「ホラー名手による別バージョンも夢想してしまうが、松&小松の霊媒師姉妹で続編も観たい」来る AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー名手による別バージョンも夢想してしまうが、松&小松の霊媒師姉妹で続編も観たい
原作は澤村伊智のデビュー作で滅法面白い。中島哲也監督は主要人物の造形に力を入れ、人間の裏の顔の恐ろしさを強調したので、小説版の化け物ホラーの要素を期待するとあてが外れるかも。これが例えば、黒沢清などのホラー名手によって映画化されたら、どんな怖い映画になったかと夢想してしまう。
一方で、比嘉琴子と真琴の姉妹を演じた松たか子と小松菜奈は、原作にあった数少ないユーモア要素も含め、キャラの魅力を的確に表現していた。小説は比嘉姉妹シリーズとしてもう2冊出ているので、松&小松のキャストで続編も可能では。中島監督のエンタメ路線の継承でもいいし、ホラーに回帰してもいい。
終盤のお祓いの儀式は大仰だが、考えてみると神事は非現実的な存在を前提にしたイベントだから、お祭りの賑やかさで除霊をするというのは意外に正しいのかも。「信じる者は救われる」の言葉と合わせ鏡で、「呼ぶ者のところに、ぼぎわんが来る」のだ。
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