万引き家族のレビュー・感想・評価
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万引き家族の万引きの意味
終盤、警察に捕まり尋問を受けている時
「子供に万引きさせるの後ろめたく無かったですか」
「俺には他に教えられる事なんにも無いんです」
なぜ信代や妹の亜紀は働いているのに治は働かず万引きを続けているんだと思って観てましたが、この一言で万引きはこの作品で愛情を示す最大のキーワードだったと思いました。
当然万引きはいけない行為ではあるけれど教養も何も無い治が、血が繋がって無くとも父として親として唯一祥太に教えてあげられる事が万引きだった、という祥太への深い愛情と絆がこの一言に凝縮されていると思い涙が込み上げました。
レビューを見ていて思う事は、温かで幸せな家庭にぬくぬくと育ち親にたくさん愛情を受けた人には不快感だったり嫌悪感な感情しか持てないだろうけど、同じように不遇な境遇で育った人には心に刺さる作品であるだろうなと思いました。
りんはこの先どうなるのかというスッキリしない思いはありますが、伏線の一つであるラムネのビー玉を、お風呂で一緒に唄った数え歌を唄いながら数えている場面では、りんは間違い無く万引き家族にたくさんの愛情を注がれたのだと思えて深く胸に滲みるラストでした。
日本アカデミー賞とキネマ旬報が最優秀作品として選び、さすが稀にみる両者の選択が一致した作品であったと思いました。
余韻
いつか崩壊する、いつか捕まる、こんな家族長続きするわけない、と思いつつそれぞれが放ってはおけない微妙な擬似家族。本来はこうあるべきなのに、現実がそうはさせない。
貧困、ワープア、虐待など闇から逃れるために仕方なく集まった人々の切ない物語。
リンの最後は誰が迎えに来たのだろうか…。
大圧倒…!
圧倒を超える言葉は何でしょう?
大圧倒?超圧倒?驚愕??
私の語彙力では、この映画の素晴らしさを表現出来ないのが悔しい。
低評価の人の理由も分かります。
悪い言葉を使うと「底辺の人間のドキュメンタリー」そのもの(そのものなのがすごいところだと思うのですが…)。それに興味なくて、おもしろさを感じないのかなと思います。
必要悪、100%悪い人間はいない…。それを実感する映画だと思います。
万引きという軽犯罪だから派手さはないけれど、この家族たちはひとりひとりが生きてる人間で、どういう人生を歩んで来たのだろうと想像したくなる種のようなものがたくさんあって、観賞後ひたすら考え込んでしまいました。
映画を観て思ったのは、映画に出てくるのはこの家族の一部分だということ。それが深いなと思いました。
「人間ってこんなことあったからこうなったと簡単に説明出来るものじゃない」というのを感じました。
幸せって難しいな。
ぬ〜
何を考えて観ればいいのかわからなかった。
虐待されていた子を万引きした家族は本当に悪なのか。
決して褒められた生き方をしているわけではない家族だか、それぞれが、それぞれの思いを背負いながら生きていて生き方に正解は無いし、間違いもないのかなと思った。
少しずつ大人になっていく子供たち。弱い立場にいる方々、どうか強く生きてほしい。
空は青い。
話題だから見たけどダメでした
教養なく犯罪を繰り返す家族の日常。見ていて鬱々とした気分になります。日本にこう言った問題があることの気付きにはなったけど共感は全くできませんでした。
見なくてもいいし、家族には見せたくないです。
家族の「絆」って何?
今更だけどようやく観賞。
家族の「絆」って何?
それはこの映画に答えが少しあるような気がする。
いや、そんな大仰なテーマでなくても「チーム」とは何なのか?どうあるべきかが描かれている映画。
最近はやれDNA鑑定だの血液型がどうだのと「数値」で家族を決めようとするが、実は昔の家族っていい加減な判断基準により決められたものだったのかなぁって思ったりする。
「養子」とか「病院での取り違い」とかもあるが、この映画で登場する偽装家族は終戦直後のどさくさで無理矢理成り立った「家族」というチームのような雰囲気を感じる。(実際そんなケースがあったか知らないが、その時代背景ならありえるようなきがする・・・)
とにかくここに登場する子役の演技が素晴らしい。昔から動物や子役は主役を食うとは言うが、とにかく印象に残る。
リリー・フランキーや柄本明はいつも通りな演技な感じだが、上手くハマってるのが流石。
柄本の台詞「妹にはやらせるな」はあんな顔して不思議と重みがある。
日本映画は地味な作品が多いが、「ROMA」が好きだと言う洋画ファンにこそこの作品は観てもらいたい。
『家族の定義』は一つじゃない
先日「選択的夫婦別姓」の国会における議論のニュースを見た。
主に保守層からは「伝統的家族感を破壊する」といって評判が悪い。
本作では、普通とは違う「家族」が描かれる。
でも「普通と違う」といっても、それ自体が間違ってるワケでもないし、悪いワケでもない。
(万引とか誘拐はダメだけど)
他の映画でも、例えば、
「アベンジャーズ」のメンバーは自分たちを「家族」と言っているし、
「ワイルド・スピード」のメンバーも同様。
その2作を見て「あんな『家族』は許せん」なんて言う人はいないでしょ。
同様に、「家族」はいろんな姿かたちがあって、本作も同様。
でも、「選択的夫婦別姓」に反対する人は、違うんだよね。
別に、「伝統的家族観」を実現したいのは理解できる。
そうなら、自分の家族はそうすればいいだけで、他人の家族にまで口出しするな、と思う。
「選択的」なんだから。
選択肢が増えることに反対する意味が分からん。
正しさというのは見る角度で変わる!万引きで生活する家族の映画
~ポケモントレーナーみゆきは、85点の経験値をもらった!~
2018年に公開された実話に基づく映画。
カンヌ国際映画祭で最高賞を獲得した作品でもあります。
「家族」とはありますが、それぞれがわけあって集まった家族を模した家族。
家族の死亡届を出さずに年金をもらい続けながら生活し、小さい子供も当たり前のように万引きをして必要なものを集めて生きています。
そのうちの子供の一人は、家族に不憫な姿を見つけられて勝手に連れてこられた子。
テレビで行方不明の放送がされますが、名前を変えて生活するなど、それまで愛がなかったその子にとっては笑顔を取り戻せる生活が始まります。
その中で警察に見つかった家族の実態が、映画を観る人によってどう映るのかに考えさせられる作品です。
自分の持っている正しさは違うのかもしれません。
だから、法律が必要なのだと感じました。
ポケモントレーナーみゆきとしても、その一線と愛情を大切にします。
ぜひ観てみてください。
★大好きなポケモンに例えると★
アブリボン
あくタイプわざの「すりかえ」を使える見た目は可愛らしいポケモン。正しさというのは沢山の形があるのかもしれません。
役者演技抜群
韓国映画パラサイト見たあと、気になってこちらもアマゾンプライムで見てみた
あっという間だった
内容は特になく、ある底辺?家庭の日常なのだが、なぜだか見入ってしまった
今の時代を生きる事について、色々考えさせられた
今の日本の縮図
市井の人々を描く是枝作品の中で、今回はとても設定が分かり辛い。この人とあの人はどういう繋がりなのかという、謎解き要素もある。
万引きは生活の一部で、そのベースにはもっと深刻な問題が山積みで、
再就職出来ない元犯罪者、
夫に捨てられた孤独な老女、
留学と偽って日銭を稼ぐ若い女性、
ネグレクトで親の愛情を知らない子ども、
それが寄り添いあって生活している風景には、当たり障り無く生きてきた自分には共感ポイントはゼロ。しかし、放置されていた子どもが感じるモノは、元いた家族のそれとは遥かに違い、その子に目をかける老女や偽夫婦の心情もまた、他人ではあるが惜しみない愛がある。
少なくともここで言う愛とは、世間的な常識とは少し離れたモノであるのは、製作者の意図として理解出来る人が多いだろう。
同じ是枝作品「そして父になる」での台詞、
「一緒に過ごした時間が大切」
が身に染みて理解出来る作品である事は、
是枝作品の一貫性を教えてくれる。
偽りとはいえ、彼らは家族だった。
これだけは言いたい。
松岡茉優の頑張りと池松壮亮の存在感に拍手。
今の年齢だから感じるものがあった
自分は安藤サクラと同世代でいわゆる団地世代の最後の世代として子供時代を過ごした。
私が小学生の頃は集合住宅の団地に住んでいて、その頃は団地にたくさん子供がいたし今思えばネグレクト状態でいた子供も多く見たし、うちも裕福な方ではなかったが当時母が新聞配達をしていて集金に尋ねた市営アパートには子供しかおらず、ご飯もなく母が見兼ねて近くのコンビニでおにぎりを買って与えていた事なども思い出した。
現代では考えられないけれど見兼ねて他人の子供を自分の子供として生活するというおったまげな設定も、ひと昔前の時代に取り残されてひっそりとギリギリを生きる人間がいたならあり得るような気がした。
これはそういう人を描いたテーマの映画だという前提で、割とリアルに素直に受け入れられた。
登場人物たちは根っからの極悪人でもなければ善人でもないし経済的に困窮している人間が目の前に起きる問題を自分の欲望を入り交ぜながらその日暮らしで乗り切っていくとしたら、正にこんな事も起こり得るのかもと思わされた。
日本映画がカンヌで最高賞を取ったと聞いた時点でかなりハードな内容なんだろうなと覚悟して見たが、この年齢になったせいか思ったよりはマイルドだった。
タイトルが万引き「家族」とは言っているが決して家族と見るものではない。
(言っても気まずいシーンはあるので)
ラストの方で(子供が産めない)安藤サクラが子供たちにどう呼ばれていたのか、と警察が問う場面では警察役の池脇さんの芝居がちょっと臭いななんて思いながらも気付いたら涙が出ていた。その涙に対する自分の感情がよくわからないが…
(録画を見直してリンを戻しに行った先で言い争う声「私だって産みたくて産んだわけじゃない」を聞いた安藤サクラが子供を返したくなくなったんだろうというところとか、工事現場の家の中で「ただいま〜おい、翔太…」と妄想を口に出すリリーに泣けた)
そろそろ終盤かなというところから、はっきりすっきりさせないまでもある程度のところまで見せてくれてあとはこの人達はどうなっていくんだろうというところも実在する人間のような終わり方でリアルに感じた。
あとは松岡茉優がおばあちゃんと慕って甘える場面や、色々な事が分かったあと自分が必要とされていたのか疑問を持ってしまうところなんかも樹木希林と同じくらいの祖母がいる自分としては切なかった。
いろんな世代の登場人物が出ているので、見る人の年代、性別、その人の現状によって感じる事は様々だろうなと思う作品だった。
家族のホンモノとは何か
ANA NH231便にて鑑賞。
家族のホンモノとは何か 愛とは何か。
そんな永遠のテーマを今までにはない切り口で描写している。
犯罪もするし裏切りもあり不快感をも上手く伝えていると思います。
この映画の主人公たちを忘れたくない。
何度も見返したいと思った映画だった。
正直うまく感想を言葉にできない。
その時の自分の置かれた状況や気分で感想がかなり違ってくるような気がする。
今回(2019.12.17)に観た時点では、
社会には、自分よりも、経済的にも世間的にも孤立している人が実際いるということに関心があるため、この映画がとてもリアルに感じた。
この映画のような世界、人生があるということも、この世界の悲しい現実であるということが、これから生きていく上で、かなり悲しく、辛くなる。
一方で、社会的な弱者にも手を差し伸べてくれる優しい映画の中のような人たちもいることを忘れたくない。
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