半世界のレビュー・感想・評価
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3.4沖山かっこよすぎる
全体的に名作の一歩手前の感じは否めないが、見ていて面白かったと思う。
特に自衛隊の沖山、カーディーラーの岩井がいい味を出していた。
炭職人など見ていて引き込まれる要素も多々あり、見ていて飽きなかった。
脇役のキャラも際立っていて面白かった。
しかし最後の唐突感、稲垣のキャラ違い感がどうも後味がやや残る感じ。稲垣と息子の設定をもう少し一工夫あればかなり良くなったような気もする。
泣いたけど
稲垣吾郎がセリフが下手で、別の人がやればもっと号泣したのだろうな。息子と夜海岸で話すシーンとか特に下手でちょっと意味が飲み込めない感じしたし、まだ息子役の方が上手くセリフを言っていたと思う。長谷川博己さんもスナックで自衛隊での話をするシーンはまだ演技が未熟な感じを受けた。石橋蓮司さんとか渋川清彦さんの演技に助けられたシーンが多かったように思う。演技以外では息子が親に甘えてばかりでイライラした。チンピラとの喧嘩のシーンは誰か長谷川さんを止めに入ろうよと思った。
池脇千鶴は女神
全編通して、いや、どの作品を見ても池脇千鶴は女神だ。
吾郎ちゃんがこのようなおじさんになり、まだ40代なのに身体をこわしながら一人炭焼きしてる。孤独な炭焼きの話かと思ったら、生まれ育った町で幼馴染の妻と友達と町中の人もみんな知り合いで息子までいて、都会の人からすればそれなりに濃厚な人間関係の中にいて、自衛隊で海外みてきた「世界」みてきた友がいて、、でもやはり人生の重さみんな同じみたいなところは、やはり、違うんじゃないか、、とも思う。半世界とは。半世界とは。世界とは。
まとまりつかないけど
小さな日常の積み重ねの中がその人の人生でその人の世界なんかもしれないけど、、
やはり、日本の人たちは世界にたいしてナイーブすぎてダメだなとも思うし、炭焼きの息子はサンドバッグたたきまくり広くてほんとの世界に羽ばたいてほしいとも思う。よい題材よい役者さんたち。
前半がだるい
1時間くらい、虚無だった。
そこから30〜40分は長谷川さんの熱演もあって見入ったけど、明の乱闘シーンがものすごく唐突かつ、相手役の受けも「は??」って感じで、再び冷めた。
またラストが。世界観とかテーマを考えると全くおかしいことじゃないんだけど、虚無と唐突のバランスが悪くて、自分には合わなかった。
池脇千鶴さん他出演陣はすごい。
「こういう『普通』な役、吾郎ちゃん下手だよね」と言いたいところだけど、普通な役じゃなくても下手というか不自然なんだよな…
これだけキャリアがあって、何作も出演作あるはずなのに今も変わらず歩き方変だし、抑揚がおかしいし、ちょいちょい滑舌も悪いし……それが味になってる俳優でもない。
静かなセリフでは棒読みに聴こえるし、叫ぶのも全く似合ってないし。なよっとした棒(演技)というか。
この作品もだけど評価高いので、少数意見なんだろうけど。
秀作。伊勢志摩が舞台なのに登場人物全て標準語で話すのが残念でと言えば残念。池脇千鶴相変わらず上手い『(豚だって豚肉を)根性あれば食べます❗』
①吾郎ちゃん、オジサンになったものです。ああイヤだ。でも良い役者にもなった。朝ドラで清水美砂の弟役をなった時から「この子はいい役者になる」と思っていたので一応自画自賛。三重で炭焼きしてるオジサンにしてはちょっと都会的過ぎる気がするし(標準語しゃべっているから尚更)、池脇千鶴の受けの演技に助けられているところもあるけれど及第点を上げていいでしょう。②それぞれ違う道を歩きながらも、相手を気にかけている幼友達はやはり良いものだと思わせてくれる。③しきりに「三人は正三角形」と言っていたけれども、渋川清彦演ずる光彦は本当は二等辺三角形だということは分かっていたと思う。自分は底辺(それだけにブレのない立ち位置)であとの二人は斜辺だと。紘の棺を載せた霊柩車に向けて暎介が敬礼するのを見て顔を歪めるところがリアル。誰だって泣くよなぁ、ああいう場面では。④池脇千鶴はいつもながらに鮮やかな好演。主要キャスト四人の中の紅一点として映画の重りの役割を十分果たしている。
『じわる』映画
いつも映画評で「ジャニーズ主演だから」「AKBだから」等々でうがった見方(と私自身は思っているのですが)を目にして「いや映画、役者そのものをちゃんと観ましょうよ!」と常々思っているのに今回「吾郎ちゃん、大丈夫かな~」なんて先入観を抱いてしまったこと、大いに反省です!
稲垣吾郎さん、いい役者さんじゃないですか?!寡黙で不器用な山の男、妻や子供を顧みず、一途に父親への意地を貫き通す頑固者をとてもよく演じられていました。
長谷川博己さん、今回は若干ワイルド系でしたが言うまでもなくいい演技!大人になってしまった今、主人公との友情をうまく受け入れられないもどかしさをひしひしと感じました。主人公の息子にいじめに対抗する術をレクチャーするくだり頼もしい限りで、これもまた友情の気持ち満載ですね。
幼馴染み3人の『三角形、二等辺じゃなく正三角形』渋川清彦さんの言葉を借りるとこの言葉が染み入ります。中高生の時代、こんな友人が必ずいましたよね~。
それから池脇千鶴さんの堂に入った幼馴染みの同級生奥さん、流石です!内緒でホテルへ再交渉に行ったところ、変なたとえで支配人を説得するところ、そして勝ち取ったらしいくだりは泣けてきます。
主人公と義父との会話そして最後の留守電の『秋刀魚』の下りは笑っちゃいました。
先日観た映画『まく子』で草彅剛さん、しっかり俳優してるじゃないって思ったように、稲垣吾郎さんも歌じゃなくてこの路線で行ったほうがいいんじゃないかと思います。
(香取慎吾さんはファミマやキットカットがありますので大丈夫?!)
これは隠れた名作(隠れてないってか?)だと思います。
大きな映画館で観たかった作品です。40代を過ぎ不惑な世代に入った皆さん、是非観賞ください。
この半世界の片隅で
劇場時はこちらでは上映されず、レンタル時も阪本順治監督作ながら何となくスルーしていたのだが、国内映画賞で軒並み高い評価や受賞し、慌てて鑑賞。
当初は何となく見ていた感じだったが、見終わったら、じんわり心に残る良作だった。
ある地方都市。炭焼き職人の紘。
何となく父の後を継ぎ、家族は居るが、妻任せ。息子が学校でいじめに遭っている事も知らず…。
そんなある日、中学の同級生で自衛隊員の瑛介が退官し、帰郷して来て…。
紘と同じく地元暮らしの光彦も誘い、酒を飲み交わす。
談笑し、久々の再会を楽しむ同級生3人。
あの頃と変わらず…と言いたい所だが、彼ら一人一人、その周囲、大きく変わっていた。
紘は先述の通り。
光彦は一見明るいが、紘の事をよく気に掛け…。自身も妻との間に子供が居ない事を気にしている。
そして、瑛介。退官と離婚をして、突然の帰郷。しかし、それだけではない。何か、あったようだ…。
少年時代ならぬ“中年時代”。アラフォー目前の男たちのほろ苦い青春ドラマ。
それぞれ心に傷を抱え、何かしら背負っている。
友情を確かめ合い、家族との関係や自分の人生を見つめ直していく…。
世界は国家間の紛争と、もう“半分”の世界で出来ている。
市井の人々が営む“半世界”。
そんな視点から阪本監督が築き上げた半世界(=オリジナル脚本と演出)に、見ている内に自然と身が委ねられていく。その手腕はさすが。
役柄はキャストに当て書き。
稲垣吾郎の素のような等身大の好演。
渋川清彦のこんな友人いるいる感。
長谷川博己の複雑な巧演。
3人の味わい深い演技や個性派・実力派・ベテラン揃う中、紘の妻役の池脇千鶴が印象的。
母として息子を気遣い、妻として夫に“今日もおバカ弁当”を作るなど辛辣でもあり、田舎の良妻賢母をリアルに体現。紘もこんな出来た女房が居るからついつい何となく甘えてしまっているのかなぁ、と。また、終盤のあるシーンでは夫への愛情を滲ませ、感動させる。
内助の功。
息子はいじめに立ち向かう。
不器用ながらも再び家族と距離を縮める紘。
ある悲劇を自分のせいと責め続ける瑛介。
この半世界の片隅で、細々ながらもしっかりと…。
それはあまりにも突然の別れ。
自分は自分の人生を生きて来られたのか、これから自分の人生を行けるのか。
出会いと別れ、交流、再スタート…。
悩み、触れ合い、見つめ直し、見出だしながら、
この半世界を生きていく。
少々この場を借りて…
今日まさに、米アカデミー賞で『パラサイト』が史上初の大快挙を成し遂げた。
驚きと共に同じアジア人として嬉しく誇らしくもあるが、激しい嫉妬も。
これでまた日本映画は韓国映画に差を付けられた。
いや勿論、日本映画だって本作のように良作はたくさんある。
しかし、日本映画全体に訴えたい。
日本映画、何やってんだ!
本当にこのままでいいのか!?
本作の台詞を借りるなら、甘ったれるんじゃねぇ!
二等辺三角形じゃないぞ、正三角形だぞ
映画「半世界」(阪本順治監督)から。
稲垣吾郎さんが炭焼き職人を演じ、主演を務めた人間ドラマ、
そして、そのタイトルの意味が知りたかったことで観始めた。
タイトルを匂わせる会話は、何度も見つかった。
故郷で働いている同級生に対して、元自衛官の親友は、
「お前らは世間しか知らない、世界を知らない」と言い放つ。
そして、なにか意見がぶつかると、言われた方がわざと
「あぁ、世界を知らないからな」と、口にしてみたりする。
しかし主人公が突然、他界してしまい途方に暮れながらも気付く。
「気付いたよ」「何が?」「お前には分かっていること」「こっちも世界」
その辺りに「半世界」の意味を見つけてみた。
ただし、この作品を代表するフレーズは、
「二等辺三角形じゃないぞ、正三角形だぞ」ではないかと思う。
同級生3人の関係、3人家族の関係・・
世の中には、3人でチームを組むことはあるが、そのバランスは、
3人とも同距離、同角度の「正三角形」が相応しい。
逆にいうと、世間を騒がす「三角関係」って、
「正三角形ではなくて、二等辺三角形」なんだよなぁ。
この感じ…好きだわ
紘、光彦、瑛介の三人の二等辺三角形って表現が何とも言えない関係性を感じさせる。
親に跡を継ぐな!と言われたのに炭焼き職人になった紘。
親の跡を継いで中古車販売している光彦。
自分で選んでなった自衛隊を辞めた瑛介。
三人が見ている世界は同じようで同じじゃないのは浸かった世界の違いではあるが、三人寄れば三様の世界がある。
相反する世界もあるのが当然だ。
海外派兵で実戦を経験し、コンバットストレスで部下を死なせてしまった事で精神に異常をきたすほどの衝撃を受けた瑛介の世界もシビアだが、炭焼き職人で生計を立てるのだってシビアだ。
中古車販売店だって、輩が乗り込んできて大変だ。
生きるためにやっている事は誰もが大変なのだ。
倒れるまで働いた紘の姿は、至らぬ自分(紘自身)の不器用さを看て取れるし、ドラマの様に都合よくいかない展開は観ていて興味深い。
息子のイジメエピソードはややモヤモヤした感じで結末を
葬式のシーンは涙雨とも取れるが、無くても十分なリアルさで切なかった。
39は無理があるかと
でもジャニーズにいてはできない役柄だと思う。吹っ切れた感がすごくよかった。新しい吾郎ちゃんを見れた気がした。歩き方は吾郎ちゃんだったけど笑
初めのシーンでまさかなーとは思ったけど、やはり死ぬのか。。そりゃないよ!!だったが、最後まで観て、やっぱ死ぬのは必然だったんだな、と。じゃないと息子はこうならなかったし、えいすけも主人公のセリフの意味が分からないままだった。
家を出ずにずっと同じ場所で生き、親の家業を継いで炭を作るということがなんだか神秘的で、夢とあいまって。それを人から言わせれば世間知らずになるのかもしれないけど、そうやって人はそれなりの世界を持って生きている。
キャストが全体的にすごく良かった。
今からセックスなんだ。
分かった。失礼しました。
最高。
最後まで裏切らない映画!
予習無しで映画を観て来た者の感想です!
ストーリーがはじまり、家族構成や出てくる人の関係性はあまり明かされない状態でしばらく進んでいく。
細かなこと、誰がどう深く関係があるかなどはあまり掘り下げない感じから話のメインが完全に稲垣吾郎さんなんだと気付ける!
台詞を言わず、炭を作る演技、山を登るシーン。稲垣さんらしさが一番出ていた気がしました。
良い意味で最後まで落ちどころがなく、荒波が立ちすぎず、平らなストーリー。現実味があります。
海でおしくらまんじゅう、馬鹿話をする3人組がどうしてもSMAPが集まって楽しそうにしている稲垣吾郎さんを連想させられ、嬉しい気持ちになりました!
観られて良かった…!
公開から少し時間が経ち、日々観に行きたいと思いながら日延ばしになっていましたが今朝、何となくWEBで調べてみたら明日までの上映とのことで驚いて急ぎ、息子を誘い出かけました。
なんとしみじみとした温かい作品…。三重の美しい風景と、古くからの年輪のきいた平屋。そして紘、光彦、瑛介の均衡のとれた三角形。そして初乃、明とのやわらかな関わり。どれをとっても本当に深く沁み入りそれが温かな輪になって広がるような感情が湧きました。
人間は誰もが人には言えない苦悩、傷、悲しみを背負って生きています。人の悲しみを無くすことはできなくとも、それを慮って寄り添うことの大切さを改めて噛みしめています。
吾郎さん扮する紘の表情や仕草、人生を折り返した男の寂しさや切なさ、そして他の全てを諦めながらも信念を貫く姿にグッと惹きつけられました。
最後のエピソードは少なからず衝撃を受けましたが、だからと言ってエンドロールで悲しさを引きずることのないとても不思議な作品。最期の紘からの初乃へのメッセージが、衝撃を幾分和らげ優しく撫でてくれるような気持ちをもたらしてくれます。
同じ言葉を自信を持って繰り返します。
とても、とても良い作品でした。
余談になりますが、横浜在住親子ですがこの作品はどこのシネマも日に一度上映が多く、近くに丁度良い時間の上映がなく困り果て、千葉は流山のシネマまで息子を急き立てほぼ70キロの道程、車を走らせてもらいました(笑)。
現在大学生の息子も作品を見終わってからポツンと「なんかうまく言えないけどすごく心に響いた」「とても良かった」と口にし、流山まで来た甲斐があり過ぎるほどあったねと、親子共とても貴重な時間をもらったと思っています。
派手さはない作品かも知れませんが、こういう人間の機微に触れるような作品こそもっと評価されるべきです。
やわらかで穏やかな時間をありがとう。
めちゃくちゃよかった
気になっていたのに近所の映画館はあっという間に公開終了とのことなので、ぎりぎり駆け込みで観てきました。
久しぶりに良質な映画を観たという印象。最初から最後まで全く飽きずに観れました。
幼馴染3人の会話もリアルだったり、クスッとできたり。職人の父と息子の関係も、ラストの息子の選択含めとても良かったです。
瑛介と紘の息子のシーンが個人的にはとても好きでした。
池脇千鶴のいい感じに生活感出ているのもよかったし、石橋蓮司の酔っ払いも最高でした。
物語は思いも寄らない方向へ向かいますが、これからも続いて行くだろう登場人物たちの世界にそっとエールを送りたくなります。
安心してください
新しい地図の活動を応援している方々、安心してください。
いい映画でした。
実は、東京国際映画祭の観客賞受賞は、稲垣さんのファンの方々のおかげかもと、見る前はちょっと心配していましたが、まったくの杞憂でした。
東京国際映画祭って、観客の質が高いんだなと感心しました。
ストーリーは、万人受けはしないかもしれません。
わたしも、もう少し若い時なら、映画に救いや教えを求めていた時なら、不完全燃焼だったろうなと思います。
現代の子供の問題は、こんな単純ではないですよね。
でも、思い通りにならない世の中で、もがきながら、それぞれのやり方で、少しづつ進んでいる姿に感動するんです。
セリフにはなくても、大事なものを捨ててはいけないと、わたしには聞こえました。
ラストシーンも、無理だと言われたから、やっているんですよね。
少し時代遅れかもしれない、お父さんと同じように。
いい映画です
特別な前情報も得ず、長谷川さんが出演しているというので、正直軽い気持ちで観に行きました。
ところがところが、すごく良かったです。最後は涙涙です。
出演者の演技に完全に引き込まれました。
稲垣吾郎さんの演技ももちろん良かったですが、長谷川さんの鬼気迫る演技はさすがでした。そこに、渋川さんの優しさが加わって、本当に良かったです。
もう一度見たいのですが、近くの映画館では公開されてないのが残念です。
大切なものについて深く考えさせられる映画
ありふれた日常には理不尽な悲しみが潜んでいる。その日常には大切な宝物が散りばめられていることを強烈に感じました。宝物はちゃんと見つけなきゃいけないと思いました。片田舎の暮らし、色んな事情を背負っている人生中盤に差し掛かった人間の苦悩にどっぷり共感しました。こうあるべきと提示してくれるのではなく、観客の数だけ答えがあるようなラストだと思いました。爽快じゃない、痛快じゃない、悲観もない、鑑賞した人それぞれが現実を深く考え、明日を丁寧に生きようと思わせてくれる映画だと思います。最初、浮世離れしたスターの稲垣吾郎が炭職人って、ピンときませんでした。絶対にハマると確信された阪本監督のプロデュース力と稲垣吾郎さんの対応力に脱帽です。こんな男前は片田舎にはいない、きっと場違いで浮きまくるだろうという予想を見事に華麗に裏切ってくれました。稲垣吾郎さんはいつも通り男前でした。それなのに片田舎に馴染んでいました。ひっそりと炭を製作していました。息子との距離感や下降気味な炭の売り上げに悩む39歳の少し頼りないお父さんでした。脇を固める長谷川博己さんも池脇千鶴さん渋川清彦さんもこの町に馴染んでいました。半世界を観て、私の心の中に大きな光りが生まれたと感じたので、この光を大切に生きていこうと思います。素敵な作品をありがとうございます。
心地好い時間を過ごせる作品。
BSの映画紹介番組で紹介されて興味が出たのと、観た人の評価が高い事もあり、鑑賞しました。
感想はと言うと、良い。
面白いと言うか、こういう作品は割と好きなんですよね。
40代に手が届こうかと言う同級生の男3人の物語で、お話は割と淡々と進んでいきます。
所謂、作品の世界観や雰囲気を楽しむ作品ですが良いんですよね〜。
稲垣吾郎さんが見た目はカッコいいけど、普通の等身大の中年に差し掛かって、家族も抱えて、仕事を黙々とこなしながらも不器用な男性を演じてますが、今までの稲垣吾郎さんのイメージと違って、こんなにも普遍的な役柄を演じられるとはとちょっとビックリ。
この作品って、稲垣吾郎さんの役者としてのターニングポイントになるんではないでしょうか?
主人公は稲垣吾郎さん演じる紘ですが、物語の起伏を生むのは長谷川博己さん演じる瑛介と息子の明。
ラストのオチは正直ビックリしましたが、それ以外はホント淡々と進んでいきます。
田舎に住んでいながら、自身の仕事の先行きや現状に思い悩むのはホントよく解ります。
家族に気持ちが回りきらないのも、無関心と言うよりかはそこまで余裕が無いのもよく解る。
多分、30代後半から40代の男性なら共感出来る所が多々有るんではないでしょうか。
炭焼き作りの仕事、観ているだけでも大変そうと言うのが解ります。親の仕事を継いで昔ながらの良い物を作ろうにも時代の流れから徐々に排他されていく感じ。黙々としながらもやるせなさを感じます。
生まれ故郷に瑛介が帰ってきても、そこには様々な苦労があります。
都会には都会での仕事の苦労はあるし、田舎には田舎での仕事の苦労がある。
何処にいてもそれぞれの世界はあるけど、それだけが全てではないし、かと言って自分の知らない世界はやはり何処か知らない世界な訳ですから、タイトルの「半世界」と言うのは、絶妙な題名かと思います。
いろんな思いに馳せながらも共感出来るんですが、ラストのオチは個人的には正直ビックリし過ぎて、ちょっと納得は出来ないかな。
普通に起こりうる出来事なんですが、この終わり方には些か強引な感じがしなくもないです。
もっと、それよりも紘、瑛介、光彦の交流や嫁の初乃や明との家族の時間を観て、心地好い時間を過ごしたかったかなぁと。
ホント、そこだけ。
映像も綺麗だし、何かしら悩みや不安、傷を抱えながらも地元で不器用に生きていく人々の生活がいとおしい。
作品の伝えたい事は映像から感じ取って、各々が答えを見出だせば良いのではと言うのが阪本順治監督のメッセージかなと感じました。
ホント、ラストだけは個人的に…ですがw、心地好い時間と余韻に浸れる、良い作品かなと思います。
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