「老いてなおリア充」輝ける人生 kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
老いてなおリア充
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ベタ極まりないプロットでしたが、なかなかにグッとくる作品でした。
今まで自分を偽って(本作では「自分自身を裏切って」と表現されていた)生きてきたサンドラ婆さんが、姉ビフと暮らすようになって好きだったダンスを再開したり、恋をしたりして少しずつ自分自身を取り戻すお話。
同じようなプロットでも、老年期の主人公だとこれまでの歴史があるため、人生の取り戻し方もダイナミックな印象を受けます。しかし、老年期の方が中年期の復活モノよりも意外とスムーズな気も。中年の復活は未来への欲が足かせになりますが、老年期だとそれがあまりないので(失礼!)、逆に今を純粋に生きれるように思えます。それがまた清々しいです。
後半のクライマックスでもある、ローマでのダンスシーンはなかなかに胸に迫りました。上手い下手を超えた良さがありました。以前、『ヤング@ハート』という老人コーラスグループがロックナンバーを歌うドキュメンタリー映画を観て、ヤング@ハートの公演も観たのですが、なんとも言えない感動があるんですよね。本作もそれに近いタイプの感動でした。何に感動しているのかよくわかってないのですが、本当に素晴らしく感じるのです。あのダンスシーンは思い出すたびに胸熱であります。
あと、やはり幾つになっても恋はいいですね!サンドラもチャーリーも恋をしてからキラキラし始めて、「おーいーじゃねーかリア充め!」なんて冷やかしてやりたくなります。
またイギリスの老人たちはオシャレです。ビフもメッシュ入れたり、チャーリーもボルドーのハットとカラフルなスカーフを合わせたり。思わず影響を受けますね。
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