劇場公開日 2018年9月14日

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「プレデターが闘いを終える時も近い、かも…」ザ・プレデター 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0プレデターが闘いを終える時も近い、かも…

2019年1月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

本家シリーズとして2本、
同じビッグネームSFモンスターとの対決モノとして2本、
別口作品として1本、
これまで計5度、我々の前に姿を現し、激闘を展開。
残虐で凶悪ながら、武士道精神のような誇り高き戦士でもあるプレデター。
新作としては2010年の『プレデターズ』以来8年振りとなるが、世界観としては第1作第2作の正当なる続編で、ファンには堪らない。
第1作は何度も見たし、『プレデターズ』は思ってた以上に面白かった。勿論、プレデターというキャラ自体も好きだが…、今回はまあまあだったかな。

まず、良かった点。
プレデターは新作の度に新種が登場するが、今回も。これまでで最強と言っていいくらい。その名も…
アルティメット・プレデター!
様々な星の生物のDNAを組み合わせて進化したハイブリッド。
人間や通常のプレデターの倍近い身の丈で、力も圧倒的。
武器や装置の扱いもプロフェッショナルで、裏切り者のプレデターを追う追跡者でもある。
トミー・リー・ジョーンズのような執拗さとシュワちゃんのような体格と強さ(とウーピー・ゴールドバーグのような髪型)を併せ持ち、奴に狙われたらまず命は無い。

人間とプレデターの闘いはいつも、殺るか殺られるか。
今回もならず者傭兵部隊と街中やジャングルを舞台にサバイバル・バトル。
飽きさせないほどの快テンポとスリリングさであると同時に、これまでのどのプレデター作品よりもたっぷりのユーモアも。
ならず者傭兵部隊の軽快なやり取りであったり、ブラックな笑いであったり。
でも個人的に一番の笑い所は、プレデターの名前の由来。確かに、“ハンター”より“プレデター”の方がカッコいい(笑)
血が飛び、首が飛び、グロ度もなかなか高め。
所々お馴染みの音楽もかかり、ニンマリ。
監督は第1作目でシュワちゃんの隊の隊員としてプレデターと闘い殺された事のあるシェーン・ブラック。
たっぷりのエンタメ性とプレデター愛を詰め込んだ。

ここから、不満点…。

第1作第2作の正当な続編である点が本作のお楽しみの一つだが、ガッカリと言うか、期待ほど話に繋がりは無かった。
台詞にチラッチラッと関連ワードが出る程度で、もっと心憎いほどのリンクネタやオマージュが欲しかった。

話も何だか今一つ。
地球に不時着したプレデターの宇宙船から、主人公の傭兵がある装置を息子に送る。
って言うか、そんな物騒な物、息子に送るなよ…。
息子がその装置を起動させてしまった事から、アルティメット・プレデターが襲来。
盗まれたある物を巡って、人間側もプレデター側も、追われ追いの激闘が繰り広げられ…。
単なるサバイバル・バトルではなく、各々の思惑や目的や陰謀入り乱れ、目まぐるしく話は展開。
確かに快テンポで飽きさせはしないが、この登場人物やプレデターの行動の目的は?…と、時々こんがらがってもくる。
ちとハイブリッドさせ過ぎたか…?
何だかクライマックスは取り敢えずバトル繰り広げておけばのグダグダ感で、B級チック。
原点である第1作目に及ばないのはまだしも、単品作品としてもサバイバル・バトルもオマージュも、『プレデターズ』の方がずっと面白かった。

度々新作は作られるが、その都度1本止まり。
本作もファンは熱狂だが、興行・批評は鈍い。
ラストなど今回もシリーズ化を狙ってるようだが、おそらく…。
プレデターが闘いの時を終えるのも、案外近いかも…。

近大