「家族の繋がりとはなんなのか?」万引き家族 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
家族の繋がりとはなんなのか?
第71回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作。
第42回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。
パルム・ドール受賞記念の先行上映で鑑賞。
ノベライズは未読。
正直な話、よく理解出来ませんでした。人生経験がまだまだ足りないのかな、と感じた次第なので、思いつくままに書いていこうと思います。取り留めも無い文章をご容赦下さい。
是枝裕和監督の永遠のテーマと言えそうな「家族とはなんなのか?」と云うテーマを扱っていましたが、これまでの作品よりも踏み込んで描こうとしているように思いました。
血の繋がりではなく、たとえ他人同士であったとしても(それぞれが抱える過去や思惑があれど)その心に何か(例えば、愛や打算)があれば「家族」は成立してしまうのか?
ひとつ屋根の下で暮らす日本社会の闇の縮図と言えそうな他人同士の織り成す物語は、悲惨さを伴いながらも奥底に秘められた強い繋がりが垣間見えて、胸に迫って来ました。
キャスト陣の演技がとても自然でした。醸し出される生活感と言い人物造形と言い、非常にリアルな演出が成されていて、まるでドキュメンタリーのようでした。
子役のふたりもとにかく素晴らしい限りでした。是枝監督は子役を発掘するのがお上手だ…。表情や仕草がナチュラル過ぎて、とても演技とは思えませんでした。
ラストでリリー・フランキーや安藤サクラが取り調べを受けるシーンで、人物の真正面にカメラを固定しそれに向って俳優が話しているような画づくりがされていました。
小津安二郎監督作品の手法に似ていると思いました。会話を通して登場人物が直接観客に想いを語っているようで、一筋縄では行かない主題について考えさせられました。
パルムドールを受賞したことは、日本人として大変誇らしいし嬉しいことだと思います。しかし、外国の映画祭でウケたからと言って、「その映画は素晴らしい!」と手放しで評価するのはとても盲目的だと常々感じています。
本作も個人的には面白いとは思えませんでした。玄人受けと素人受けの違いのせいかも。おそらく本作はヒットするでしょうが、他国で評判になってから自国の文化に価値を見出すのが日本人の性質なので、仕方無いことかもしれません。
[余談]
松岡茉優に対する是枝監督の向き合い方が、かなり直接的だなと思いました。これって完全に性の対象ですよねぇ…。是枝監督の趣味でしょうか。確かにかわいいけども。
人間をしっかりと描こうとするなら、そこは絶対に切り離せない部分だとは思いますが、これまでの是枝作品では無かった光景のような気がしたのでとても意外でした。
オス目線で観ると、JKリフレのシーンや海で遊ぶシーンの胸元のどアップは、非常にエロくていいとは思いますが(笑)。
※修正(2024/03/13)