「別路線と思えば好き」ザ・プレデター れーぶんさんの映画レビュー(感想・評価)
別路線と思えば好き
自分も1を最高だと思ってる身だから、それと同系統のスリルや格好良さを求めると、今作は実にくだらないとしか言いようがない。
けれど、いくつかのレビューを読み、「ああこれはブラック節が大爆裂してる別物なんだな」と思って見に行けばこそか、そのくだらなさが単純に面白かった!
こまかいことを言えばキリがない。物語は雑というか大雑把で、ツッコミどころも多い。なんでや、いつの間にそうなった、それでええんかい、と何度思ったかw
なにより、実は人間を助けようとして来たなんてのじゃ、ぐっと来ない。デカくてハイブリッドでだから強いなんてのも、あーそーですか、だ。魅力には感じない。
冷徹で残酷だけどストイックなハンターというプレデターの格好良さ、怖さ、魅力は、やはり大きく損なわれてる。
そこが引っ掛かってしまったら、もうなにからなにまでくだらない、つまらないと自分も言ったと思う。
しかし不思議と、ルーニーズの面々は魅力的で、バカバカしさに呆れつつも好きになったし、主人公のクインは素直にカッコいいと思った。今は壊れてるとしても、元々は全員優秀な軍人であればこそだけど、戦うとなったら皆勇敢で強かったしね。役者さんたちも、過剰にならない程度に、でもコミックライクな分かりやすさでそれぞれのキャラを見せてくれたと思う。
ローリーはおとなしくて出しゃばらないから、可愛いなと思って見れた。このへんは好みの問題だけど、こまっしゃくれた偉そうな子供が出しゃばるってのが自分はほんとイラついてダメだから、そんなくらいなら天才で自閉気味って設定のほうがよっぽどマシ。(監督の映画は子役が皆、男連中よりしっかりオトナしてるよねw)「期待に応えられてなくてごめんなさい」のシーンの、クインの返事はぐっと来たしなぁ。
女学者ケイシーの戦闘力は、脳停止して受け入れるところだろうw
そう。なんとなく今回は、脳停止してアハハハと楽しむべきところで、うまく脳停止できたって感じがする。
それでも引っ掛かるのは、軍人やプレデターがざくざく人殺す、それをさらっと笑いにするのはまだしも、子供の場合&子供の目の前でってのは笑って流していいんだろうかってとこと、最後の戦闘でいつの間にかあの人…名前忘れちゃったけどwスターゲイザーの現場リーダーみたいな?おっちゃんがどうやって殺されたかよく分からないのは残念だなってことかな。あとはまあ、ローリーが次回作で出しゃばらないといいなって、超個人的に。
正直、プレデターの格好良さ、怖さでいったら、1作目の10分の1もない。無残に人が死ねば怖いわけじゃないし(そもそもファンはゴア耐性高い)、武器を持たない相手を狩らないって設定も、緊張感の薄い中、かつ、シリーズファンならとっくに知ってる中では、そうそうぐっと来ない。(はいはいなにもしませんよーいつものプレデターですよーみたいな感しかなかったなぁ)
かつてのストイックで恐ろしいプレデターは、この続編としては期待できないだろうと思う。追い詰められたら人間が死力を尽くして戦うスリルも、あのオチではもうなさげでもある。
それは極めて残念だ。
だからこそ自分は、1作目は宝物として胸にそっとしまって、何度でも楽しもうと思う。あのスリルとクールさ、ホットさを。
そしてこっちはこっちで、ノリの軽い別路線のプレデターものとして、続編があるならどうなるのか、見てみたい。そう思えるくらいには、楽しかった。
そんなわけで、自分はこうかな。
1>>>>今作>2>AVP>>>その他