劇場公開日 2018年9月14日

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ザ・プレデター : 映画評論・批評

2018年9月18日更新

2018年9月14日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにてロードショー

男臭くて血しぶき飛び散る1980年代テイストを甦らせた“狂い咲き”の快作

当時人気絶頂のアーノルド・シュワルツェネッガーが主演した1987年の「プレデター」は、いろんな意味で衝撃的なSF映画だった。米軍特殊部隊の精鋭が南米某国のジャングルで未知の“見えない敵”との闘いを強いられるアクション・スリラー的なシチュエーションからして、それまでのエイリアンものとは明らかに異質。エイリアンの地球飛来の目的が侵略ではなく人間狩りで、しかも強い獲物を探し求めているという設定も斬新だった。さらにクライマックスのシュワとのタイマン勝負では、丸腰の相手に合わせてハイテク装備を脱ぎ捨てる武士道精神を披露。驚きに満ちた宇宙サムライ=プレデターはこの一作で絶大な人気を博し、当然のようにシリーズ化されていった。

劇中に過去作とのリンクも盛り込まれた今回の正統なるシリーズ最新作には、2体のプレデターが登場する。1体目はわけあって地球に逃亡してきたプレデター。それを追ってやってきた2体目は、異種交配によって進化を遂げ、通常サイズよりもはるかに巨大なアルティメット・プレデターだ。プレデターの言語を解読できるほどの頭脳の持ち主ゆえに、このモンスターを呼び寄せてしまう天才少年役にジェイコブ・トレンブレイ。ドレッドヘアのプレデター犬の初登場にもギョッとさせられるが、そのユーモラスで妙に人なつっこい挙動は笑いのスパイスにもなっている。

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プレデター研究にいそしむ政府秘密機関の思惑も絡む盛りだくさんの内容だが、シェーン・ブラック監督が最も注力したのは、筋肉マッチョの男たちがスクリーンで喝采を浴びた1980年代アクションのテイストを現代に甦らせることだ。ボイド・ホルブルック扮する傭兵の主人公に助太刀するのは、グリーンベレーやネイビーシールズのようなエリートではなく、“ルーニーズ(頭のいかれた連中)”と呼ばれる退役軍人の5人組。子供には教育上よろしくない野卑なジョークを連発するこのならず者たちは、いざ戦闘となると目の色を変えて命知らずの行動を起こす。そんなルーニーズとプレデターの初遭遇を号砲にして、ダークなコメディがダイナミックな活劇へと豪快に転調していくワクワク感。人間の首や腕が切り裂かれ、プレデターの蛍光グリーンの鮮血が飛び散るスプラッタ描写を、CGというより特殊メイク風の生々しさで映像化している点も極めて80年代的だ。

かくしてブラック監督のこだわりとパッションが炸裂する最新作は、シリーズ中ピカイチのお行儀の悪さを誇る仕上がりとなった。まさに“狂い咲き”の快作である。

高橋諭治

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