エンジェル、見えない恋人
劇場公開日:2018年10月13日
解説
目に見えない存在として生まれた青年と盲目の少女の愛の姿を描いたラブロマンス。パートナーの突然の失踪により、絶望を味わったルーズは精神病院に収容され、誰に知られることなく、1人の男の子を出産する。エンジェルと名づけられたその子どもは、目に見えない存在であるという、特別な特性をもっていた。そんなエンジェルを、ルイーズは世間との接触を絶ち、施設の中で育てていった。そしてある日、エンジェルは盲目のマドレーヌという少女と出会う。目が見えないマドレーヌはエンジェルの秘密に気がつくことはなく、2人は次第に惹かれあい、愛を育んでいくが、ある時、マドレーヌが視力を取り戻すため目の手術を受けることになり……。製作は「神様メール」「トト・ザ・ヒーロー」のジャコ・バン・ドルマル。監督は俳優としてドルマル作品などに出演し、多くのテレビシリーズなども手がけているハリー・クレフェン。
2016年製作/79分/PG12/ベルギー
原題:Mon ange
配給:アルバトロス・フィルム
スタッフ・キャスト
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透明な子供を生んだ母親が、人知れず透明なままの息子を育てる。やがて透明な息子は盲目の少女と友達になり、やがてふたりは恋に落ちる。
なんとも不思議な設定のファンタジックなラブストーリー。ネタバレになるが、エリナ・レーヴェンソン演じる母親は、物語の中盤で亡くなってしまう。普通に考えれば、透明な子供は狂女の妄想の産物に相違なく、母親の死とともに消えてしまうかと思っていた。
ところが息子は透明なままに存在を続け、成長して目が見えるようになった少女と愛を育む。解釈はいろいろあるだろうが、自分にとっては、妄想から生まれ、母親の心を支えていた存在が、また別の支えが必要な少女に受け継がれる物語であり、空想を信じる強い心を持った人が作った映画なのだと思う。儚いようで、楽観的な寓話である。
2018年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
原題はMon ange、フランス語で「私の天使」。盲目の少女マドレーヌに恋をした透明の少年エンジェルが主人公。母を除きエンジェルの存在を唯一知るのがマドレーヌで、2人が相思相愛になったのは大変な奇跡だ。
8~9割方カメラが写す映像=エンジェルの視点として構成したのが妙味。主人公は終始写らないので、男性観客なら自分を重ねられるし、女性なら好みのイケメンを想像できる。9月公開の「かごの中の瞳」は盲目の妻が視力を回復したことで夫婦仲に変化が訪れる話だが、本作と見比べるのも一興。見えないことはゼロではなく、相手が理想の像を投影できる点で最強、至上の存在と言える。だから聖なる天使の名が与えられたのだろう。
低予算の割にCGを効果的に使っている。映像も美しい。予告編に使われているが、マドレーヌが幼少から10代に変わるジャンプカットもシンプルだが印象的。プロローグとエピローグの呼応もセンス良し。
まずはこの映画を見る前にボーダー、2つの世界を鑑賞したから余計に今作が面白く感じました。
どうにも、2つの作品にテーマは違えどわりと共通点がありました
音楽の少なさ、人を匂いで嗅ぎ分けたり。
今作が面白いと思えたのはまずは非現実的な部分、登場人物をできる限り排除してるので一つの「物語」として感情移入できました。
そして主人公にとにかく感情移入してしまう
透明人間なのをいかしてとにかく主人公目線でいつのまにか主人公と一体になりました。
そしてとにかく映像の雰囲気が綺麗
エッチなシーンはあります、しかしとても美しく撮ってますなんとも言えないエロスです、伸びる乳首
素晴らしいのは1時間とちょっとの上映時間。
得てして間延びしがちなものを排除してテンポがよい。
終盤、この人達は働かないでどうするんだろう?って見ながら疑問に思いましたが、それもちゃんと答えが笑
なるほどそういうことね
ラストの集合写真、エンドロールまで秀逸。
気になったのはやはりエッチシーン、再開して自分の姿が見えない悲しさがある中、目隠しさせてやるのはちょっと卑怯な気がしましたね
ラブシーン撮りたいのはわかるがそこだけがっかり
2020年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ちょっと遠くの映画館で上映してたので
行きそびれてしまった映画。
配信で観られて本当に良かった!
なんという詩的で透明で美しい映像〜
欧州映画ならではの、
透ける様な透明感のある肌をした
金髪の少女と
森の木漏れ日の美しさと
透明な少年の恋の始まりが
ああ、ため息が出るほど美しい。
で、透明な存在を意識させるために
うま〜〜くCGと実写が組み合わさって
それが過剰ではなく、とても繊細なので
噓っぽくない〜
これって、アメコミ映画の様な
派手な
爆発シーンを描くより逆に難しいのでは?
外に出られない今、
美しい森の静かな景色など
ヒーリング映画としてもぜひご覧ください。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
美しい中にも、言ってしまえば
持って生まれたもの、
見方によっては障がいでもあり
特性でもあるものを
これほど、詩的に昇華させてゆくなんて
去年の「パリ、嘘つきな恋」も素敵だった様に
フランス映画には時々こういう名作があるよね〜
さらに、大人になってからの
透明な青年とのなんと官能的なシーン。
ここは、体の奥に火が付きそう〜
「パリ、嘘つきな恋」でも、
ものすごく素敵なラブシーンがある。
ファンタジーと割り切って見るから
美しいのかもしれないけど
それにしても、なんだろう、このフランスの
恋愛への向き合い方の豊かさは〜〜
羨ましい〜〜
@お勧めの鑑賞方法は?
配信しか無理ですけどね〜