バッド・ジーニアス 危険な天才たちのレビュー・感想・評価
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人生いろいろあるよね。コツコツがんばろ
友情、親子愛、格差社会、サスペンスといろいろ盛り込まれている割にはしっかりまとまっている映画。
脚本がよく練られている。ストーリー展開は無理がなく、人物描写も的確で、すんなり入っていけました。
まじめな優等生だったリンが友人を助けようと思って始めたカンニングにはまっていく過程や、大人の不正を知り社会への反感から、さらに大きなカンニング事業に踏み出すところなど観客を裏切りながらも納得の展開。
登場人物はそれぞれに事情があり完全な悪人というのはおらず、現実にもいそうな人ばかり(もちろんデフォルメされてますが私にはいい塩梅でした)
俳優はほぼ新人ばかりということですが、演技がとても自然に感じたのは演出の妙味か。
トレーラーを見ていたのである程度スリリングな展開は予想されたのですが、それを上回るドキドキ感でした。
細かなカットを入れるところなど手法はオーソドックスですが、それだけにかなりしっかり作りこまないと、観客に違和感を抱かせてしまいがち。今回はそれが感じられなかったです。
ただ、自分には効果音が大きすぎて、流れが阻害された場面が度々あったのが残念。
しっとりとした結末も、ハリウッド的な“勧善懲悪!最後は大どんでん返し。どうだ、スッキリしただろ!”といった終わり方が苦手な私には、好感持てました。
よかった
演出が大げさで、見ていてだんだん飽きてきた。作戦を立てて遂行するのは楽しそうだった。頭のいい二人が恋をしないところがよかった。主人公の女の子の顔が、本当に頭がよさそうだったし、友達の美女が頭悪そうだった。勉強教えてやれよとずっと思っていたけど、大学入試は自力でやるしかないとピシャリと言うところがよかった。
社会派エンタテイメント!タイ映画史上№1というレベルでなくスゴイ
たかが高校生のカンニング大作戦に興奮しまくり!
しかも「高校生版 オーシャンズ11」というキャッチコピーを良い意味で裏切る出来ばえ。
ネタバレになるので詳しく書けませんが、脚本は3人がかりで1年半かけたそうです。
3人寄ったら文殊の悪知恵?とでもいうような、練りに練られ、予想を次々裏切っていく展開。
カンニング(=犯罪)が成功するか否か、単純にそこだけが見所ではなく、貧困・格差・学歴・親子関係などなど、いろんな要素が盛りだくさん。
そして悪いことしてるのに憎めないキャラたちを演ずる俳優陣が上手い。
垢抜けない制服姿の地味顔女子高生が洗練されていくのにもドキドキするし、なにげに映像が美しくて印象的。
クライマックスの28分間は、緊迫感のあるカメラワークに息が詰まりそうでした。
面白かった!
お父さん、ごめんなさい。そして、ありがとう。
俳優の演技がみどころ
不正行為が露見するかしないかの瀬戸際感が、俳優たちの演技で素晴らしいものになっている。特に、主人公・リンを演じたチュティモン・ジョンジャルーンスックジンがいい。
金持ちの子弟が通う学校へ転校してきたばかりの幼い彼女から、カンニングを組織化していく腹をくくった様子、そして、絶体絶命のピンチに陥った際の必死の形相。さらには、自分の悪事を認めたうえで前へ進もうとする大人になった表情。この若い一人の女優が全てを短期間で演じていることが驚きである。
また、タネート・ワラークンヌクロ演じる父親が良かった。この俳優は象と故郷へ旅をする「ポップ・アイ」で主演していたが、どちらの作品も印象深い。
東南アジア諸国の作品が本邦で公開されることが増えてきており、その質の高さも定評となっている。つまらなくなる一方の日本、アメリカ、中国の作品に代わってこれからも期待できそうだ。
カンニングから見える格差社会の悪影響
面白かった!
スピード感と緊張感に満ちたエンターテインメント作品だった!
中国で実際に起きたカンニング事件をタイで映画化した作品
天才少女のリンは、高校の同級生グレースを助けるつもりで、テスト中に答えを教えてしまう
すると、リンはグレースの彼氏のパットからも試験中に答えを教えて欲しいと懇願されてしまい…
最初から最後まで「この悪事がいつバレるんだろうか…」と思い、
私も、まるで当事者になった気持ちで、ドキドキしながら観ていた
そして、この映画の面白さは、その緊迫感だけではない
金持ちと貧乏という格差社会の中、
それまでは、金持ちに見下されていた貧乏が、誰よりも努力して満点を連発する天才になった結果、
金持ちが彼らの足元にひれ伏し
「お願いだから、答えを教えてください」と、頭を下げる事態が発生する
そして金持ちたちの願いを叶えることで、貧乏学生たちは一気にスクールカーストのトップにまで登り詰めるという下克上が起きる
その優越感を味わい、その上、報酬が手元に入ってくると、彼らのカンニングはますますエスカレートし、国際犯罪にまで発展していく
ということは、もしも、貧乏な家の子たちが、金の心配をすることなく、満たされた生活を送っていたら、カンニングという犯罪に手を染めることはなかったのだろうか
それとも、満たされた生活を送っていたら、そもそも、勉強でがんばることはなかったのだろうか
いったい、彼らは何のために勉強をしているのか…
この映画は、とてもハラハラドキドキして面白いエンターテインメント作品になっているけれど
その裏側には、そんな社会の不条理があるように思った
そんなに熱心に、綿密にカンニングのプランを立てる時間と頭があったら
勉強すればいいのに…
と単純に思ってしまうけれど
金持ちの学生も、貧乏な学生も
バレるか、バレないかのギリギリのスリルがあるゲーム感覚と、バレなければお金ががっぽり入ってくるという
ギャンブル要素が相まって、アドレナリンが上がっちゃったんだろうなと思った
彼らにとっては、そんなプランを練っている時間が、とても充実した時間だったに違いない
しかし、もしも、それがバレたら人生が台無しになると考えたら、その代償はあまりにも大き過ぎる…
格差社会が生む弊害はいろいろあるけれど、子供たちに与える悪影響の大きさを感じた作品だった
変ってしまったバング。悲しいな
中国で実際に起きたカンニング事件をモチーフに作成された作品。天才少女を中心とした高校生が達が、大学統一入試「STIC」攻略をしようと画策する。
試験でカンニングをする映画と言えば、海外では『Les Sous-doués Passent le Bac(英題:The Under-Gifted、邦題:ザ・カンニング IQ=0)』や、邦画の『That's カンニング! 史上最大の作戦?』がありますが、この作品は、そう言うドタバタする内容ではなく、緻密に、どうやって試験でカンニングしていくかと言う所を描いているところが素晴らしいです。
それと、カンニングに関与する、二人の天才、リンとバングの描写が良いです。特にバング。なんとも悲しいですね。変わってしまった天才君。その所が、この作品に、単なるカンニング映画と言う事以上の物語を付け加えています。
いやぁ面白い!単に、カンニングをする物語と思ったら、きちんと物語が作りこまれていて、紆余曲折があるところが素晴らしいです。論評に“高校生版『オーシャンズ11』”と言う声もあるようですが、それはちょっと違うかな。確かに『オーシャンズ11』と同様に、緻密に作戦を作り上げていくわけですが、結末がね。『オーシャンズ11』は爽快に終わるのですが、こちらは必ずしもそう言う訳でも無いので。
期待してたのと違うのん
あらすじと評判で気になってはいたけど新宿のみの上映のようでスルー、
いつからか近くの映画館でも上映し始めてたのに気付いての鑑賞でした。
物語の運びは丁寧でテンポも悪くはなく、最後まで時間を気にせず見れた点は○。
唯一気になったのはストーリーで、悪い意味で思ってたのと違うなーという印象。
オーシャンズ11的な娯楽映画を期待していたところ、実際にあった事件が元になっているためか
真面目に淡々と進んでいくのでちょっと拍子抜け。
大きなアップダウンの無いストーリーを演技や演出で上手く味付けしているような印象でした。
決してつまらない訳ではありませんでしたが、唯一後悔している所は
1バーツが何円か調べないでの鑑賞だった事。
この後に見られる方はしっかりと調べてから鑑賞することをお勧めいたします。(3.5円)
すごく面白かった!
最後のカミングアウトで全てが納得いったけど、やはり金の力は恐ろしい!
駆け引きや裏切りもあったり、信頼を失ったり。
カンニングは中国らしい文化だけど、
やっぱり良くないね!
っつーか、ピアノ弾く動きとか顔や目の動きとか試験監督者が気づかないのは鈍感すぎます。
サスペンス映画ということで
実話を元に なんて言われれば納得ですが
創作ならば着想に興味をそそられますけど
何か散漫な感じ
青春映画? 恋愛モノ? 本格ドラマ?
何かモヤッとしてる
ならばサスペンスにしよう
実話を元に なら全て納得なんだけど どうなんですかね
単館上映なのがもったいない
かっこよくて美しいカンニング法にびっくりしました。
学歴重視で、カンニングが横行しているタイだからこそ生まれた映画ですね。
日本人の感覚ではカンニングは悪いこと、ですが、それが当たりまえの中では学力でしか図られない生活からの憤り、貧富の差、上位に上がるための手段と金銭取得するための手段、国の内情をよく表している社会派ドラマでとても興味深かったです。
そして役者!すばらしい!メインの4人の顔が本当によい!
どの人にも思うところがあって、感情移入できます。
特に主人公は演技が初めてと思えないほどの存在感と求心力で、本当にすばらしく、物語と映像と相まって本当におもしろかったです。
スタイリッシュでスリリングな映像に興味深い脚本、答える役者、とても面白い映画で、単館上映なのがもったいないと思いました。
お金とテストの結果次第という社会へのメッセージ
カンニングを題材としたクライム・ムービー。しかも、カンニング「するほう」ではなく、「いかにさせるか」に焦点があり、その点で「オーシャンズ・シリーズ」に似ている。
舞台は、いわゆる金持ち私立校。
主人公は成績優秀だが、父子家庭で育ち、家計は楽ではない。主人公のライバルでもある秀才男子もまた母子家庭で家業のクリーニング屋を手伝う苦学生だ。
初めは友人を助けるためだったカンニングも、やがて、その「対価」を得るようになり様相が変わっていく。
主体性は、「させるほう」にあるのか「するほう」か。
友人と主人公、主人公とライバル。カンニングを軸に変化する関係性を、合わせ鏡や面接シーン(イスに座る)など、同じモチーフの繰り返しで表現する演出が上手い。
そして、この映画では、常にお金と成績(テスト)が人の関係性を変化させている。その点で、本作が描き出しているのは実社会の反映に過ぎず、それが子供たちにも投影されるというメッセージは痛烈だ。
映画はテンポよく進み、飽きさせない。
もともとテンポがいい上に、クライマックスではさらにスピードアップしたタイムリミット・サスペンスへとなだれ込む展開も見事。
その後半でのカットバックほか、スローモーションやクローズアップなどオーソドックスな画面作りを多用。多少、芝居がかったようにも見える演出は分かりやすい。
エンタメ度が高い上、学歴社会、格差社会へのメッセージ性もあり、良作。
私にとっても「ええもんひろうた!」と言いたい。。
この作品を、もう一度思い返してみれば、私も「ええもんひろうた!」と言わざるえないし、これこそ映画の作品を見る「醍醐味」と言える。出演者のキャラがはっきりしていたし、飽きさせない作品だと思う。
ラスト、リンの父親が彼女が言った一言。リンがバンクと撮ったシドニーの「一枚の写真」を「削除」するか悩む場面に、グッとさせられた。
タイ国における「STIC」とか「試験制度」は一寸戸惑ったが。リンの才能をほかのことに活用出来なかったのか。今後、リンとバンクの人生の行く末を、描かれていない点は非常に残念でならない。この作品の前半の「カンニングの手法」は、プロローグとして解釈した。パットとグレースのコミカルなところは、「笑い」の随所に散りばめられている点も、ぬかりがない。後半の試験官とリンとの「おにごっこ」は、ハラハラさせられる。作品をグイグイひっぱていく力があった。
此処まで「高校生を追い詰める」という点では、タイ国における教育界に一石を投じたのではなかろうか。見る者に「なにがしかの(教育における)課題」を与えたような気もする、リンが高校1年から3年まで成長していく過程も、垣間見える。
発展途中にあるタイ国の映画作品を拝見できたことは、私には一寸した財産である。
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