万引き家族のレビュー・感想・評価
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いけないことだけど、切ない
おばあちゃんの年金を頼り
足りない分は夫は日雇い労働しながら息子と万引き
妻はクリーンング屋で働き(パート)
妻の妹は風俗で自分の小遣いかせぎ
なのだが
それはふりであって
万引き家族と言うか偽物家族
血は繋がっていないが
みな訳あって家族同様に暮らしている
しかし 貧しくて汚くて狭い家の中なのに
楽しい家族の団欒が繰り広げられ
本当に偽物家族なの?思えるほど
さらに夫は虐待されていると思われる少女を
家に連れてくる
見て見ぬふりする現代の中 夫は少女を連れ帰る
そこには損得はない
しかしその少女によって家族に試練が訪れるのだが・・・
スマホもゲームもお金もない
しかし 彼らは心でつながり
見ていてほのぼの 楽しくなる
次第に明かされていく彼らの過去が
その暴かれ方が うまい!
つらい 悲しい・・・
是枝監督 卑怯でしょ(笑)
どうして こういう生き方をしたのか
いや できなかったのかが
次第にわかってきて 観ているものの心に刺さる
人の暮らしは外から見るだけでは
わからない事が 多く存在するのだなと
考えさせられる作品だった
それと女優安藤サクラが大好きな私は
今回はどんな演技を観せてくれるのかが
とても楽しみだったが
見事に期待をはるかに裏切り
クライマックスの彼女の演技に
心の中で拍手喝采 涙の嵐でだった
池松 壮亮(大ファンです)ほんの数分の出演でしたが
彼の演技は素晴らしい!!
これからもとても 楽しみな役者だ
スマホやゲームよりリアルな人との繋がりが
大切だなとも思わせる作品で
とても良かった
しかし
ラストはせつないなあ・・・
彼らの幸せを願う
家族と呼んで
祝!日本映画21年ぶり!
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞!
…でなくとも見たいと思っていた。
何故なら、自分にとって是枝裕和監督作品は10割バッター。
本作製作のニュースを聞いた時から期待していた。
親に棄てられた幼い子供たち。
胸の内を開けばチクチク本音が溢れ出す家族。
子供の取り違え、異母姉妹、血の繋がりの無い家族…。
これまで様々なカタチの家族を描いてきた是枝監督だが、本作でもまた、異色のカタチの家族を紡ぎ出して、問い掛ける…。
父、母、祖母、若い伯母、男の子が一人。
東京の片隅でひっそりと暮らす、一見普通の5人家族。
真面目に働いてもいるが、彼らには家業がもう一つ。
万引きであった…。
冒頭からちょいとドキドキの万引きシーン。
一方が店員らを監視し、注意を反らし、合図する。
もう一方が“願掛け”をし、盗む。
その鮮やかな手口!
…いや、誉めちゃいけない。立派な犯罪なのだから。
でも、作品の掴みとしてはバッチリだ。
彼らが盗むのは、小品小物ばかり。
しかしある日、とんでもないものを盗む。
“仕事”を終えた冬のある夜、アパートのベランダに放置されている幼い女の子を見つけて、家に連れ帰ってしまう…。
作品の本筋については後ほどじっくり考えを巡らせながら語るとして、まずは、
毎回毎回キャストが名演を見せる是枝作品。今回も見事なアンサンブル!
リリー・フランキー、樹木希林、是枝作品常連が是枝ワールドに居るこの安心安定感!
自然体のリリー、希林おばあちゃんはもはや鉄板!
是枝作品初参加の安藤サクラ、松岡茉優。
安藤サクラがさすがの巧さを見せつける。グッとさせられる、引き込まれる名演が要所要所、多々。クライマックスの涙ながらのあるシーンがもう…。
本当に彼女には今、日本映画の女神が降臨しているとしか思えない。こりゃまた、キネ旬主演女優賞獲るわ。
メキメキ実力と評価を高めていく松岡茉優も、出番はそんなに多くないが、アンサンブルの一人に徹し、また、あるバイトで際どいシーンにも挑み、見事!
子役が名演を見せるのが是枝作品の見所の一つだが、本作も言うまでもなく。
堂々した演技を披露した男の子。
難しい役所を見事演じた女の子。
実質、この二人が主役のようなものだ。
彼らが暮らす家。
狭くて、汚ならしくて、物が無造作に置かれて散らかってて、臭いまで漂って来そう。
夏なんかは汗だくだく。
とてもセットとは思えないほど、日々の生活が染み付いている。
レトロで何処か昭和のような面影を残す町並み。
東京にもまだ潜り込めば、こんな風景が残されているとは…。
ここ最近の是枝作品の中でも、規模的にも題材的にも最も小さく、地味。
初期の頃のインディーズ作品を思い出した。
またあの頃のような作風を見れるのは嬉しい。
栄えある賞を獲ったからとは言え、こういった地味だが良質の作品が全国規模で公開されるのも喜ばしい。日本映画だって、アニメや漫画実写ばかりじゃない。
演出手腕も唸らずにはいられない。
前半は、淡々と家族の日々の営みを見せる。
そして後半は…。
ある事をきっかけに、彼らの穏やかな暮らしが崩壊し、この家族の秘密が明かされていく…。
本作製作の着想は、年金受給者の死を隠し、不正に年金を受給し続けたという事件だとか。
勿論それにも触れられるが、それともう一つ、タイムリーとしか言えない最近ニュースを騒がした事件も彷彿させる。
彼らが連れ帰った女の子は、明らかに虐待を受けている。
冬の寒い夜にベランダに放り出し、身体には痣…。
そんな子供を見るのは痛ましい。
手を差し伸べ、助けてやりたいと、常人なら誰もが思う。
でもそれが、警察とか福祉の人とかとは決して限らない。
連れ帰った彼らのした事は、無論犯罪だ。誘拐に該当する。
法を犯したいけない事だとは分かっている。重々分かっている。分かっているのだ。頭では…。
でも…
子供を虐待する本当の親。
頭を撫で、抱き締め、温もりを与えてくれた他人。
どちらが正しいのか。
この家族の“秘密”もそうだ。
公開されたばかりの話題作故、その核心はネタバレで言えないが、端から見れば普通じゃない。
法を幾つも犯している。軽犯罪どころか、重犯罪も…。
これで家族と言えるのだろうか…?
そもそも、家族とは何なのだろうか。
血縁上の繋がり。
しかし、血が繋がり、一緒に暮らしてはいても、家族とは呼べない家族がこの世にどれほど居るだろうか。
確かにこの家族は普通じゃない。
子供に万引きすらさせる。隠し事がある。と言うか、それ以前に…。
が、バラバラだった者同士が集い、営み、繋がり、温もり…。
それらは全て、家族である大前提ではないか。
この家族が幼い子供二人に及ばした影響は計り知れない。
しかしそれは果たして、悪影響だけだろうか。
一緒に暮らした日々…。
それはいずれ、この子供たちが成長する上で、きっと…。
ラストシーンまで、本当に色々考えさせられる。
明確な答えなど無い。
だからこそ暫くは、またふと思い出し、思いを馳せてしまうだろう。
人によって良い悪い、感じ方考え方もそれぞれだろう。
家族とは、育まれるもの。
私はひと時でも、彼らをそう呼びたい。
先日観た『孤狼の血』の白石監督作をよくご贔屓で年間BEST候補の一つに挙げてしまうが、是枝作品もそう。
本年度BEST候補の一つ!
安藤サクラに今、日本映画の女神が降臨しているのならば、是枝裕和監督にはここ数年ずっと、日本映画の神が降臨し続けているようだ。
もっとディテールにこだわって欲しかった
社会の底辺の人々をドキュメンタリー風にリアルに描写し、見た者に問題提起をするのが是枝監督の手法だと認識してるので、あの終わり方はありなのかなと個人的には思います。丁度あの悲惨な事件が報道されたタイミングと重なったので、より突き刺さるものがありました。
ただ、一箇所だけいただけなかったのは、リリー・フランキーの松葉杖。松葉杖を一本で使うときは怪我をしていない方で使います。スタッフたくさんいるだろうに誰も気づかなかったんですかね?リアルさを追求する是枝監督にあるまじき失敗で、少し冷めてしまいました。
実際の情景描写は…。
みなさんがご意見されていますように、中々理解に及ばないギャップと言えるものがありました。日本の社会的における層を区分けすることが自分もよくわからないのですが、僕自身もっと低層なので、リリーさんが取り調べ後にフツーにそこそこの家に住んでいる設定を受けて、「どうしたらそこに住めるの?」的な疑問が生じました。共同生活を楽しんでいる血が繋がっていない家族じみた構成は自分もちょっぴり経験がありますが、かなり気を使うのでめっちゃしんどかった。他人同士で住む違和感や押し付け感を超えて家族みたいな助け合いが生じてくるきっかけをほんの少しでも見せて(魅せて)欲しかったなぁー。役者さんのそれぞれは、本当にそこいらに居そうな感じで、お名前を知っていても役者さんのイメージが先行せずに入り込めました。樹木希林さんは凄い。本当にそんなお婆ちゃん居ますから。笑
芸術性なカットとか、それ以上は観客本人で考えろーーーとかの表現方法はある意味凄いんでしょうけど、どんな世代が見ても共感やじんわりくるジブリ的とは言いませんが、わかりやすさがもう少しあってこそお客さんや映画館に足を運んで観てくれる人に伝わりやすいのかなぁーなんて思います。
是枝さんのような映画監督がいてよかった
見る人によって見る観点と深度が大きく変わる映画だと思いました。5歳の子どもと10歳前後の子どもでは、親に対する愛着や視点は大きく違っていて、それがラストに浮き彫りにされていたような気がします。「僕を置いて逃げようとしたの?」「…そうだったな」や、「これからはおじさんと呼んでくれ」「…そうする」といった会話や表情がとても切なかったです。そういう風に生きていくしかできない人や、社会的に上手に生きているように見える人でも何かを省いて平静を保っている人もきっと少なくないのかなと思いました。翔太と治のバスのシーンが忘れられません。翔太はこれからどう治と関わっていくのかな。
安藤サクラ名演
貧困層の生活が現実感を持って映像化されている(狭く乱雑で不潔な部屋で暮らし、カップラーメンを食べる)最初は社会の底辺の生活の苦しい、怠惰で万引きを平気で子どもにさせる、クズだけれども愛情はある一家と思っていたけど、だんだん互いの関係の不自然さがわかってくる。ミスリードが上手い。お婆さんが亡くなるあたりから夫婦の暗い過去が表に出て来る。安藤サクラの演技がリアルで素晴らしい。登場人物が全て幸福ではない。しかし救いがないわけではない。ハッピーエンドではないけれどバッドエンドでもない。
【感想の意見交換させて下さい】
CMでおもしろそうだなと思い、見てみました。
見終わったあとの感想は、あまり伝わるものがなかったな、伝えたいことを自分がキャッチできなかったな、というのが正直な感想でした。要はおもしろくなかった。
ですが、たまにある見終わったあとのどこかもどかしさを感じれる映画だと思いました。そう感じたのは自分だけではないのではないかと思い、レビューを見させてもらってました。
個人的に見て印象に残ったorあまり良くない印象だったをここに綴らせてください。
・シーンのブツ切りが多い
→ストーリーが一回一回途切れるように感じ、あまり物語の時間が流れているようには感じなかった。
・台本、セリフは要所の言葉しか書かれていない、あとはほぼ流れで演技してるのかなと感じました。良くいうと、すごく自然でありのままに感じた。悪くいうと、余計なもの(間延びなど)を感じた部分があった。
・カメラのレンズのぼかし
前半から撤退して、ぼかしを使って観客の視線を特定しようとしていたように感じます。それだからなのか少し窮屈に感じました。ただ全体を見せる場面も数カ所あったので、もしかするとそれを活かすための布石?なのかも。
ここからは逆にレビューを見てわかりました。
さいごのほうのシーンで「祥太」が口パクでなんて言っていたのか。そのシーンの彼のせめぎ合いはすごく印象に残っています。
そのシーンが良かっただけに逆に最後なぜ、りんちゃんのカットで終わらせたのかがすごく興味あります。どなたかこうなのではないか?とご意見下されば幸いです。
あの子で終わらせたということが、監督の一番伝えたかったことなのだと思うのですが、、
良かったです
りんちゃんの表情が次第に明るくなっていくのに、思わず顔が緩み、パチンコ玉を隣から盗んで使う樹木希林さんの笑顔にも思わずクスッとなり、とにかく役者さんたちの演技が自然で素晴らしかったです。
ストーリーの方は、何が善で何が悪とか、そういう明確な決めつけはないんだと。
擬似家族だから家族の絆がより深いとかいうわけでもなく(そもそもこんな疑似家族はさすがに滅多にいないわけで)、最後祥太くんを置いて逃げようとしたのもこの家族だし、このフィクションの家庭をワザと壊して、自分の真っ当な未来に向かって歩き出したのも祥太くんな訳で。
それぞれがエゴや寂しさ、同情心、依存心という泥臭い人間性を抱えている。そしてそれって本当の家族だって同じじゃない?ってことを監督は言いたかったのかなって思いました。
なんでもかんでも一義的に物事は解釈できない。色んなところで可も不可もありながら、バランスとってるのが人間だし、ロクでもなさの中におかしみや人間らしい優しさが垣間見えて、最後にリリーフランキーさんが走ってバスを追いかけるところは、やっぱり泣けました。
※追加です。もう一回くらい観ないと細かなところはわからないですが、この話のターニングポイントは、祥太が自分たちのやってることに嫌気がさしたところ、こんな生活は普通じゃないと思い始めたところですよね。一方で、リリーフランキーさんが演じる治は、捕まったときに「俺には万引きしか教えられなかった」と言っていたように、なんの取り柄も稼ぐ手段も持たないまま歳をとり、日雇いの仕事も続かない一般的にいうダメな人であり、でも実際にそういう人は五万とこの国にもいるわけで。
そういう人が、偽りであったとしてもやっと築いた居場所を、祥太は壊して1人未来に向かって歩き出したんだなと、私は受け止めました。
底辺でしか生きられない優しくて不器用な人々、持たざる人への監督の眼差しを感じる一方で、最後にりんちゃんが外廊下から外の世界を見る目には絶望を感じました。祥太が保護され学校にも行かれるようになった一方で、親元に戻されたりんちゃんには、辛い現実の世界が今後も続いていくわけです。
物語はハッピーエンドで終わるわけではなく、無力で運命に抵抗できない、りんちゃんのような存在が実際にいるわけです。
暗く重い現実から私たちは目を背けることはできない、そう突きつけられてるような気が、私はしました。
松岡茉優可愛かった
2018年映画観賞
80本目‼︎
安藤さくらは
スゴイ‼︎
樹木希林も
やっぱスゴイ‼︎
全体的には微妙
番宣からの予想ほどの
感動や泣き所が無く残念でした。
柄本明の
「妹にはやらせるなよ」って
お菓子を2本渡すシーンは
印象に残りました。
後半にかけて
ふわっとしてて
ラストがアレなら
バスで
しょうたが
お父さんって言う所で
終わっても良かったかも
さみしさ
人と人は血が繋がってない方が、自分で選んだほうが絆が深いって言葉が出てきた。
家族でなければ何で繋がってるのか。
普通はお金。
でもあの家族にはお金は無かった。
じゃあ何。
たぶんみんな寂しくて、だから一緒にいたのかな。
慰謝料もらってるおばあちゃんも、日雇いのお父さんも、クリーニング店で働いてるお母さんも、きっと一人でいた方が良い暮らしができたはず。
でもそうしなかったのは、きっと誰かと一緒にいたかったからなんだ。
おばあちゃんのこと、死体遺棄じゃなくて自分は拾ったんだって。
もっと前に誰かが捨てたって。
魔法がとけたようにみんながバラバラになったとき、それぞれの場所に戻ったのだけど、すごくすごく寂しかった。
あの家族みんながまた一緒にいられる誰かに出会ってほしい。
考えさせられる…
権威ある賞を獲る映画ってこうなんだろうなぁ…
が率直な印象。
エンタメとしてはダメじゃ無いけど…ってとこですかね。。
間違いなく面白いんだけど、考えさせられる面白さって言うんですかね〜。
印象に残るのは『子供産んだら誰でも母親になんの』『産まないとなれませんからね、産めないあなたはなれませんけど』のやり取り。警察官が取り調べでサラッと心を抉る感じがなんとも…。
ショウタが『妹にはさせんなよ』を聞いてからの葛藤も。
前には『関わらせる事で居やすくなるだろ』って言ってたのに…みたいな?
樹木希林おばあちゃんは、ホントにお金だけが目的だったの?使わずに残してたところから、やっぱり愛情的なモノが有ったの?とか。恐らく、長女が樹木希林の処に居ることを見て見ぬ振りしてると思われる(失踪届けも出してないみたいしね)本当の家族との対比とか。
まぁ、結果面白かった。是非見てほしい。
タイトルなし(ネタバレ)
パルムドールを受賞したことはもちろん、
事前にたくさんのレビューと情報を知ってから観ました。
あまり映画を見ないお母さんを連れて地元の映画館で鑑賞。
上映直前でトイレに行きたくなってしまったが、結果として最後までスクリーンに釘付けになり、トイレは2時間我慢した(本当に漏らすかと思った)
安藤サクラさんの取り調べのシーン、夏冬それぞれの温度が伝わって来るような音と色、余韻の残るストーリーとセリフ(声に出ないものも含め)。
どれも心にずしっと響くような丁寧な作品だったと思う。
カンヌ映画祭が好きそうな作品だと思った。
人間臭くて、愛おしい人物たち。社会問題を細部まで映し出して問い質しながらも、アート作品としての完成度も高い。
観てよかった!また観たい!
『家族』を考える
そもそもパルムドール受賞作と聞いただけで個人的には興味がなくなるのだが、受賞前に興味を持ったので観賞することに。
貧困、児童虐待、年金不正受給といった社会問題がベースにあるが、そこまで暗いトーンで描かれているわけではない。貧しくても犯罪犯してても楽しそう。
徐々に明らかになる家族の関係性に驚いていくのは好きな流れだった。血がつながってることが家族の条件ってわけじゃないという強い主張を感じる。後半、取り調べで婦警から投げつけられる言葉に涙するシーンで、信代に感情移入。子どもを産んだからって親になる訳じゃない、産んでいなくても親になれる!と彼女を応援していた。
心は動かされたんだけど、ラストには不満。彼らの再編成を匂わす等、もう少しはっきりした最後を求めてしまう。これだからパルムドール受賞作ってやつは!
鑑賞後、語りたくなる映画
細部まで目の行き届いたすばらしい映画です。まずこの家族の住む家の佇まいが秀逸。ものすごくごちゃごちゃしてて、カレーとか、オシッコとか、体臭とか、なんかいろんな匂いが漂ってきそうな、汚い家です。人と人との距離も異様に近くて、プライバシーのかけらもないんだけど、段々とその家が安らぎの場に見えて来るのがいいですね。
役者もみなすばらしい!リリーフランキーの情けないヌードも、安藤サクラのだらしないヌードも、とても良い感じですが、中でも子役の二人がとてもいい顔をしています。将来に幸あれと祈りたいと思います。
二つだけ惜しいと思います。一つはタイトル。万引き家族って、あまりにも明け透けで余韻がなく、これから語り継がれる映画名としてはさびしいです。もう一つは、女の子の最後。あまりに救いがない。凄惨な事件を知っている我々としては、なぜ警察は、あの子を家に帰したんだ!と思います。男の子には将来への希望が見えたのにね。私は映画には、なんらかの救いがほしいので、ラストは残念でした。
『家族』とは?を突き詰めた映画
『家族』とは何かを改めて考えさせてくれる映画でした。
物語の途中まで描かれるのは、何とも家族らしい家族。貧しいけれど、家の中は笑いが耐えず、互いに支え合い暮らしているある種理想の家族です。
でもこの家族はどこか歪なところがあり、その違和感は物語が進むに連れ会話や行動の節々から感じていく事となります。そして家族の一員が欠けた事がきっかけで絆が綻び、結末は何とも胸が締め付けられる様でした。
私はこの映画を見て、『家族』とは『構成各員の欠けた部分を補い合える存在の集合』なのだと感じました。治は息子が欲しかったし、祥太は親父が欲しかった。ゆりは愛を欲していたし、信代は愛を与える存在が欲しかった。そしてそれぞれが生活する上でのお金が欲しかったし、それぞれが生活の為のお金を集めた。血の繋がりも法の下の繋がりもない、それでもお互いがお互いを補い合える『家族』がそこには描かれていました。
そんな家族を『万引き』して得るという手段こそ間違っていましたし、血でも法でも家族たり得ない家族ですが、そこに描かれていたのは紛れもない『家族』の姿でした。
人同士のコミュニケーションが疎となっている現代社会において、改めて家族はどうあるべきものか理解させてくれた非常に素晴らしい映画だったと思います。
突き刺さりました
自分にとって、本当に突き刺さるような映画だった。
人生半分生きてきても、母親との関係にいまだにしこりを抱えているせいか、「家族って、母親って一体?」と、古傷をえぐられるような思いで観ていた。
誘拐の取り調べで池脇千鶴演じる刑事に羨ましかったんでしょう?と、上から目線で言葉をかけられ、泣く安藤。
母だからといって、無条件に子供を愛するわけではない。
彼女自身もりんと同じように虐待された傷を持っている。血のつながった母親だから「母親」であるわけではない。
彼女のあの涙に私も泣いた。
実はほぼ全員他人、血がつながっていない「家族」。こ汚い家で、万引きが前提の生活をおくる疑似父と疑似母は、子供二人が最も必要としていた、安心できる居場所を与え、慈しんだ。
海のシーンは本物の家族以上に家族だったと思う。
あのときの樹木希林の幸せそうで、穏やかな表情といったら。幸福の絶頂。だからこそ、観ていて不安を感じた。そして案じたとおりに、ピークから一気に崩れ始める・・・。
色々感じることが多く、観終わって4時間くらい経つのに、まだうまく言葉がまとまらない。
とにかく素晴らしい出演者と印象的なカメラワーク。セリフに出ない背景も、映像ですとんと伝わり、最後までひたすら没入した。映画館で観て良かったと心から思う。
答えは無い
全員がほぼ他人である大人達と「拾った」子供たちによって嘘と犯罪の上に成り立っている家族のお話。
予想していたより映画の描写は終始淡々としています。ドキュメンタリーに近い。彼らの生活が一見幸せそうに映れば映る程、それが全て嘘の上に成り立っている脆い関係だという事が強調される。
途中で明かされる亜紀とお婆ちゃんの関係性に驚きました。そこに繋がるのかと。
お婆ちゃんにどういう意図があったのかは語られませんが、亜紀とのシーンは好きで印象に残っています。何かが違えば本当のお婆ちゃんと孫だったかもしれなかった二人。
大人達は皆見ないふりをして成り立っている、でもこのおかしさに一番早く気づいてしまうのは祥太なんですよね。
盗んだもので構成された家族は散れ散れになり偽物の母親が全ての裁きを背負う事になる。納得した上で。
取り調べの刑事に対する「捨てた人は他に居るんじゃないですか」はこちらへの問いかけに見えた。
祥太にとっては本来保護されるべき場所に保護され唯一の希望が感じられます。
でも、じゃあ、じゅりとして再び放り出されたりんちゃんは?
なんでりんちゃんをよりによってそこに戻してしまうのと思いましたが、この国の血の繋がりが最優先である部分が描かれていて、祥太と対象的な存在として描かれるりんちゃん、余りにも容赦が無いなと。
時期が重なった事で現実と地続きになる物語としてより生々しく成立してしまった。良くも悪くも。観賞後目茶苦茶引きずる。
追記
松岡茉優演じる亜紀だけは他の家族とはまた事情が違っているんですよね。
他の家族は大人も子供も最初から貧困層の家庭しか知らなかったけど
亜紀だけはあの一見経済的にも普通に恵まれていて一般的なあの家庭を知っている上で元の家族を捨ててあの家族を選んで風俗で働いている。
4番さんとのシーンも含め安田弘之の「ちひろ」を連想させました。
空気感が、いいなあ!
冒頭の万引きからスタートする。
こいつら親子か?
リリーフランキーがいいね。
女の子に「コロッケ食べる?」なんて!
男はな、みんな大きくなるんだよって
松岡茉優も乳がでっかい!
風俗嬢まで演じる、彼女の女優になるでが
感じる!
ほんまに、家族って血の繋がりいるんかな?
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