万引き家族のレビュー・感想・評価
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実話であっても驚かないような話
レビューを見ていると賛否分かれているが、私はとてもいい映画だと思った。
■なんと言ってもラストシーンは最高に良かった
虚まみれの家族が解体したあと、皆がそれぞれに過去の生活を懐かしむ行動をとる。
その一連の流れの最後で登場する末っ子じゅり。
彼女の視線の先にあったのは、大好きなお兄ちゃんの姿だったのではないだろうか。
■この映画は「家族の条件」を「絆」と定義した
血のつながりが一切ない6人わけあり者が集まった嘘の家族。
しかし、血のつながりがないにも関わらず、家族は奇妙で深い絆で結ばれていた。
家族とは? その定義は血のつながりだけではないのだ。
そういったメッセージを強く感じた。
■非エリートが片寄あって現代社会をサバイブ
劇中の家族は皆、社会的弱者だ。
犯罪を擁護するわけではないが、生きていくための手段と称して、万引きをはじめ、さまざまな悪事に手を出す。
そんな生活に自問自答する者もいれば、何も感じずその日暮らしを続けるものもいる。
経緯はどうあれ社会の底辺から抜け出すことはそんなに簡単ではない。
そういう現実をリアルに連想できるような人物設定や描写が秀逸だった。
■しいていうなら…
あくまで個人的な好みではあるが、古くさい演出、説明的すぎるセリフが多めだったような気がする。
そこまで丁寧に描かなくとも。
観衆をもっと信じる勇気があってもよいのかと。
タイトルがミスリード
「そして父になる」「誰も知らない」とも評価ほど面白いと思わなかった。問題提起とは思うけど。これも同じ路線なんだけど、今回は話の展開に惹きつけられた。原作は読んでないけど、同じ手法なのかな?
まず、タイトル及び初頭の展開からこの家族は万引きをして生活をしているのか視聴者に思わせる。だが、見ているうちに家族の関係が見かけ通りではないことに気づき、そこからホロっとさせる展開になる。この演出(というのかな?)がうまい。普通にこの疑似家族の出会いから始まるところが映画が始まったのならこれほど集中して観なかったのではないか。登場人物のセリフから違和感を覚え、注意しながら観ることでこの家族のつながりを考えながら観る映画となった。
秀逸はおばあさんの初枝が亡くなり、死体を埋めたことについて女性の取り調べ警官から「遺棄した」と言われ、信代が「捨てたんじゃんない、拾ったんだ」のシーン。一人暮らしの老人が人生の終末、たとえ疑似家族でも本当の家族のように暮らしたことを視聴者は知っており、それを知らない警察側からは単なる犯罪として見られることにいら立ちを覚える展開となっている。
ただ。父親の役割である治に対しては子育ての面では共感する一方、その日暮らしの生活を続けてきたことのつけとして万引きをしたり、路上あらしの行動にイライラしてきてしまう。この疑似家族の生活が続かないであろうことを予見させる伏線ともなっている。
おばあさんの初枝は人の痛みが分かる人として描かれている。亜紀の気持ちに気づいて声をかけたり、新入りの「ゆり」にけがの手当てをして虐待の後に気づいて優しく面倒を見たり。こういうケアをしてもらうことで人は他人に対する思いやりを持っていくのだという描写が何回かこの映画ではある(自分を殴ったげんこつのうっ血のあとを見つけた亜紀がお客さんをハグする、信代のアイロンのやけどの跡をなでさする「ゆり」)。自分の居場所がない人たちが集まり疑似家族となっているわけだけど、血のつながった家族よりお互いを思いやっているのでは、と思わせるシーン。そういうところが響く人と、そうでない人が評価の分かれ目になっているのかも。自分が居場所がない、と感じたことがある人には刺さる映画だと思う。
Wikipediaでは脚本段階では子どもに「お父さん」「お母さん」と呼んでほしい、という主人公の思いに重点がおかれていたというが、ならば終盤祥太がけがをしたあと慌てて逃げようとしたことについての整合性がつかない。こどもと自分のどちらに重点をおいたのか。答えはラストバスの中で少年が振り向かなかったことに表れている。少年はちゃんと「お父さん」と呼びたかったけどね。
また、ラストについていろいろ言われているけど、ハリウッド映画を見慣れてしまうとハッピーエンドやちゃんとした説明をもとめてしまう。ヨーロッパ映画やアジアの映画だと、「これで終わり?」てな展開が結構ある。監督の投げかけ、あとは自分で考えて、ということなんだろう。もやもやするけど、これが監督の意図するところでもある。すっきり終わってしまったら観た映画のことすぐ忘れてしまうものだから。
想像以上に良かった‼️
なんとも言えないが、記憶から離れない
家族とは何でつながっているものか、非現実的な人たちの生活を通して問うている。
これこそ現実
万引き家族の万引きの意味
終盤、警察に捕まり尋問を受けている時
「子供に万引きさせるの後ろめたく無かったですか」
「俺には他に教えられる事なんにも無いんです」
なぜ信代や妹の亜紀は働いているのに治は働かず万引きを続けているんだと思って観てましたが、この一言で万引きはこの作品で愛情を示す最大のキーワードだったと思いました。
当然万引きはいけない行為ではあるけれど教養も何も無い治が、血が繋がって無くとも父として親として唯一祥太に教えてあげられる事が万引きだった、という祥太への深い愛情と絆がこの一言に凝縮されていると思い涙が込み上げました。
レビューを見ていて思う事は、温かで幸せな家庭にぬくぬくと育ち親にたくさん愛情を受けた人には不快感だったり嫌悪感な感情しか持てないだろうけど、同じように不遇な境遇で育った人には心に刺さる作品であるだろうなと思いました。
りんはこの先どうなるのかというスッキリしない思いはありますが、伏線の一つであるラムネのビー玉を、お風呂で一緒に唄った数え歌を唄いながら数えている場面では、りんは間違い無く万引き家族にたくさんの愛情を注がれたのだと思えて深く胸に滲みるラストでした。
日本アカデミー賞とキネマ旬報が最優秀作品として選び、さすが稀にみる両者の選択が一致した作品であったと思いました。
余韻
大圧倒…!
圧倒を超える言葉は何でしょう?
大圧倒?超圧倒?驚愕??
私の語彙力では、この映画の素晴らしさを表現出来ないのが悔しい。
低評価の人の理由も分かります。
悪い言葉を使うと「底辺の人間のドキュメンタリー」そのもの(そのものなのがすごいところだと思うのですが…)。それに興味なくて、おもしろさを感じないのかなと思います。
必要悪、100%悪い人間はいない…。それを実感する映画だと思います。
万引きという軽犯罪だから派手さはないけれど、この家族たちはひとりひとりが生きてる人間で、どういう人生を歩んで来たのだろうと想像したくなる種のようなものがたくさんあって、観賞後ひたすら考え込んでしまいました。
映画を観て思ったのは、映画に出てくるのはこの家族の一部分だということ。それが深いなと思いました。
「人間ってこんなことあったからこうなったと簡単に説明出来るものじゃない」というのを感じました。
幸せって難しいな。
ぬ〜
家族の「絆」って何?
今更だけどようやく観賞。
家族の「絆」って何?
それはこの映画に答えが少しあるような気がする。
いや、そんな大仰なテーマでなくても「チーム」とは何なのか?どうあるべきかが描かれている映画。
最近はやれDNA鑑定だの血液型がどうだのと「数値」で家族を決めようとするが、実は昔の家族っていい加減な判断基準により決められたものだったのかなぁって思ったりする。
「養子」とか「病院での取り違い」とかもあるが、この映画で登場する偽装家族は終戦直後のどさくさで無理矢理成り立った「家族」というチームのような雰囲気を感じる。(実際そんなケースがあったか知らないが、その時代背景ならありえるようなきがする・・・)
とにかくここに登場する子役の演技が素晴らしい。昔から動物や子役は主役を食うとは言うが、とにかく印象に残る。
リリー・フランキーや柄本明はいつも通りな演技な感じだが、上手くハマってるのが流石。
柄本の台詞「妹にはやらせるな」はあんな顔して不思議と重みがある。
日本映画は地味な作品が多いが、「ROMA」が好きだと言う洋画ファンにこそこの作品は観てもらいたい。
『家族の定義』は一つじゃない
先日「選択的夫婦別姓」の国会における議論のニュースを見た。
主に保守層からは「伝統的家族感を破壊する」といって評判が悪い。
本作では、普通とは違う「家族」が描かれる。
でも「普通と違う」といっても、それ自体が間違ってるワケでもないし、悪いワケでもない。
(万引とか誘拐はダメだけど)
他の映画でも、例えば、
「アベンジャーズ」のメンバーは自分たちを「家族」と言っているし、
「ワイルド・スピード」のメンバーも同様。
その2作を見て「あんな『家族』は許せん」なんて言う人はいないでしょ。
同様に、「家族」はいろんな姿かたちがあって、本作も同様。
でも、「選択的夫婦別姓」に反対する人は、違うんだよね。
別に、「伝統的家族観」を実現したいのは理解できる。
そうなら、自分の家族はそうすればいいだけで、他人の家族にまで口出しするな、と思う。
「選択的」なんだから。
選択肢が増えることに反対する意味が分からん。
正しさというのは見る角度で変わる!万引きで生活する家族の映画
~ポケモントレーナーみゆきは、85点の経験値をもらった!~
2018年に公開された実話に基づく映画。
カンヌ国際映画祭で最高賞を獲得した作品でもあります。
「家族」とはありますが、それぞれがわけあって集まった家族を模した家族。
家族の死亡届を出さずに年金をもらい続けながら生活し、小さい子供も当たり前のように万引きをして必要なものを集めて生きています。
そのうちの子供の一人は、家族に不憫な姿を見つけられて勝手に連れてこられた子。
テレビで行方不明の放送がされますが、名前を変えて生活するなど、それまで愛がなかったその子にとっては笑顔を取り戻せる生活が始まります。
その中で警察に見つかった家族の実態が、映画を観る人によってどう映るのかに考えさせられる作品です。
自分の持っている正しさは違うのかもしれません。
だから、法律が必要なのだと感じました。
ポケモントレーナーみゆきとしても、その一線と愛情を大切にします。
ぜひ観てみてください。
★大好きなポケモンに例えると★
アブリボン
あくタイプわざの「すりかえ」を使える見た目は可愛らしいポケモン。正しさというのは沢山の形があるのかもしれません。
役者演技抜群
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