クワイエット・プレイスのレビュー・感想・評価
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劇場が静まり返る愉しさ
音をたてたら死ぬ。登場人物たちが必死の思いで静かにしているものだから、客席側もかなりの緊張を強いられる。ガサガサ音がする袋菓子なんて買おうものなら大顰蹙であり、体験型アトラクションみたいな感覚をスクリーンを超えて共有できるのが楽しい。
ショック要素を音に頼りすぎないかという部分は否定できないし、多少展開は強引だが、緊張感を楽しみ、エモーショナルな展開に心揺さぶられ、ラストのノリはサイコーだと思ったので、完全にこの映画の術中に落ちたのだと思う。おみごと。
ネットでやたらとうるさい客と一緒になった悲しいレポートも散見されるので、ある程度の運が必要ではありますが。
これは現実のデフォルメかも知れない
音を立てたら殺される!何に?それは(意外に)どうでもいい。要は、終末世界でそんな"音無生活"を強いられる1組の家族が、どうやって音を押し殺して生きているか?そこが強烈にリアルなのだ。エミリー・ブラント扮する母親が歯を食いしばって音の封印しようとするシークエンスなど、こっちまで奥歯を噛みしめてしまう。これほど皮膚感覚で共感できる映画は、近未来、サスペンス、ホラー等々に関わらず近年珍しい。そして、得たいの知れない何かに周囲を包囲されているという設定が、音のない屋内をさらに孤立させて、身が軋むような孤独感を味合わせてもくれる。もしかして、これは現実のデフォルメかも知れない。そんなことまで想像させるジョン・クラシンスキーのしたたかな演出力に技アリを!
設定を巧みに機能させ、異色の家族ドラマにまで高めた傑作
ホラー映画で「〜してはいけない」というNG事項が突きつけられることはよくあるもの。本作の「音を立ててはいけない」という設定もまさにそれだろうと舐めてかかっていたら、とんでもない返り討ちをくらった。この物語はその一つの視点を覗き窓として、人生や社会、そして我々が生きる世界そのものを炙り出していく。突飛なアイディアを見事に具現化して見せた大胆な筆致とスピリットに、ただただ恐れ入るばかりだ。
音を立てると絶望的なことが起こる世界。だがその宿命に負けじと、必死に生きる家族がいる。親は今伝えられることを子供に精一杯伝えようとし、その思いが痛いほどわかりながらも、反発してしまう子供達の姿がある。まさにこれは、誰もがたどる”人生の縮図”。普遍的とも言えるテーマが、言葉を廃していればこそ、従来とは違う角度、感覚にて鋭く突き刺さってやまない。ホラーに見えながら、これは家族の肖像を描いた秀逸なドラマなのだ。
「ドント・ブリーズ」の着想の発展形
圧倒的な敵は盲目だが異常に鋭い聴覚を持つ。音を立てると瞬殺されてしまう。これは2016年の傑作ホラー「ドント・ブリーズ」のアイデアを発展させたような設定だ(製作時期が近いので偶然似たのかもしれないが)。ただし本作の正体不明の敵は大勢いて、すでに全世界を制圧しそうな勢い。かつての文明は壊滅し、わずかな人々が息を殺して生き延びている。
主人公一家のお父さん役ジョン・クラシンスキーが監督・脚本で、これが3作目の長編監督作。2作目「最高の家族の見つけかた」は温和なルックスを裏切らないハートフルな家族ドラマだったが、こんな奇抜なホラーも撮れるとは。感情移入させる演出が巧みで、登場人物たちとつい一緒に息を詰めて見入ってしまうので結構疲れる。敵キャラだけに頼らない様々な恐怖描写と、家族間の感情の繊細な表現。アメリカでの大ヒットを受け続編製作も決定。クラシンスキーの監督作、もっと観てみたい。
謎のままは怖い
全体的に映像は暗らめで無音が続く。
危険が迫ると、怖いBGMがかかる。
時々、やけに美しい景色や、やけに美しいBGMがある。
ひとときの休憩時間かな。
視聴者の呼吸を計算しているのか、リズムカルなカット割りだと感じた。
家族愛をピックアップしている。
出産が近いママ (エミリー・ブラント)が、過酷な状況で一人きりという大変そうなシーンがあるが、すでに3人産んだ経験があるためか落ち着いていた。
何はともあれ自然分娩が成功して良かった。
凶悪な怪物(クリーチャー)は謎だし、シチュエーションも謎が多い。
極限の
恐怖でも声を出していけない、途轍もない試練の世界を生き抜く家族の物語。
特に前半は音の無い映像主体の為に、慣れるまで違和感があったが、逆に知らず知らず映画に入り込む様になった。
静寂
音を探知するクリーチャーに世界が支配され、音を立てないよう生活している家族の話。
父親が家族を助けるために声をあげるシーンは泣ける。
最後は父親が残した補聴器で敵の弱点が分かり反撃にでるぞ。で終わり。
設定や演出は◎
女の子の意思の強そうな眉毛も良かった。
ただ、やっぱりあの状況で妊娠するのは...
敵の弱点に気づくのも遅すぎかと...
お父さんの最後の台詞はゔぉぉぉぉ〜〜みたいな叫びだったけど、そこはRuuuun!!!にして欲しかった。
映画から学びが得られました
私の好きな女優さんが出演されているので、視聴しました。大変に良かったです。クリスチャンでは無いので説得力に欠けますが神の絶対的な愛、万国共通の概念で神の愛に最も近いものだと「親の愛」尊いその愛を疑ったり、自然界の摂理に反する利己的に振舞うと致命的な状況に陥る、のだと思いました。当方初老ですがこの映画からも大切な事を学びました。特に父の愛、男の愛の描き方が、絶対的な神の愛それに羊同様な人間が近づき得る最高峰の域だと感じられて感動しました。
静寂さと素足の回帰感
エミリー・ブラントは多彩な役をこなすお気に入りの女優さん。お母さんも良かった。
静寂がテーマの作品だから、自然と画面に引き込まれていく。ストーリも、観客の視線をつかんで離さない構成。
この家族はどう切り抜けるのか、興味津々。悲しいけど切り抜けたね。
自分も裸足が好きなので、素足の解放感が良いな。考えてみれば、野山の落ち葉や草を踏む音は、裸足でも消せないはず。怪我も怖いし、走るのは無理か。ま、そこは大目に。
音を立てたら即死!
音を立てたら襲ってくる"何か"という設定ではありますが、一貫して家族愛がテーマでありました。音を立てずに細心の注意を凝らし、絶望的な環境の中で協力しながら生活する一家を描きます。ただ、その生活の中には、末っ子のビューの死が暗く深く影を落とし、崩壊していく家族の絆…。前半はそんな様子が繰り広げられ、少しづつ崩れてしまっていく家族の仲が不憫でたまらないのです。
一転、映画後半は、前半の静寂から一気に動へと変わっていきます。なにか静寂を解禁したかのような勢いで、今まで存在が不明であったモンスターも一気に登場し、まさに命を懸けた戦い。
そんな戦いの中での母親イヴリンの出産劇があります。いや~、この映画一番の見どころと言っても過言ではないかもしれません。静寂必須の世の中で、ありえないと苦言に近いレビューも見られますが、個人的には、この出産シーンは、ホラー映画史に残るくらいのインパクトがあった気がします。よりによって家族不在のなか"何か"におびえながら浴槽で一人出産する様子は、否が応でも手に汗握る緊張MAXなシーンなのです。モンスターの近くで声を出さないで出産なんて、今までの映画史で有ったでしょうか?
そのモンスターはかなり気持ち悪い外見でした。視覚がないため聴覚頼りに行動するといった設定ですが、動きが俊敏でおまけに体が硬いため、どうしようもない位なスペックのモンスターでした。ではどうやって倒すのでしょう…、やっぱりなと思いました。
映画時間が90分という短さには評価できます。モンスター物は簡潔に描くのが一番だと思います。変にだらけず、余計なことも居れず、さくっと鑑賞できたのが成功したと思います。
音声がないのが新鮮
見始めは音声がないことで派手さに欠けると感じてしまい、最後まで飽きずに観られるかやや不安に感じたが、情報量が少ないがために見落とさないようにと、物語が進むにつれ集中力が増していった。シンプルで分かりやすい設定なのも変に勘ぐりながら見る必要がないので良かった。ぜひ続編が観たい。
その状況でなぜ。
大体の話は知っていました。クリーチャーはかなり気持ち悪かったです。
初めは姉弟大きいし泣くような年でもないし、良かったわね、って思ってたら、赤ちゃんできてるし!💦
この状況でなぜ??そういうことがないと話にならないのでしょうか。
なんだか本当に安全を願っているかわからない感じがしました。階段の釘もそのままだし、、、。
それでも観てる間は緊迫感がリアルで面白いですが、観終わってから、とゆーか、観ている間もなんだか疑問が残る???な作品でした。
恐ろしい静寂が恐ろしいほど楽しい
ここまで静かなホラー映画に触れたことがありません。「音をたたてはいけない」この世界で生き残るルールはそれだけなのに、どれだけ難しいことか。本当の意味で恐ろしいのはそういうところではないでしょうか。普段音を立てずに生活するなんてできるはずもなく、それがある日突然制限されたらどうですか。どれだけの人が生き残れるでしょうね。
まずいきなりから世界が壮絶すぎます。こんなに荒廃しているのに、お母さんは妊娠、娘は聴覚障害、息子はまだ小さい・・・。そんな家族が何とか生き延びていきますが、とにかく緊迫した静寂なので、終始恐ろしくてドキドキしました。でも、そんな恐怖を楽しむのがホラー映画の醍醐味ですね。確かにこの映画は他のホラーとは一味違いました。人間を襲ってくるのもお化けじゃなくてクリーチャーですから。人間を食べるクリーチャーやモンスター、エイリアンが出てくる映画はいっぱいありますが、この映画はよくあるパニックムービーじゃないんです。恐ろしい静寂が淡々と続いていきます。でもそれが楽しいです。ストーリーは単純でも、どこか映画の世界にものすごい引き込まれる感覚がありました。「IT」などとは違った、こういう映画も好きになりました。
2作目の「破られた沈黙」も見るのが楽しみです。ぜひこの「クワイエット・プレイス」はどんどんシリーズ化していってほしいと思います。
緊張感がある映画です
しかし、他の方も書いておられるように、突っ込みどころがありすぎます。
冒頭から面白そうな予感で一気に観れましたが、続編は観ないかもしれません。
観てる時に緊迫感で少し疲れ、終わった後に、脱力感に襲われます。
ちょうどいい長さ
基本、ホラーが苦手で、久々にドキドキしました(^_^;)
なので、90分という長さがちょうど良かった(^_^;)
時間が短めなので、余計な説明などは無し。シンプルな設定とストーリーで、あまり難しい事を考えずに見られました(^^)b
作品の鍵となるのは長女。
最初は、反抗期でめんどくせーって思ったけど、大事な役でした(^_^;)
そんな長女役の子は、本当に耳が聴こえないそうで、リアリティのある演技を見せてくれる(^^)b
釘を何とかしろ
パニックものなのにこんなに静かな映画は初めてでした。
ストーリーの展開としては音を立てないように気をつけながら生き延びるだけなのですが、映画館で観たら静かで面白かっただろうなぁ〜と思いました。
何よりも、階段の釘がずーっと気になってました。釘が意味ありげに映された時点で誰かが刺さるんだろうと思っていたけど…刺さった後もそのまま放置。せめて上に厚めの板を置くとか、曲げるとか、できるでしょ!?子供達がケガするよ!?と思いながら見ていました。
続編の冒頭部分でも釘は健在でした。
映画館での視聴がベストなのに、映画館に行くほどでもないというジレンマ。
家で観るとどうしても雑音が入っちゃう。
なので、映画館で観たかった。
ホップコーンを噛む音さえも、
コーラを飲む音さえも、
音を立てながら見てはいけない
という緊張感がこの映画の最大の面白さ。
こわがらせ方は基本的に「エイリアン」。
大概こういう”得体の知れない何か”から
逃げる恐怖って映画は、
その正体が表れるまでが怖くて
それ以降は…さほどでも。
っていうパターンが多い。
この映画は序盤戦で正体を見せ、
いかにそれを攻略するかという
ゲーム的な要素を面白がる映画という点に
おいてエイリアンに似ている。
が、しかし。
詰めの部分がエイリアンとは雲泥の差。
なんで防音室作らないんだろう?
なんで離れた場所に”永遠にでかい音鳴っている装置”
作らないんだろう。
妊娠しているのに赤ちゃん専用防音室作らないの?
とか、いろいろ思っているうちに
恐怖感が薄れ、いつの間にか終わっちゃった。
どれくらいの、どんな種類の音なら
寄ってくるのか?
というルール設定も微妙なのが
さらにマイナスポイント。
エミリー・ブランドの品格で良質なB級映画に
低予算(恐らく)のB級ホラーながら、良質な仕上がりになっているのはエミリー・ブランドの品格ある存在感によるところが大きい。父親役のジョン・クラシンスキーも良かった。少し話が似ているMナイト・シャマランの「サイン」をもう一度見直したいなと思った。
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