「文化的な暮らしが得られない悲惨さ」あの日のオルガン 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
文化的な暮らしが得られない悲惨さ
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山田洋次『砂の器(1974 松竹)によると
駅の看板の記載は、「驛川桶」となるはずが、どうであったろう。「桶川駅」なっていませんでしたか。
山田監督の助監督を務めてきた平松監督。良い作品だだなと思った。
群馬の奥地に疎開してきた保母さんと親と別れ別れになってしまった幼き子供たちの交流を優しい目線で描かれている。教師たちは、「文化的なくらし」を常に求め生きている。戸田さんの「いかりの乙女」、最後のさいご思いっきり泣いてしまう場面。自分の考えたことが間違えていなかったという安堵からくるもの。
この映画の題名でもある気持ちを改にオルガンを弾く大原さんの演技が清々しいものであった。題名「オルガン」の意味が際立った。音楽は村松崇継、ラストの歌にも気を緩めない力量。
最後の楓の「火が追いかけてくる。」の独り言。戦争の怖さ、悲惨さを考え直す作品になり得た。キャスティングも良く。素晴らしいものに仕上がっている。
ただ、戸田さんの演技が「既視感ある毅然とした役」と言えばそれまでだが、こんな女優が他に入れば
「コードブルー」かよ。「SPEC」かよと、ついつい思わなかったのだが。
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