。
結果、映画はなにも伝えていない。
“なんだそれ”
かなり、かなり賛否が分かれる作品であることを、身を以て体験した。原作未読であり、その世界観、又はストーリーそのものを継承しているのかは未確認なので、その『ぼぎわん』なるものの正体が明確には表現してはいない映画本作ではそれが正に“テーマ”そのものであることが重点であると思うことにする。つまりは、子供を大事にしない全てはその報いを受けるという一言なのだろう。至極尤もなテーマだ。そしてそれを蔑ろにしている今の時代への警鐘。ハッキリとしたスローガンを元にした作品である。
そして、その対象は・・・ 俺だ。 ハッキリと言おう、俺への審判なのだ。世界中で今、一番下半身を失うのは”俺”である。
多分、そういう経験を持つ人間に対する”鉄槌”なのだ。
普段はあまり
ホラー映画は見ないのですが、宣伝に釣られて見てしまいました。ホラーと言うよりは少しグロテスクな感じでしたが、展開も面白かったし、良かったと思います。結末が少し不完全燃焼でしたが。
ジャンルをホラーと言わないでほしい
怖そうだな とかなり期待して観ましたが
おふざけ要因満載で 始まって間もなく「ハズレ」だなと感じてしまいました💦
かつての「伝染歌」のような、
ジャンルは「ホラー」の括りで、予告も とても怖そうなんだけど 全然怖くない感じ(笑)
ホラーやオカルトのジャンルの映画ファンで、それなりに怖さを求める人なら 私のように がっかりしてしまうかもしれません。
こういうのは「ホラーコメディ」などという感じのジャンルにしてもらわないと💦
もちろん素晴らしい作品なのだろうけど 私は楽しめなかったです(笑) 途中で帰ろうかとさえ思いました。
全体的には描写や音楽がカッコ良かったです。
自分的に面白くないと感じた映画でも、まずは「観る」ことが大切だと思うので 鑑賞できて良かったです。
そう"来る"か~~~!
とにかく派手!ド派手!
CGをふんだんに使った迫力のあるホラーシーン!
スタイリッシュな見せ方!
凄惨な場面と不釣り合いなBGM!
ビビッド!サイケ!ポップ!ロック!グロ!
個人的に派手派手ド派手!な除霊シーンがオタク心を擽るしっちゃかめっちゃかっぷりでテンション上がりました卍
俳優さん達も当たり前だけど凄く凄く演技が上手で、
だからこそ、非常に勿体ないな~と思ってしまいました。
原作読んだ視点で意見すると、ここまで原作が凌辱されてると最早一周回って凄く面白いものに見えてくるなと……
これは壮大で盛大な二次創作、というか最早三次創作、みたいな。
"エンターテインメント"を重視しすぎたのか、折角の原作の社会風刺や問題視されている点が、変な風に書き換えられてしまっているなと感じました。
原作未読なら楽しめるか?と言われると、そうかもしれない。見せ方がとにかく派手だから。「新感覚ホラー!なんか育児問題?とかも表現されてるし、ホラーだけどホラーじゃない!すごい!」ってなるのかもしれない。とっても大衆向けな話題性がある仕上がり。画面の圧が凄いから、見せ方も凝ってるしカッコいいから、現代の問題にも割りと時間をさいて描こうと努力してるから、役者さんが現代の問題を熱演しているから、そういうとこだけ観ると普通に、面白いかも、と、思う。
でもなんていうか、作品における女性表象があまりにもお粗末で悲しくなった。という話。そうやって言っちゃうとちょっとフェミ臭いけど。
原作だと男性と女性が対立しきっていなくて、
悪としての人間を悪と見たとき、それがたまたま男性だったり、
どちらも信念があるゆえに空回りしてベクトルの違う失敗をしてしまっていたり、
子供を持てないことがカップルのどちらのせいでもなかったり、
結婚して子供を持つことが素晴らしいことであるかのように語る人間にうんざりする人間がいたり、
今問題視されていることに対して攻撃的でない印象を受けた。
でも映画は、なんかちょっと違う。
感想検索したら比較的肯定的な感想が多くてびっくりしたので、自分のマイナス寄りな意見も述べてみたいな~と思って初めてレビューします。お粗末な映画とかエラソ~なこと言いながらこの感想自体がお粗末です。すみません。
以下ネタバレ
※あくまで映画も原作も一回観た(読んだ)程度のうろ覚えの個人の感想※
①真琴がキャバ嬢な要素、いる??????
原作だと1ミリもキャバ嬢ではない。バーでバイトしてる設定。映画内でもキャバな捏造設定は1ミクロンたりとも活きてない……あとここぞとばかりに刺青彫りまくってるキャラクターにされてたのが、なんだかなぁ……監督の偏見のようなものが透けて見えるというか……
②香奈という女性の処理が雑
(原作)
イクメンぶる夫に振り回され精神的に疲弊。それでも娘との時間を大事にしようとして、夫の友人に夕食の誘いなどされても頑なに応じない。夫が死んでホッとするも、夫が夫なりに命を懸けて妻と娘を守ろうとしたことに自ら気が付いて「夫が命を懸けて守ろうとした娘」を守ろうとする。娘を一度連れ去られるも死なない。(死なない。)
(映画)
イクメンぶる夫に振り回され精神的に疲弊。その結果育児放棄・男遊び(夫の友人と。夫が死ぬ前から不倫してた)に走る。
"ぼぎわん"襲来の気休めに玄関に盛り塩を置く野田に「今更言っても遅いかもしれないけど、それでも夫さんは命を懸けて妻と娘を守ろうとしたんですよ」(的なニュアンスことを)と言われるも、彼が去った後に塩を皿ごと踏み潰し嘲笑。無惨に"ぼぎわん"に殺される。娘は連れ去られる。
家庭崩壊→育児放棄→男遊びでケバくなる女性、の図が安直すぎて監督の先入観?が透けて見えるなと(必ずしも嘘の図式?ではないけれど)。しかもそういう女性が"何かよく解らないものに殺される"処理がされているのがなぁ……
家庭崩壊したのって、香奈だけのせいじゃなかったよね?
確かに秀樹も殺されるという処理がされてるけど(原作でも確かに死ぬ)、なんかこれだと「家事育児を放棄して『女の子はいつだって可愛くなくちゃ!(※映画のセリフ)』と男遊びに逃げた母」が殺されたように見えてしまう。オマケに男(夫)の努力を男(第三者)に伝えられるけどそれに気付けない愚かな女(妻)、みたいな……片寄った見方しすぎ?
③映画における"ぼぎわん"
そもそも"ぼぎわん"は、ブギーマン、つまりお化けっていう漠然とした恐怖でありながら、
原作だと「夫の酷いDVで三人いる子供のうち二人亡くし、一人は指に火傷を負う怪我をして、それでも我慢して我慢して、我慢しきれず夫を恨んだ妻」が呼んだものってなってる。
秀樹の祖母が呼んだものが、巡りめぐって秀樹の祖父も、秀樹も津田も惨殺していく。
昔は当たり前だった容赦のないDVや、そのもっと昔当たり前だった口減らし、現代で問題とされている児童虐待、その他もろもろエトセトラエトセトラの暗いものが"ぼぎわん"な筈なのに、映画では結局"ぼぎわん"が何なのかさっぱり解らない。メタファーが微塵も感じられない。
本当に一体何を伝えたかったの……?
映画もどうしたって尺というものがあるから、原作の良さを100%映像化できるとは最初から思ってない。
それにしたって、それにしたってこれはないんじゃないかなぁ……と、思った捏造要素や改編がわんさか。
ほんとはもう少し指摘したいけど問題点ありすぎて疲れた
勿体なかったです、何から何まで。普通に楽しめたシーンがあっただけに惜しい。奇をてらった表現も面白かったのにな。
でも、この映画があまりにも評価され過ぎるのはちょっと悲しいかも。
ラストも謎のオムライスの国だしね……あれが中島監督の味なんでしょうか?(告白も原作読んでたからがっかりしたけど、パコと魔法の絵本は素直に感動しました)
映画から原作に興味を持つ方が増えると良いな。
『ぼぎわんが、来る』という小説を、平成も終わる今、角川さんがホラー大賞に選んだことに、大きな大きな意義があると思うので。
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