バッド・ジーニアス 危険な天才たちのレビュー・感想・評価
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本当は、もっと重大な犯罪事件だけど、
エンタメとして、カンニングを表現していながら
そこから垣間見える、社会的格差、闇の部分
個人の能力の差、限界、正義の意味と、いろいろ考える
事が出来る。
全体的には、面白く最後まで良い映画。
本来なら、個人の犯罪ではなく、組織的なもっと悪意に満ちた題材。
チャイナや、韓国なら、事件としては親中心で、金で地位や名誉を買うというもの。台湾だからか、最後は正義が勝つ、正直さが最も重要という結論になり、良い終わり方なのかな。
親子関係の理想も描かれてるし。
忘れてはならないのは、現実の事件のあったチャイナは、(あえて中国ではない)未だ社会主義の国であり、一党独裁で
なんでもありの社会。
国民の一部の共産党員が(と言っても1億人以上もいる)利益を得る事が、当然とされている。
会社だって、学校だって、実質国有企業だから。
チベット虐殺をはじめ、女優や、長官の誘拐なんか
当然のように起きるし。
表面は、国際的に民主主義に合わせてるけど、
中は独裁。サウジや、ロシアもそう。出てくるニュースが、それを証明してるんだよ。
同じ国だと思ってると、痛い目にあうぞ!
平気で、嘘をつくし、だます。それを悪いとも思わない。
ぐらいに用心しないとだまされる。
チャイナでこの映画の感想は、どうなのかな?
上手くやれば、みんな金持ちなれたのに、どうして?
だったりして。
脱線して、すいませんでした。
逃げ出したくなる様な、息をのむ凄まじい緊迫感。 わずかな狂いから崩...
緊迫感とチームワーク
タイの貧富の格差と受験戦争
タイ映画は先日観た「ポップ・アイ」が初めてだ。主役の中年男を演じていたタネート・ワラークンヌクロが本作品にも出演していて、何故か少しホッとした。懐の深い父親の役を好演している。
物語はチンピラが成り上がるヤクザ映画みたいで、小悪事を繰り返しながら徐々にエスカレートしていき、最終的に大団円となる。優秀な学生たちでも人生経験は不十分で、視野の狭さから安易で刹那的な選択をしてしまうが、そのアイデアとチャレンジ精神は瞠目に値する。
カンニングのシーンはスパイ映画の秘密作戦を彷彿とさせるほど緊迫感がある。ミッション・インポッシブルなどでお馴染みの作戦中のアクシデントも盛り込まれ、小悪党のはずの学生たちにいつしか感情移入してハラハラしてしまう。
品格を重視するという教育者の言葉とは裏腹に、タイでは学力偏重の実態があることが知れる。加えて貧富の格差もある。学生たちのカンニングの背景には、社会の歪んだ構造があるのだ。経済的に発展途上のタイでは、かつての日本の高度成長時代の受験戦争のようなことが起きており、タイの学生たちは厳しい競争にさらされている。
朱に交われば赤くなるというが、交わるだけでは赤くならない。一緒になって何かをしでかすことで赤くなるのだ。しかし悪い誘いは断るのが難しい。朱に染まらないでいるのは、染まるよりもずっと大きな勇気を必要とする。
片寄った価値観が交錯する映画だが、主人公の父親の寛容で落ち着いた人格が作品全体の精神的な受け皿となって、物語に安定感をもたらしている。エピローグもしっかりしていて、なかなかよくできた作品だと思う。
カンニングを洗練された犯罪映画として描くバカバカしさが大成功!
これは本当に面白かった!天才的な学力を持つ高校生が壮大なミッションに取り掛かる。そのミッションとは、カンニング!というバカバカしさがもうたまらない。これが高価な美術品を盗むだの、金品を強奪するだのという話だったら全然面白くない。だってそんなの普通だもの。彼らが真剣に大変なミッションをやっているのだけれど、すべてはカンニングのためであるというところが大成功の元。鉛筆を喉に突っ込んだりしてもすべてはカンニングのため。大金を叩くのもカンニングのため。血を流してもカンニングのため。大掛かりな作戦もすべてカンニングのため。あぁなんて馬鹿らしくてなんて素晴らしいのだろう。
この映画はカンニングの魅せ方がまた上手で実に楽しい。冒頭の消しゴムを靴に忍ばせる一連の展開のシーン捌きでその手際の良さは一目瞭然。それこそ、007のようなスパイ映画を彷彿とさせるようなスタイリッシュさとスピード感があり、その後の様々なカンニング大作戦の演出までその手際の良さは見事に持続。最後の最後までスタイリッシュで洗練された演出。そうしてスピード感あふれる洗練された演出をとればとるほど、そしてそれらの演出が成功すればするほどに、やっていることがたかだかカンニングであるというバカバカしさが更に効いてきてもう最高。
登場人物の捌き方も巧い。主人公の天才高校生のややふてぶてしいような表情や態度もまた孤高の秀才というイメージで個性的に輝くし(手足の長さと顔の小ささでファッションモデルみたいだと思ったらどうやら実際の女優さんはファッションモデルさんだったらしい。納得)、自分が可愛いことを自覚している自己顕示欲のやたら強い(でもマヌケなほど人が好い)女友達のキャラクター性も、そのボーイフレンドの自惚れの強さも、もう一人の奨学生の心理の転換も、さらには主人公の父親(彼の教師である)の描写に至るまで、登場人物の描き込みがもう完璧。カンニングをスパイ映画さながらに見せるコメディだと割り切って開き直るのではなく、細部に至るまでしっかりと練り込んで作っているのが良く分かる。今や伝説の「That's!カンニング」とはわけが違う(ちなみに私は「That's!カンニング」を映画館で観た奇特な人間だ)。
演出・脚本・演技・編集。全体的に良く仕上げられていて、その上で完全なエンターテインメントとしてまとめられている。こりゃ面白いわけだ。
新しいとは思うが
人生いろいろあるよね。コツコツがんばろ
友情、親子愛、格差社会、サスペンスといろいろ盛り込まれている割にはしっかりまとまっている映画。
脚本がよく練られている。ストーリー展開は無理がなく、人物描写も的確で、すんなり入っていけました。
まじめな優等生だったリンが友人を助けようと思って始めたカンニングにはまっていく過程や、大人の不正を知り社会への反感から、さらに大きなカンニング事業に踏み出すところなど観客を裏切りながらも納得の展開。
登場人物はそれぞれに事情があり完全な悪人というのはおらず、現実にもいそうな人ばかり(もちろんデフォルメされてますが私にはいい塩梅でした)
俳優はほぼ新人ばかりということですが、演技がとても自然に感じたのは演出の妙味か。
トレーラーを見ていたのである程度スリリングな展開は予想されたのですが、それを上回るドキドキ感でした。
細かなカットを入れるところなど手法はオーソドックスですが、それだけにかなりしっかり作りこまないと、観客に違和感を抱かせてしまいがち。今回はそれが感じられなかったです。
ただ、自分には効果音が大きすぎて、流れが阻害された場面が度々あったのが残念。
しっとりとした結末も、ハリウッド的な“勧善懲悪!最後は大どんでん返し。どうだ、スッキリしただろ!”といった終わり方が苦手な私には、好感持てました。
よかった
演出が大げさで、見ていてだんだん飽きてきた。作戦を立てて遂行するのは楽しそうだった。頭のいい二人が恋をしないところがよかった。主人公の女の子の顔が、本当に頭がよさそうだったし、友達の美女が頭悪そうだった。勉強教えてやれよとずっと思っていたけど、大学入試は自力でやるしかないとピシャリと言うところがよかった。
社会派エンタテイメント!タイ映画史上№1というレベルでなくスゴイ
たかが高校生のカンニング大作戦に興奮しまくり!
しかも「高校生版 オーシャンズ11」というキャッチコピーを良い意味で裏切る出来ばえ。
ネタバレになるので詳しく書けませんが、脚本は3人がかりで1年半かけたそうです。
3人寄ったら文殊の悪知恵?とでもいうような、練りに練られ、予想を次々裏切っていく展開。
カンニング(=犯罪)が成功するか否か、単純にそこだけが見所ではなく、貧困・格差・学歴・親子関係などなど、いろんな要素が盛りだくさん。
そして悪いことしてるのに憎めないキャラたちを演ずる俳優陣が上手い。
垢抜けない制服姿の地味顔女子高生が洗練されていくのにもドキドキするし、なにげに映像が美しくて印象的。
クライマックスの28分間は、緊迫感のあるカメラワークに息が詰まりそうでした。
面白かった!
お父さん、ごめんなさい。そして、ありがとう。
俳優の演技がみどころ
不正行為が露見するかしないかの瀬戸際感が、俳優たちの演技で素晴らしいものになっている。特に、主人公・リンを演じたチュティモン・ジョンジャルーンスックジンがいい。
金持ちの子弟が通う学校へ転校してきたばかりの幼い彼女から、カンニングを組織化していく腹をくくった様子、そして、絶体絶命のピンチに陥った際の必死の形相。さらには、自分の悪事を認めたうえで前へ進もうとする大人になった表情。この若い一人の女優が全てを短期間で演じていることが驚きである。
また、タネート・ワラークンヌクロ演じる父親が良かった。この俳優は象と故郷へ旅をする「ポップ・アイ」で主演していたが、どちらの作品も印象深い。
東南アジア諸国の作品が本邦で公開されることが増えてきており、その質の高さも定評となっている。つまらなくなる一方の日本、アメリカ、中国の作品に代わってこれからも期待できそうだ。
カンニングから見える格差社会の悪影響
面白かった!
スピード感と緊張感に満ちたエンターテインメント作品だった!
中国で実際に起きたカンニング事件をタイで映画化した作品
天才少女のリンは、高校の同級生グレースを助けるつもりで、テスト中に答えを教えてしまう
すると、リンはグレースの彼氏のパットからも試験中に答えを教えて欲しいと懇願されてしまい…
最初から最後まで「この悪事がいつバレるんだろうか…」と思い、
私も、まるで当事者になった気持ちで、ドキドキしながら観ていた
そして、この映画の面白さは、その緊迫感だけではない
金持ちと貧乏という格差社会の中、
それまでは、金持ちに見下されていた貧乏が、誰よりも努力して満点を連発する天才になった結果、
金持ちが彼らの足元にひれ伏し
「お願いだから、答えを教えてください」と、頭を下げる事態が発生する
そして金持ちたちの願いを叶えることで、貧乏学生たちは一気にスクールカーストのトップにまで登り詰めるという下克上が起きる
その優越感を味わい、その上、報酬が手元に入ってくると、彼らのカンニングはますますエスカレートし、国際犯罪にまで発展していく
ということは、もしも、貧乏な家の子たちが、金の心配をすることなく、満たされた生活を送っていたら、カンニングという犯罪に手を染めることはなかったのだろうか
それとも、満たされた生活を送っていたら、そもそも、勉強でがんばることはなかったのだろうか
いったい、彼らは何のために勉強をしているのか…
この映画は、とてもハラハラドキドキして面白いエンターテインメント作品になっているけれど
その裏側には、そんな社会の不条理があるように思った
そんなに熱心に、綿密にカンニングのプランを立てる時間と頭があったら
勉強すればいいのに…
と単純に思ってしまうけれど
金持ちの学生も、貧乏な学生も
バレるか、バレないかのギリギリのスリルがあるゲーム感覚と、バレなければお金ががっぽり入ってくるという
ギャンブル要素が相まって、アドレナリンが上がっちゃったんだろうなと思った
彼らにとっては、そんなプランを練っている時間が、とても充実した時間だったに違いない
しかし、もしも、それがバレたら人生が台無しになると考えたら、その代償はあまりにも大き過ぎる…
格差社会が生む弊害はいろいろあるけれど、子供たちに与える悪影響の大きさを感じた作品だった
変ってしまったバング。悲しいな
中国で実際に起きたカンニング事件をモチーフに作成された作品。天才少女を中心とした高校生が達が、大学統一入試「STIC」攻略をしようと画策する。
試験でカンニングをする映画と言えば、海外では『Les Sous-doués Passent le Bac(英題:The Under-Gifted、邦題:ザ・カンニング IQ=0)』や、邦画の『That's カンニング! 史上最大の作戦?』がありますが、この作品は、そう言うドタバタする内容ではなく、緻密に、どうやって試験でカンニングしていくかと言う所を描いているところが素晴らしいです。
それと、カンニングに関与する、二人の天才、リンとバングの描写が良いです。特にバング。なんとも悲しいですね。変わってしまった天才君。その所が、この作品に、単なるカンニング映画と言う事以上の物語を付け加えています。
いやぁ面白い!単に、カンニングをする物語と思ったら、きちんと物語が作りこまれていて、紆余曲折があるところが素晴らしいです。論評に“高校生版『オーシャンズ11』”と言う声もあるようですが、それはちょっと違うかな。確かに『オーシャンズ11』と同様に、緻密に作戦を作り上げていくわけですが、結末がね。『オーシャンズ11』は爽快に終わるのですが、こちらは必ずしもそう言う訳でも無いので。
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