「A Star Is Born This Way. ガガ様の壮大なMV感は否めず…。」アリー スター誕生 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
A Star Is Born This Way. ガガ様の壮大なMV感は否めず…。
大物カントリーロックミュージシャン・ジャクソンと売れない歌手・アリーとの恋の行方を描いたミュージカル・ラブストーリー。
大物ミュージシャン、ジャクソン・メインを演じるのは『ハング・オーバー!』シリーズや「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」のブラッドリー・クーパー。なおクーパーは本作の監督/脚本/製作も手掛けている。
ジャクソンに見出された歌手、アリー・カンパーナを演じるのは『マチェーテ・キルズ』『シン・シティ 復讐の女神』の、レジェンドアーティストにして名優のレディー・ガガ。
第91回 アカデミー賞において、歌曲賞を受賞!
第76回 ゴールデングローブ賞において、主題歌賞を受賞!
1937年公開の映画『スタア誕生』のリメイク作品。また、本作は1954年と1976年にもリメイクされている。
とまぁ4回も映画化されている超有名な作品なのですが、私は今回の鑑賞で初めてこの物語に触れました。
お話の筋を全く知らなかったため、予想以上のシリアスさにまずは驚き。『ラ・ラ・ランド』(2016)みたいなロマンチックな映画かと思っていたら、がっつりアル中怖いよ映画でした。やっぱりアル中怖いね…😨
映画冒頭、たまたまアリーが出演しているバーへと立ち寄るジャック。お店を探すジャックが「あっ、ちょっとそこの角まがってちょーだい」と運転手に頼むが、その角の建物に描かれているマークが絞首用の縄にしか見えない…。この時からクライマックスの悲劇が暗示されていたわけですね…。
ジャクソンとアリー。この2人の関係は音楽のムーヴメントを比喩するものになっている。
かつてはスターとして輝いていたが今や年老い衰え、新たなミュージシャンにとって変わられようとしているジャックは、まるでカントリー/ロックンロールというジャンルそのもの。
それに対して、ジャックによって第一線に躍り出るも、次第に彼の人気をおい抜き、最終的には彼を亡き者にしてしまうアリーはポップスやコンテンポラリーR&Bの化身のようだ。
今流行りの音楽ジャンルは全て、古き音楽を下敷きにして成り立っている。大衆文化である以上、新しいものが古きものを潰しながら台頭してくるというのは避けようのないことなのだが、古き良きロックが好きな自分のような人間にとって、やはりこの映画で描かれているような栄枯盛衰は観ていて辛い。もう少しロックやカントリーなど、オールドファッションな音楽に優しい世の中になってくれるといいんだけどなぁ…。
歌曲の素晴らしさが話題になりがちな今作だけど、本当に称賛されるべきは役者の演技なのではないだろうか!
映画の主演は今回が初めてとなるレディー・ガガ。そんな風には全く感じさせない、堂々とした演技でありました。
ガガ様も良かったけど、なんといっても本作はブラッドリー・クーパーが凄い!監督/脚本/製作を手掛けている訳だから、いつも以上に気合が入っているのだろう。今回の彼の演技は鬼気迫ると言うか、とにかく凄まじいものがある。立ち居振る舞いや歌唱のパフォーマンスなど、本当にジャック・メインというアーティストがいるとしか思えない。そう錯覚させられるほどに真に迫った演技を披露してくれる。
特に凄いと思ったのがアル中/ヤク中の演技。虚な目や赤い顔、魂の抜けたような佇まいは、まるで本物のアルコホーリクスやうつ病患者のよう。
若い頃、キャリアの不振が原因でうつ病にかかり、それがきっかけでアルコール中毒やコカイン中毒に陥ってしまったというクーパー。そんな彼だからこそ、ここまでリアリティのある演技が出来たのだろう。どんな経験も演技の肥やしにする。一流の役者はやはり違うのだ。
とまぁ、役者の演技については申し分ないと思うんだけど、正直個人的にはこの映画に全く乗れなかった。
元々こういう映画は好みのジャンルじゃないし、何より歌姫アリーにあんまり魅力を感じなかった。
そもそも、ジャックの公私混同っぷりに嫌悪感。ジョンとヨーコ、ポールとリンダみたいな、ステージの上でも一緒💕的なバカップルっぽさが好きになれンのです。
アンコールをアリーが歌うって…。自分がジャックのファンだったら、「誰だよアリーって!ジャックをもっと見せろっつーの😡」て思うだろう。
スターになってからの彼女は完全にただのレディー・ガガ。彼女のパフォーマンスを見れて、ガガ様のファンなら喜ぶだろうけどさ。正直、自分あんまりレディー・ガガに思い入れないんだよね…。
レディー・ガガの顔は凄い好きなんです。めちゃくちゃ美人だと思う。…おっぱいも大きいしボソッ…。
ガガ様のヴィジュアルは好きなんだけど、んじゃパフォーマンスが好きかというと…。別に嫌いではないんだけど、聴いてて心が燃えることはないかも。
自分はジャニス・ジョプリンとかパティ・スミス、ガガと同世代ならエイミー・ワインハウスなんかが好きなので、ちょっと彼女は好みから外れる。「Born This Way」(2011)はドライブのお供には最適だけどね。
そんな訳で、ガガ様純度100%であるアリーのパフォーマンスに心が動かされず、なんかイマイチ映画にも乗れなかった。正直、クソ長いMVを見させられた感じ。
クライマックスも、「おー、ガガが熱唱しとるわい」くらいの感想しか湧いてこず、特に感動は無し。
当初はビヨンセをアリー役にと考えていたようだが…。うんまぁどっちもどっちかな。
エイミー・ワインハウスが生きていれば、彼女に演じて欲しかったけど…。エイミーは完全にジャック側の人間だもんなー…😢
個人の好き嫌いは置いといて、今作はブラッドリー・クーパーの監督/脚本家デビュー作らしいのだが、そうとは思えないほどに堂々とした映画である事は間違いない。今や彼は第二のクリント・イーストウッドと呼ばれているとかいないとか…。確かに、イーストウッドの後継者としてはクーパーが最適解かもね。とりあえず、彼の今後には非常に期待が高まります。
レディー・ガガのファンなら必見、ラブストーリー好きにもお薦め出来る。悪い映画ではないと思いますよ。
たなかさん⭐
ナイブズ・アウト に共感をありがとうございます(^^)/
嬉しかったです(^^)/
さて、ガガ様のスター誕生
レビューしていませんが
鑑賞済です。
ブラッドリー・クーパーも多才ですね。
アル中作品・・・精神面が描かれていたりして
難しいですよね。
ガガ様、インパクトありました(^^)/
ラスベガスに行った時ガガのプチ・ミュージアム的なところに入りましたが、そこまでファンもおらず😂w
見た目より楽曲の良さ、歌のうまさと奇抜さが彼女の売りだと思い、あまり話は正直入ってきませんでした😩…