「【”加齢”なるステップを踏んで新しい人生を歩んで行こう! 名言が詰まった、前を向いて生きる事の大切さを教えてくれる作品。】」輝ける人生 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”加齢”なるステップを踏んで新しい人生を歩んで行こう! 名言が詰まった、前を向いて生きる事の大切さを教えてくれる作品。】
サンドラの自由人の姉ビブ(セリア・イムリー)の言葉。
”大切なのは何時でも、気持ちが下がらないようにすること・・”
ビブと疎遠だったが、夫に裏切られた(浮気され、離婚・・)”レディ”サンドラ(イメルダ・スタウントン)はビブのごちゃごちゃしたアパートに転げ込む。(今まで住んでいた豪邸とは大違いである・・。)
当初は、二人の間はギクシャクしていたが・・
ビブの友人たちは素敵な人が沢山。(素敵な人には素敵な友達が沢山・・)
特にチャーリー(ティモシー・スポール:決してハンサムではないが、良い英国俳優だなあ。”肯定と否定”での信じ難き歴史学者のイメージが強かったので、尚更かもしれない・・)が”一人の人として”素晴らしい。
・愛する妻が認知症になり、介護する姿。そして、彼が妻を介護施設に居入れるために家を売った事が分かるシーンで言う言葉。
”この国の人は一軒家を買うために拘るけれど、不自由を買う事でもある・・” 思わず、ハッとする。
・ダンス仲間が流れた曲を聴いた途端に表情を変え、肩を落とす場面。涙ながらにダンス仲間が”結婚式の時の曲なんだ・・”と呟くが、チャーリーは彼を優しく抱きしめる・・。
サンドラもビブやチャーリーの(哀しみを抱えながらも)楽し気に生きる姿、ダンスする姿に徐々に”身に着けた鎧”を脱いでいく・・。
ロンドンの貧しい人たちに暖房を買おう!というビブたちがチャリティのために街中でサンタの帽子を被ってダンスするシーンは素晴らしい。
他にも、自分を裏切った元夫の様々なテニスのトロフィーを粉砕機でビブと粉々にして、テニスコートにまき散らすシーンや
パブで遭遇した、元夫と新しい妻に対して、サンドラがかます啖呵の気持ちの良い事・・。(で、パブの主人はにっこり笑ってビールを差し出す。)
サンドラの表情が気難しいおばさんの顔からどんどん明るくなっていく・・。
チャリティダンスが評判になり、ダンス仲間達はローマの大会に出場する事になる。サンドラとチャーリーの関係もどんどん良くなっていく。
ーこの作品が素晴らしいのは、登場人物たちが抱える様々な哀しみをしっかりと描いている事であろう。だから、その哀しみを乗越え楽し気に生きる姿が観ている側にきちんと伝わるのだ。-
ビブの死後、集まった友人たちの人数の多さ。そして、ビブについて語るサンドラの言葉の素晴らしさ。
<人生、辛い事は沢山あるけれど、常に前向きに生きる事の大切さを教えてくれた作品。元気が出ない時に観たい映画が又一つ増えた。>
<2018年9月30日 シネマテーク高崎にて鑑賞>
<2020年4月12日 DVDにて再鑑賞>