万引き家族のレビュー・感想・評価
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凄まじいインパクトを貰える映画
インパクトのある場面ばかりだった。スーパーで万引きしたり駐車場の車の窓ガラスを割る場面からコロッケを買う場面まで。季節は冬から夏か。元から貧乏だった家族は劇の終わりに向けて不幸な出来事が重なり家族の状況は苦しいものとなる。家の中は薄暗くこの家族の存在を体現しているかのようだ。所々これはPG12でいいのかと思うような箇所もあるがより多くの観客に見てもらおうという気持ちからなのではないかと推測する。しかしこの作品が地上波放送されるのが待ち遠しい。
おためごかしでも家族は家族。絆は絆。愛は愛。
子どもを万引に利用する。自分の身が危うくなれば子どもを見捨てて逃げる。お婆さんが死んでも届け出ずにそのまま年金をもらう。相手のためではなくて、自分の寂しさを埋めるために、生活をともにする。筋書きだけを追っていくと「この疑似家族に本当の絆なんてなかった。」という結論付けもできるだろう。でも『自分を犠牲にしてでも相手を思いやることができなければ、「絆」がない』なんて誰が言えるだろう?そんな高潔な人間がどこにいるんだろう。自分が損なわれない範囲で相手を大切にするということは、相手を大切にしないよりずっといいことじゃないか。寒い冬に家出した少年を迎えに怪我した足を引きずって迎えにいく父親のシーン。音だけの花火を聴きに家族全員で縁側から顔を覗かせるシーンには、確かに愛や絆があったと思う。愛や絆は、ニュースや取り調べで掘り出された後付けの筋書きじゃなくて、瞬間瞬間の細部に宿るものだから。
物語としては不満
まさに兄祥太くんの心の機微が伝わってくる映画でした。
絶対的存在であった父リリーフランキー、
ひいては家族、そして万引きをする倫理観と
偶然出会った(拾ってきた)
妹ゆりちゃんへの兄としての自覚が交錯し、彼が大きな決断をする展開…
皮肉にも、ゆりちゃんがいなければこの家族はずっとこのままだったかもしれないし、結局ゆりちゃんは元の家族に引き取られる。ゆりちゃん視点では万引き家族と虐待家族どちらが幸せだったのかはわからない結末…彼女の中で祥太が生き続けて欲しいです。
一方で、
人の感情の撮り方、またその描写シーンにはとても引き込まれました。
濡れ場のシーンは、まさにちょうどコトが終わった後、祥太とゆりの二人が雨の中帰ってくる。そこで家族4人が家族になった印象を受けました。
お父さんからおじさんになる祥太の気持ちの前後、
ゆきだるまのシーンでの頭がもげてしまった表現も印象的でした。
視点により、結末に不幸感、幸福感の違いがでる映画だと思いますが、とても心を揺さぶられた素敵な映画でした。
意外性はないけれど面白かった
ストーリーが淡々と進むので飽きてきます。
途中で最後の内容が分かってくるので、意外性は無かったです。
映画館で観てから3週間たちましたが、樹木希林さんの海のシーン、リリーフランキーさんがバスを追いかけてるシーン、子役の男の子、安藤サクラさん、いろいろなシーンが頭に浮かんできます。
ストーリーよりも、ひとつずつのシーンが良かったですね。
「誰もしらない」ほどのインパクトは無かったし、号泣するような感動も無かったですが、静かに心にしみた映画でした。
観て満足
面白くないハズはないと思って観た。
当然ながら、面白かった。
物語の始まりは虐待女児を拾ってきてからで、そこから思っていた以上に丁寧に構成されていた。本来なら飽きちゃうところなんだけど、女児が入ってきたことで起こるリトマス的リアクションが心地よく楽しく観れた。勉強になったのは、息子が成長するにつれて感じる万引きへの違和感が、ある種のタイムサスの様になっていて、間接的に焦燥できる面白さがあった。
ゴミ屋敷
昔観たテレビで、ゴミ屋敷の住人が「物が捨てられているのを見ると可哀想で、つい拾ってくる」と言ってた事を思い出しました。
万引き家族は、家族にも社会にも捨てられた人間を「可哀想だから」という理由だけで助けて拾ってくる人達のお話です。それはまるで昔から日本に伝わるお伽話のよう。お伽話には、人や色々な動物を助けるお話しが沢山あります。「助けあい」はずっと昔から物語の中心にあり続けました。今は少しだけそれを忘れてしまっているだけ。多分、お金の損得を考え過ぎてしまっているだけ。
「可哀想だから」
きっと私も誰かを助けたいんだ。誰かに助けられたいんだ。そんな温かさの残った現代版お伽話は、時間が経てば経つほど私を優しさの中に誘います。今年アカデミー賞を受賞した「シェイプ・オブ・ウオーター」もマイノリティがマイノリティを助けるお話しでした。国を問わずに今求められている声なのかもしれません。
偽物と本物とは
いきなり万引きをする父と子から始まる。
手際よく商品をカバンの中へ入れていき家に帰ると、小汚い家で盗んだもので食事をする家族の姿が。一見万引きをして生計を立ててる貧しい家族。実は全員血の繋がっていない疑似家族ですが、みんなで海に行ったシーンは本物の家族以上に家族で、全員が幸せの絶頂にいたのだと思う。しかし幸せは束の間で、一気に下り始める。嘘はいつかバレるように、虚は真になりきれないように犯罪で繋がる疑似家族が本物の家族になりきれないように。
しかし妹が生まれてから妹にだけ愛情が注がれ家を出て初枝の元へきた亜紀や虐待されていたじゅりなどは特に、この家族と過ごした日々や愛情は本物の家族より大切なんじゃないかと思う。
じゅりは後半のシーンで信代が教えた数え歌を歌う、それがまたあの家族で過ごした日々を尊く思っていることを思わせる。
ラストは全員自分の気持ちをあまり語らないまま終わるがそれも含めこの映画らしくて個人的には好きな終わりだった。
予想通り
カンヌのパルムドール賞を取り話題になり映画館で観ないと一生観ないと思い鑑賞。
家族の物語で大きな山場もなく何を伝えたいかもわからず終了した。
ほかのレビューなど読んでいくとそうゆう解釈もあるのかと思い、楽しめなかったのは自分の捉え方の問題なのかなと感じた。
残る映画
賛否両論 色々ありますが、その人達を責められないような…あんたは正しいのか?って突きつけられる思いになる。
役者陣のせいか、是枝監督だからか、下品にならないのですよね。
樹木希林の老婆は、もう本当に凄いです。高齢者の施設に行ったことがある人ならわかるでしょう。リアルに沢山いるお婆さんです。
映画を見に行く人の大半が 高良健吾であり池脇千鶴でしょう。正しく生きています。私も。
では、リンは親元に戻されて幸せなのか?
ラストシーン、リンが見つめる先にあるものを考えさせられました。
観たあとに、心に何かが残る映画でした。
『親からの精神的自立』
★親から精神的自立ができていない大人がたくさんいます。
👨ラスト男の子は万引き家族から自立します。
👧女の子は家族から生き残り自立できるのか?
家族にコロサレル❗
悲鳴がキコエル❗
考えてしまう。
生々しい。
救いは誰にもなかったと思う。
本当の「家族」とはなんなのか、観終わった後に嫌でも考えてしまう。血が繋がってるから一番なのか。本当の親が一番なのか。答えは一つではないのは分かっているが、一つじゃないのがもどかしい。その辺りの判断なんて家庭内が世界の全てである幼い子供らに分かるわけがない。祥太は正しいものが分からなかった。あの家庭で育ったからだ。だからおじさんの言うことを信じるしかなかった。本物の祥太は親として教えられることが犯罪しかなかった。信代も真実を子供に押し付けて終わった気になっている。あれが祥太の解放なのだろうか。あきの親は娘は留学中だと見栄を張り、リンには救いもない、本物の親は何も変わっていないからだ。
犯罪の上での家族ごっこは虚しいことこの上ないし、それが救いだと思ってビー玉を数え歌で拾うリンも哀れだと思ってしまった。
色々考えてしまう映画だった。考えがまとまらない上、考える程に気分が沈んでしまう。
彼等はどこにいるのが正しかったんだろう。
寄せ集めの家族
万引きしながら生き延びている家族の話かと思ったら、血の繋がりの殆ど無い人間の寄せ集めだった。一般的な家族の話では無かった。でも、確かにこの人達の間には、暖かい絆の様な物があり、困っている子供を助ける優しさがあり、児童相談所の人達や警察に責められて苦笑いする大人たちの弱々しさが切ない。世間が考える家族では無かったけれど、一つの家庭を作って守ってきた人達なのに。警察に子供になんで呼ばれていたと聞かれて、なんだったんでしょうと泣く信代、もうお父さんやめておじさんになるねと言った治。なぜ息子に自分の本名の翔太とつけたのか。一筋縄ではいかない人間の苦しみみたいなものがあった。
スイミー
日本の社会問題がたくさん詰め込まれていますが、
暗すぎず、
暖かいシーンが多かったのがよかったです。
是枝監督の映画は、生活感や季節感が
とてもよく伝わってきます。
リンちゃん役の女の子の
表情、話し方、間の取り方が印象的でした。
祥太くんが音読していたスイミーの一節、
「持ち場を守って、決して離れず、
みんなそろって泳ぐんだ」
曖昧ですが、なるほどなぁ〜と。
すべてを肯定できる家族のあり方ではないと
思いましたが、今は、ひとりひとりの視点で
この血の繋がらない家族のことを考えています。
個人的には最後は希望を感じる終わり方で
よかったです。
演技と演出と美術で感じさせるリアリティー
安藤サクラだ。
少女を後ろから抱きしめ、頬擦りする暖かさ。
下着もあらわな姿でそうめんをすすり、それを見たリリー・フランキーが欲情するより先に男を押し倒して上になる発情。
極めつけは、池脇千鶴捜査官の前での涙。
「誰も知らない」の母親YOUは、いわゆる男依存症で、子供たちにいい子でいるように言いきかせて男の元に行ったまま放置する。
たまに帰ってくるのだが、そこでは思いの外子供を可愛がる。
母親と子供たちがふれあう場面は前半の短い間しかないが、そこでは子供を愛する母親ぶりが描かれている。
後半で、置き去りにされても尚、母親を慕う子どもたちの姿から、
可愛がったり放棄したりする母親の身勝手さの罪深さが強調されていたように思う。
「万引き家族」の母安藤は、やはり社会的にはずるい生き方をしているのだけれど、肩寄せあって生きる疑似家族の関係を大切にしている。
子供が実の親から虐待されるなら、その親から引き離して自分が愛してあげたいと思う。
父フランキーは、それほど意思が強いわけではなく、むしろ子どもと同じ立ち位置で「仲間」くらいの意識なのではなかったか。
少年に「父ちゃん」と呼んで欲しがっている子供オヤジだ。
「誰も知らない」では母YOUの目線は描かれていない。
一方、「万引き家族」では、母安藤の「子どもから選べない実の親よりも、自分で選んだ親の方が良いのだ」という意識が明示されている。
しかし終盤、刑務所に面会に来たフランキーと少年に向かって、私たちじゃあダメなんだよ(実の親でなければ?)と、悟ったような台詞を安藤に言わせるのは、家族に血のつながりは必要か?という問いかけが主題だと思わせておいて、梯子を外されたようだ。
他の出演者たちもすべからく素晴らしい。
樹木希林、柄本明は相変わらず見事。
リリー・フランキーは、どこに行っても素の演技で、是枝演出に合っている。
美術も素晴らしい。
あの家族の住まいのリアリティー。
少なくとも外観はロケーションのようだから、探したスタッフもたいしたものだが、家の中は、実際にあのような家族がいたかのようだ。
強い絆で結ばれていたかに見えた疑似家族は、結局バラバラになり、それぞれが信じてしがみついていた何かは、消え去ってしまう。
なんとも残酷な結末は、是枝監督のリアリストぶりがなせる業か。
「誰も知らない」のラスト、あの子達、そして女子高生は、この後いったいどんな人生を送っていくのだろうかということが、暫く頭を離れなかった。
「万引き家族」のラスト、少年と少女に待ち受けているのは悲惨な未来しか想像できない。
それが、無性に悲しく、やりきれない。
最後に、松岡茉優の女優開眼を高く評価しておきたい。
少年よりは…
久しぶりの劇場鑑賞です。土曜でしたが客が多くてびっくりしました。シートがもっと広ければなぁ。
是枝作品は初見です。偽物家族が本物家族に勝る。新味のないテーマですね。でも普遍的かな?
亜紀の家族はなぜ捜索願いを出さないのか?治と初枝はほんとの親子なのか?住んでた家は初枝の持家なのか?よくわかりませんでした。
樹木希林のちょっとボケたような演技、安藤サクラの泣く演技、よかったです。松岡茉優のエロシーン、度肝抜かれました。意外にグラマー。カンヌはやっぱりエロシーンは要るんでしょうか?w女優の体を綺麗に撮ってましたね。
信代たちが人を殺してた設定は余分だと思いました。
クライマックスの祥太が捕まったシーンの後は冗長に感じました。
じゅりのシーンで終わったのにはちょっとあざとさを感じてしまいました。
カンヌで最高賞をとれなかった大島渚の「少年」の脚本の完成度には及ばないように思いました。
とにかく安藤サクラが素晴らしい!
決してきれいなお話ではないし、好き嫌いははっきり分かれると思いますが、みんな演技がうまい。
中でも安藤サクラの演技は光ってます
手のひらで顔をこすりながら泣くシーンは、号泣でもなく、きれいな涙でもなく、ふいに感情が込み上げてきて、あたしなんで泣いてるんだろう。悔しいけど涙止まらないわ感が実に自然だった
この人すごい!すっかりファンになってしまいました
意図的に底の浅い貧困から、考える。社会問題。
基本的に日本の貧困なんて、たかが知れてると思う。
今、体さえ健康なら、仕事なんていくらでもある。
建前言うな!って意見もわかるけど、
生きるために、なんでもする覚悟あればの話だけど。
なんでもっても、犯罪じゃないよ。
ひとつ例を挙げれば、殺人の犯人が、何年も普通に仕事して、何年も潜伏してたじゃないですか。
そんな日本社会の問題と、家族の本当の絆とは何か?
を考える映画なんじゃない?
他人だけど家族を明るく描くと、海街ダイアリーになり、
社会問題とからめると、万引き家族になる。
貧困とか、虐待とか、本当に解決したいなら、
政治家か、官僚になって
根本、法律から変えるしかない。
いろいろ問題もあるけど、社会的に救いの道は結構あるよ。
映画では、フランキーが実際、事件発覚後になんらかの支援により、家に住み、生活してた姿描いてた。
もちろん、解決すべき問題も多々あるのも事実だけどね。
あと、自分に今すぐ自分に何が出来るか?
って問題意識持ってた、立派な人も、いるみたいだね。
簡単に出来事の一つは、挨拶。
ひとり暮らしのご老人に、こんにちは!
子供の通学時に、おはよう!
すべては、そこからスタート。
ご近所づきあいの、大切さと、面倒くささ
を、見直して、良い折り合いの付け方があればなー。
お役所仕事と、馬鹿に、しがちだけど、
役所の人も、民生委員のひとも、結構相談に乗ってくれるよ。
映画としては、演技みんな素晴らしかった。
それだけでも、見る価値あると思う。
子役の自然な演技は、特筆もの!
安藤、松岡も、評判どうり良い!
で、星4つです。
容赦ない子どもの目線
よくこの映画を『御涙頂戴』とかいう人がいるが、しっかりと見ていないのでは?
本編で描かれているのは胸が詰まるような生々しい子どもの成長だ。
多くの方が丁寧なレビューをされていると思うので個人的にグッときたところを1つ。それはしょうたもりんも自分にとってのあるべき家族の形を模索し始めるところ。
しょうたは万引き一家の歪さに気づき、りんは元の両親に違和感を覚える。特にラストのりんの目線にその強い思いを感じた。
何度も見返したいほどのディテールが作り込まれた秀作です。
最高にイミフ
ネグレクトされた子供を盗んで耄碌ババァの家(他人)に寄生している底辺カップルの話(意味不明)
ババァはと言えば旦那に棄てられた腹いせに再婚した旦那の孫を何故か自分の下で生活させている(意味不明)
やたらとババァに懐いてるオーストラリアにいるはずの旦那孫(風俗嬢)
設定が無茶苦茶なのに伏線回収も満足に出来なく、R15指定くらいの映像も出るわもう滅茶苦茶です。
「盗んだのは絆です」もう意味不明過ぎて腹痛い。
正直。暗いしこんな家族が何がいいの?
最初から最後まで、正直。意味がわからない。何で、カンヌで受賞をしたのかが、意味が不明。 これを観て万引きをする人達が必ず増えるし、万引きの仕方を教えているようなものだと思います。
唯一。素晴らしかったのは樹木希林さんの貧乏なおばあちゃんの役の演技力を高く評価します。
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