万引き家族のレビュー・感想・評価
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さみしさ
人と人は血が繋がってない方が、自分で選んだほうが絆が深いって言葉が出てきた。
家族でなければ何で繋がってるのか。
普通はお金。
でもあの家族にはお金は無かった。
じゃあ何。
たぶんみんな寂しくて、だから一緒にいたのかな。
慰謝料もらってるおばあちゃんも、日雇いのお父さんも、クリーニング店で働いてるお母さんも、きっと一人でいた方が良い暮らしができたはず。
でもそうしなかったのは、きっと誰かと一緒にいたかったからなんだ。
おばあちゃんのこと、死体遺棄じゃなくて自分は拾ったんだって。
もっと前に誰かが捨てたって。
魔法がとけたようにみんながバラバラになったとき、それぞれの場所に戻ったのだけど、すごくすごく寂しかった。
あの家族みんながまた一緒にいられる誰かに出会ってほしい。
・・・。
安藤さくらさんの演技が一番
考えさせられる…
権威ある賞を獲る映画ってこうなんだろうなぁ…
が率直な印象。
エンタメとしてはダメじゃ無いけど…ってとこですかね。。
間違いなく面白いんだけど、考えさせられる面白さって言うんですかね〜。
印象に残るのは『子供産んだら誰でも母親になんの』『産まないとなれませんからね、産めないあなたはなれませんけど』のやり取り。警察官が取り調べでサラッと心を抉る感じがなんとも…。
ショウタが『妹にはさせんなよ』を聞いてからの葛藤も。
前には『関わらせる事で居やすくなるだろ』って言ってたのに…みたいな?
樹木希林おばあちゃんは、ホントにお金だけが目的だったの?使わずに残してたところから、やっぱり愛情的なモノが有ったの?とか。恐らく、長女が樹木希林の処に居ることを見て見ぬ振りしてると思われる(失踪届けも出してないみたいしね)本当の家族との対比とか。
まぁ、結果面白かった。是非見てほしい。
カンヌ受けする作品
タイトルなし(ネタバレ)
パルムドールを受賞したことはもちろん、
事前にたくさんのレビューと情報を知ってから観ました。
あまり映画を見ないお母さんを連れて地元の映画館で鑑賞。
上映直前でトイレに行きたくなってしまったが、結果として最後までスクリーンに釘付けになり、トイレは2時間我慢した(本当に漏らすかと思った)
安藤サクラさんの取り調べのシーン、夏冬それぞれの温度が伝わって来るような音と色、余韻の残るストーリーとセリフ(声に出ないものも含め)。
どれも心にずしっと響くような丁寧な作品だったと思う。
カンヌ映画祭が好きそうな作品だと思った。
人間臭くて、愛おしい人物たち。社会問題を細部まで映し出して問い質しながらも、アート作品としての完成度も高い。
観てよかった!また観たい!
『家族』を考える
そもそもパルムドール受賞作と聞いただけで個人的には興味がなくなるのだが、受賞前に興味を持ったので観賞することに。
貧困、児童虐待、年金不正受給といった社会問題がベースにあるが、そこまで暗いトーンで描かれているわけではない。貧しくても犯罪犯してても楽しそう。
徐々に明らかになる家族の関係性に驚いていくのは好きな流れだった。血がつながってることが家族の条件ってわけじゃないという強い主張を感じる。後半、取り調べで婦警から投げつけられる言葉に涙するシーンで、信代に感情移入。子どもを産んだからって親になる訳じゃない、産んでいなくても親になれる!と彼女を応援していた。
心は動かされたんだけど、ラストには不満。彼らの再編成を匂わす等、もう少しはっきりした最後を求めてしまう。これだからパルムドール受賞作ってやつは!
公にしない本当の日本の一部分。
鑑賞後、語りたくなる映画
細部まで目の行き届いたすばらしい映画です。まずこの家族の住む家の佇まいが秀逸。ものすごくごちゃごちゃしてて、カレーとか、オシッコとか、体臭とか、なんかいろんな匂いが漂ってきそうな、汚い家です。人と人との距離も異様に近くて、プライバシーのかけらもないんだけど、段々とその家が安らぎの場に見えて来るのがいいですね。
役者もみなすばらしい!リリーフランキーの情けないヌードも、安藤サクラのだらしないヌードも、とても良い感じですが、中でも子役の二人がとてもいい顔をしています。将来に幸あれと祈りたいと思います。
二つだけ惜しいと思います。一つはタイトル。万引き家族って、あまりにも明け透けで余韻がなく、これから語り継がれる映画名としてはさびしいです。もう一つは、女の子の最後。あまりに救いがない。凄惨な事件を知っている我々としては、なぜ警察は、あの子を家に帰したんだ!と思います。男の子には将来への希望が見えたのにね。私は映画には、なんらかの救いがほしいので、ラストは残念でした。
夢想的であり、現実的
リアルの世界では5歳児虐待死亡事件が起こりました。犯人は両親でした...
リアルの世界では5歳児虐待死亡事件が起こりました。犯人は両親でした。父親が義父とは言え悲惨な事件が現実にはあります。
日本の豊かさを強調する映画は多数ありますが、貧困問題・貧困層の問題に正面から取り組んだ映画はほとんどありません。過去には少数ありましたが、特に近年は。
監督は貧困問題・家庭内暴力に正面から立ち向かい、告発しました。
5歳児虐待死亡事件でも児童相談所の対応の不手際が疑われます。警察も事件後には対応しますが、未然には無力でした。
日本の社会、社会そのものが問われているのだと思います。
事情は海外でも同じで海外の国も対応に苦慮しているのでしょう。
賞を受賞した背景を考えたいとも思います。
ただし、少し長い。90分にまとめて欲しかった。そこで★一つ減。
『家族』とは?を突き詰めた映画
『家族』とは何かを改めて考えさせてくれる映画でした。
物語の途中まで描かれるのは、何とも家族らしい家族。貧しいけれど、家の中は笑いが耐えず、互いに支え合い暮らしているある種理想の家族です。
でもこの家族はどこか歪なところがあり、その違和感は物語が進むに連れ会話や行動の節々から感じていく事となります。そして家族の一員が欠けた事がきっかけで絆が綻び、結末は何とも胸が締め付けられる様でした。
私はこの映画を見て、『家族』とは『構成各員の欠けた部分を補い合える存在の集合』なのだと感じました。治は息子が欲しかったし、祥太は親父が欲しかった。ゆりは愛を欲していたし、信代は愛を与える存在が欲しかった。そしてそれぞれが生活する上でのお金が欲しかったし、それぞれが生活の為のお金を集めた。血の繋がりも法の下の繋がりもない、それでもお互いがお互いを補い合える『家族』がそこには描かれていました。
そんな家族を『万引き』して得るという手段こそ間違っていましたし、血でも法でも家族たり得ない家族ですが、そこに描かれていたのは紛れもない『家族』の姿でした。
人同士のコミュニケーションが疎となっている現代社会において、改めて家族はどうあるべきものか理解させてくれた非常に素晴らしい映画だったと思います。
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