シンプル・フェイバーのレビュー・感想・評価
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脚本はアナ・ケンドリックありきで書かれたのでは
どこかでみた/読んだスリラーのような・・と思わせつつ、対照的な2人の振る舞いと立場の違いを軸に、終盤へ畳み込む展開が鮮やで楽しい。
それだけではなく、気が付くと物語の舞台装置が何度か変わっており、誰もが予想しなかった後味を味わっていることでしょう。
サスペンスとしても十分面白いし、アナ・ケンドリックとブレイク・ライブリーの弾けた芝居が楽しい。脚本はアナ・ケンドリックありきで書かれたのでは?
彼女の、可愛らしく軽妙な雰囲気がなければ寒い微妙な映画になったのかも。
ブラック・コメディ風サスペンス
アナ・ケンドリックの甲高くておバカそうな声が冒頭から聞こえてきた。おバカそうなフリしてこいつが実は一番のワルのパターンなのかな。嘘泣きぽいし。なんて思いながら鑑賞を続行。
音楽の使い方が絶妙で面白い。セレブのお屋敷で聞こえてくるフレンチ・ポップスに思わずダンスしてしまうステファニーのシーンは思わず吹き出してしまった。アメリカの一般庶民が、めったに耳にしないおしゃれなフレンチ・ポップスにセレブの香りが漂ったんだと思う。
一番のお気に入りは、自分の狙いが的中してノリノリになったステファニーが車の中で歌うラップ。この場面にぴったりの曲で歌詞の内容もシーンにぴったり。アナ・ケンドリックも気に入ってるみたいで、The Ellen Showでそのラップを生で披露していた。(YouTubeで見れる)
この映画は、サスペンス風ブラック・コメディというよりも、ブラック・コメディ風サスペンスが近いかな。刑事のブラックジョークも冴えてたし、オチの付け方も文句なし。ラスト・クリスマスで自分を大泣きさせたポール・フェイグの次回作がとても楽しみ。
強烈な妖艶と脚本とのバランス
ラストまで二転三転...
ドメスティックノワールってなんだろ
ハイヒールにスーツ。チョッキに提鎖。シックなソフトをかぶって、全身が青い。スーツを脱ぐとYシャツは着ておらずダミー袖にダミー襟。さながら男装のストリッパー。すらりとした腕や胸元が露わになる。
ブレイクライブリーの登場場面がかっこよかった。
語尾のだらしない英語。芯が太く毒舌。駄々る子にI let you tear my labia as you exited my body.(あんたが出るときわたしのあそこを裂いたのよ)。
被服業界の広報で富者、ポルシェに豪邸、男相関図は百戦錬磨、昼間からマティーニ。
金満で奔放な母親キャラクターだが、ディティールが備わっている。まして現実にその風合いをもったブレイクライブリーが演じている。キャラクタライズってのはこうやるもんだ。みたいな度ハマり。
対するアナケンドリックも冒頭の僅かな描写でいけてない母親を体現する。
目立ちまくる参加意欲。スベりまくる発言。小柄と西松屋でついで買いしたような原色服。淡カーキのスバルCrosstrek。事故で旦那と身内を失っている。
自身のママ友向けブロードキャスト配信でエミリー(ブレイクライブリー)の失踪を概説する体で、映画は遡行スタートする。
ステファニー(アナケンドリック)の独自捜査が始まると映画は面白さが加速する。
そして謎めく。
どこにでも入り、誰にでも取り入る──ことができるステファニー。無害きわまりない聖人顔のアナケンドリックが真価を発揮し、一枚一枚謎が剥がれる。
と同時に、さかのぼって事の真相カットが挿入される。
どんな人だったのか、なにがしたいのか。
スリリング。
その語り口に、過去文学の遺産があらわれる。
おそらく英語圏の知的層には宝庫のようなラインになっているのだろうと想像できる。
あまりないことだが映画を見て、小説が読みたくなった。
小説は『英米ミステリ界を席捲するドメスティック・ノワールの真骨頂』と紹介されていた。
非読書家のわたしにはドメスティックノワールが何のことか解らないが、小説も映画もクライムストーリーでありながら、ずっとポップ。パトリシアハイスミスの孫娘が書いた──の肌感。欺し合いの応酬も、シリアスへ沈まずに諧謔的。楽しい話になっている。
映像化には、原作にないことの肉付けと、原作にあることの間引きがあった。
筋書きにも性格にも改変、加描、端折りがある。
そのドラスチックな翻案。
Darcey Bell作というより脚本のJessica Sharzer作とも言える。
映画の発展は原作者の融通にもある──がよく解る仕上がりだった。
ところで男装に見惚れるものの、ラスト、New Blackを着たエミリーがいちばん似合っていたかもしれない。ライブリーは案外器用なひとで品を作ってもグレてもいけることがよく分かった。
ゴーン・ガールの再来、ではないような
一言「女に友情は、ない。多分」
原作が「ゴーン・ガール」の再来か?という宣伝がありました。
むむ。あの映画はちょっとトラウマになってるしな・・・。
◎よかった点◎
・ママ友はどこへ消えた?→結果は前半でわかる→じゃあ誰が計画したの?。
この流れがスイスイ進むので、フムフム。割とわかりやすい。
主人公&ママ友&ママ友の夫。軸の登場人物がこれだけだし。
・主人公がブログ(動画付き。YOUTUBEみたいなの)をしていて。
徐々にママ友の捜索を、ブログで呼びかける。
この設定場面が、時々挿入されるアクセント。そういうことかと、ラストでわかるのが今風。
びっくりした!。
△イマイチな点△
・サスペンス調に仕上げようとしているのは、わかるんだけど。
息子が「ママを見た」とか、保険金等。
だけど、肝心のアナ・ケンドリック(大好きな役者さん)が。
可愛い表情がどうしてもそれを薄めちゃう。
・主人公の夫と義兄の自動車事故。このアイテム回収してない(思わせぶりではある)。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「謝らないのは、約束だから」。
女性って怖い
女優2人の演技が光るサスペンス
全てライト感覚
タイトルなし
ママ友には気をつけろ
ブログで料理などを公開している明るいシングルマザーが主役(アナ・ケンドリック)、ママ友になってよ、と近付いてきたのがブランド物を身につけたセクシーなキャリアウーマン(ブレイク・ライヴリー)。
ところがこの女が殺されてしまい・・・。
主役二人ははまり役で観ていてとても楽しい。
ブレイク・ライブリーVSアナ・ケンドリック 勝者はどっちだ!
ミステリーなはずなのにコメディ色が顔を出す
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