「カンニングと国の背景」バッド・ジーニアス 危険な天才たち Cさんの映画レビュー(感想・評価)
カンニングと国の背景
タイ舞台だけど、実際に起こったのは中国ってことを後に知って少し見方が変わった。
タイだとしたら結局どんな秀才であっても家庭環境、貧困の差からお金が重視されるんだろうな、と感じさせる映画。
まぁどちらにせよ、学生の小さな金儲けから始まる、このカンニング映画。
ずっと周りの大人たちにバレないか、ハラハラドキドキさせられっぱなし
秀才のリンがどうやって同級生たちに答えを伝えていくのか、ピアノのキーを暗号化したり、STIC?の解答では鉛筆のバーコードを暗号化したり、発想はいいと思う。
一番残念なのはライバル秀才のバンクが最後に落ちぶれてしまうこと。
これも事実に基づく人物だったんだろうか。
母と2人で小さなクリーニング屋を営み、生活はいっぱいいっぱいの日々。
STICで得た報酬であろう、最後には新品の洗濯機何台もずらっと、新品バイクまで店に置かれる。
そしてリンにも俺らの頭はこれからもっとたくさん稼げる、とけしかける。
あぁ落ちぶれてしまったなぁ、金に目が眩んだか、
もう海外留学とかどうでもよくなってしまったのか、
これが社会背景なんだなと感じた。
どんなに秀才でもそれを良い事になかなか発揮されない国事情なんだな、と考えさせられるシーン
それでも主人公は自ら考え直し、自白をして公正しようと努力していくラスト。
もう海外留学のチャンスはないだろうし、地元にいる限り、悪魔のささやきで儲け話を持ちかけられたり、今後の人生もきっと茨の道になっていくだろう、
それでも父の背中を見て地道に努力し、教師になることを志す。色々と目移りすることはあるだろうけど
さらになんとか大学合格できたパット?たちもパーティーで騒いではいたが、ラストでリンが縁を切ったことで落胆するシーン。
カンニングで一瞬の親からの信頼は得られたかもしれないが、自分たちが一度も努力をしてこなかった見返りがこれからくることを物語っているような表情で、
皮肉ながら面白かった。