劇場公開日 2018年9月22日

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「スリルある一本」バッド・ジーニアス 危険な天才たち サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5スリルある一本

2018年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前半はちょっと危険なカンニングアルバイト。それほど珍しくはない学園もの。しかし後半にはスパイ映画も驚きのスリルを味わえる。

正直、主人公リンの冒頭の天才エピソードにはそれほど感心しなかった。ちょっと金勘定がシビアな女子として少々手あかがついた表現だったように思う。しかし、カンニングアルバイトが始まってからは天才ぶりをいかんなく発揮していた。絶対にばれないような手口の意思伝達法を思いつき、それを実行する胆力。まさにあっぱれ。
そして、アルバイトが学校にばれてからもよい。彼女が尊敬していた父親から失望されるシーンには非常に心を痛めた。しかしそれでも危険なアルバイトはやめられなかった。顧客のために一世一代のカンニングを敢行するのだ。

ここからが痛快で、ワクワクして、手に汗握る大活劇の始まり!
拍手を送りたくなるパットの演説。着々と進むカンニング計画。伏線の回収、計画の危機。つかの間の休憩を経て、いざ本番へ。
本番からは息をつく暇もないほどに緊張しっぱなしだった。どうやってトラブルを回避するのか、どうやったら最後まで完遂できるのか。ずっとハラハラしながら見守っていた。

無事にカンニングが終わってからの、リンの心の変化も胸を打つものがあった。だから最後の最後で、これはやはり青春ものなのだなと感じた。
しかし、オチはあまり好きではない。どうせなら「帝一の國」のように野望に燃えたエンドにしてほしかった。ちょっと納得がいかない。

サブレ