ビューティフル・デイのレビュー・感想・評価
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邦題に惑わされた
邦題からハートウォーミングな内容を期待して見たが、残酷シーンも多くて全く真逆の作品だった。確かに原題(You Were Never Really Here)も何を言いたいのかよくわからないが、それにしても全く作品内容を言い表わしていないのに、最後のセリフをそのまま邦題にするのも呆れてしまう。
冒頭からかなりミステリアスな展開で引き込まれたものの、結局謎は謎のままで消化不良になってしまった。主人公のトラウマは何だったのか?主人公の周りの人間まで殺す必要があったのか?カウントダウンの意味は?知事を殺したのに食堂で平然と食事をする少女の神経は?ラストで主人公は自殺したのか、それともあれは本当に夢だったのか?あるいは実際に自殺して、少女と一緒にレストランを出たのが夢だったのか(死ぬ直前に見た幻影)?そういえば、「タクシードライバー」も、ラストはトラヴィスが死ぬ直前に見た幻影と言うレビューがいくつかあったな。
ホアキンは良い。
ホアキンは良い。ストーリーや迫力も途中までは良い。しかしなんとも、、演出や映像がときどきわざとらしい部分があります。ああ、この映像なければもっといいのになあ。ああ、ここでこの音入れない方が逆に迫力出るのになあ。。そんなところがしばしばあります。ホアキンが名演なだけに、その辺がもったいないなと思いました。
万人に勧められないけどクセになる
暴力描写はあるし、人によってはいろいろと
情報を読み損ねるであろうことは
想像に難くない。
なので誰にでもお勧めは出来ない。
でも自分は好きだ。
子供を救うことで自分自身も救われようとしてきたジョー。
それさえもうまくいかなかった過去もある。
母のためだけに子供の頃から生きてきた。
その母さえ失った時に、
あの子を助ければ自分は許されるんじゃないか?と
そこへ一縷の望みをかけたのだろう。
それがまさかの救われ方。
いろんな暴力にまみれた映画だけれど
不思議と後味は良い。
再生へ向かう光がある。
意外に暴力描写も直視してる描き方ではないので、
苦手でも比較的観やすい。
タクシードライバーやシャイニングぽいとこもあれば
レオンとも少しだけ近い?
テイストは北野武作品に味わいが似ている。
バイオレンスだけど悲しく切なく、それで傷ついた者同士でしか
分かり合えないような共感、優しさのようなものがある。
星ゼロ くだらない
初見、つまらない映画を見たと思った。久しぶりに疑問点を注意しつつ再見してみる。
退役軍人のジョーはFBI捜査官として働いていたが、PTSDと鎮痛剤への依存が原因で職を辞さなければならなかった。Wikipediaより。
え〜!!PTSDは表現されていけれどFBI時代らしきくだり(少女たちの救出に失敗する)はイメージカットはあるけれど映画から読み取るのはとても難しいと思った。FBIって言葉はない。それ原作読んでるから知っているんじゃないの?
ジョーが街で女の子たちに写真撮ってと言われたら昼だったのが一瞬で夜になる。なぜ?誰か説明して!
その中の女の子の一人が涙を浮かべこちらを向くカットが挿入される。それが少女たちを救出できなかったイメージカットにつながります。
行方不明の女児を探す仕事って、人殺しもしているわけで。それは映画の始まりシンシナティの一件で描かれている。ハンマーは幼少期の母親を脅す父親のしたことをイメージとして繰り返しているのでしょう。ハンマーはそのまま物語の中心となる少女(ニーナ)を救い出す凶器になるわけです。
この間に防犯カメラの映像に主人公のジョーは写りまくっています。シンシナティでもそうだったのでしょうか?よくこれで今までの仕事が表沙汰にならなかったな、と思うのです。ジョーは自分でも殺し屋だと言うシーンがあります。
ニーナの父親の上院議員はおそらく脅されて死んだのでしょうね。この事件の黒幕はウィリアムズ州知事です。そこへジョーは乗り込みます。
ウィリアムズ州知事はすでにニーナが殺していました。
ジョーはニーナとダイナーでドリンクを飲みます。ダイナーでの自殺カットは映画として酷いものです。ニーナの台詞 It's a beautiful day.とそれに応えるジョー、そしてダイナーには二人がいた形跡だけが映されます。
映画はここで幕を閉じます。
そして、その後はおそらく逃避行。
逃避行の先の二人は州知事のスキャンダルに絡め取られるのか、疲れた二人はひょっとしたら死を選ぶのでは?と想像します。
でも、この映画のラストを希望が持てるとか、玄人好みの映画とか色々と褒められていすが、果たしてそうでしょうか?
最初の仕事ぶりから殺し屋として残念なジョー。少女を救出するだけなら殺しはいらない。今までの仕事もハンマー連続殺人で遠の昔に捕まっていて不思議ないわけです。
そんな設定、脚本に万歳している人はジョーと同じくらいに残念です。
おまけに耳障りな音の連続。
I’ve never been to me. この曲は自分も大好きな曲。こんな風に使って欲しくないかったな。
リアリズムを追求し、リアリズムを失った設定があった時にこう言う映画は崩壊します。
とても残念な映画です。
ジョニーグリーンウッド
ええアンビエント系の音楽やなあと思いながら見入った。『ゼアウィルビー〜』でも音楽担当してたジョニーグリーンウッドだったんですね。
リンチやレフン監督のファンの若い監督が作ったのかなとか素人目線で思うてみてましたが、結構有名なイギリスの女性監督なんですね。不勉強でした。
映像スタイリッシュですし、時々入るフラッシュバックの映像がよかったですわ。タクシードライバーというか、レフンの『ドライブ』と少し展開似てますね。
こういうおっさんと娘モノって、バディではないし、なんていうジャンルなのかな。ギフテッドとかレオン、サムウェア、あと逆はカサヴェテスのグロリアとかみたいなの。
タイトルなし
ホアキン・フェニックスの作品で期待していたが、時折入る子供の頃の虐待されていただろうシーンがカットが短すぎて、何故これだけ魘され、未だに苛まされているのか、わからない。要は全編通し、説明不足。知事が殺されていて、何故泣いたのか、分からん。
映画とは予備知識0で観るか否か正しいのはどちらなのだろう?
現実世界を補足する役割を果たすフラッシュバックがわかりづらいほか、いくらフィクションとはいえあんなに殺人と暴行を犯しつかまらないのも入り込めない要素。他の人のレビューを見回り、過去の大作を意識した作品のようだけど、全体的に漂う奇をてらった感がどうも。最後のシーンが実は本当だったとしたら、星3つになるかも。。
I‘ve never been to me…
ジョーは基本的に優しい人間だと思う。自分を殺しに来た(そして母親を殺した)男たちのうち、(一人は一発で仕留めた)もう一人の腹を撃った男が『一人で死んでいくのは寂しいので側にいて欲しい』とすがってくると、言われるままにその男が事切れるまで添い寝してたやる。その時に瀕死の男とデュエットする…Chareleenの「I‘ve never been to me」を。この歌をこのシーンに使うとは。しかし、殺しあった二人の男が、もう敵味方ではないように歌う『私は1度も“本当の私”を生きなかった』という歌詞が、二人の男の人生にオーバーラップするように思えてならなかった。また、映画オリジナルだが、ジョーが殺された母親の骸を湖に沈めるシーンも幻想的で美しい。非常に暴力的でありながら非常に美しいということを静かに然し有無を言わせず共存させているフィルム・ノワール。
映画は生きるためにある
たまに映画が好きでよかったと思える映画に出会えるが、これもその一つ。
サスペンスやスリラーでは括れない、
人間ドラマ。
ホアキンフェニックスの演技と肉体は
説得力とユーモアに満ちていて気持ちが良い。
1.殺し屋であり、実母と生活している
2.深い何かしらのトラウマを抱えている
3.少女を救い出して欲しいと、その議員の父親から依頼
4.救出するが、議員の父親が死に、娘を拉致される。
5.仕事仲間が立て続けに殺され、母親を失う。
6.母親を殺した奴と一緒に歌を歌う(美しい)
7.母親の埋葬(美しい)
8.知事を付けて家に行くと、死んでいる。
9.食卓にいる娘(女の子)
10.食事シーン(美しい)
4からは、面白くてしょうがなくなる。
90分という尺は、なんていいんだろう。
映画通が好みそう
原題「You Were Never Really Here」が、物語的にもしっくりきました。第三者目線で自分のことをYouとしていると仮定すると、自分が2人以上(母に優しいじぶん/殺し屋の自分/小さい頃のジブン)いることを示します。時折、心に表れる小さい頃のジブンは、今のじぶん/自分を苦しめる。でも捨てることはできない。自分の一部だから。
少女に“ジブン”を重ね、少女を救うことで“ジブン”を救った。あの頃クローゼットで泣いていた何も出来なかった弱い“ジブン”がいなくなった。そこから見える景色が変わり、見たことのない景色=美しい日が訪れた。
その景色を見たとき(本当のあなた(自分)はそこにはいなかった)と感じたのではないかと思いました。
心情の描写は丁寧で美しいと思いました。
一見不気味な男
なのにホアキンフェニックスのあのじめじめした色気と存在感はなんなんですかね。俳優自身はもちろん色気があるけど体格の良い髭もじゃ風貌で美しいと思えるのは不思議な感じでした。
頭を撃ち抜く自虐的な自傷願望といい少女の呆気ない不意打ち、八方塞がりの気怠さと焦燥感。
強い、強いのにどうしようもなく弱い自分に打ちのめされる。
もう少し見せてくれたっていいのになって正直思ったけど何もかもが美しかった。
死にゆく男性が人肌の恋しさ死への恐怖故に手を握り合って逝く、あの優しさに胸打たれた…
大きな男が震える様は
あなたは今までに一度も此処にはいたことがなかった。
You were never really here という原題を頑張ってニュアンスを掴みたい感じで訳するとこんな感じかなぁと思います。
大きな音の映画は苦手なほうだけど、この映画の音は嫌いじゃなかった。
体の大きな男が、自殺願望を抱えていて、うまく生きられない様が切なかった。
母親との関係はそんなに悪いように見えなかったから、フラッシュバックしていたのは父親の暴力かな?
机の下に隠れる姉か妹のこわばった表情、お皿の割れる音、見ている側のトラウマも刺激されました。
家出少女を回収に行ったら、警察に家出少女を奪われ、依頼人である家出少女の父親、もともとの仕事仲間から、母親まで惨殺されていて、誰になんで狙われるかは不明なまま進みます。
そしてジョーがなぜ家出少女を助けることに固執したかも不明です。
ある情報から無理やり読み解くと、家出少女を助けることはかつての自分や、姉妹を助けることなのかなーってこと。
家出少女とダイナーにいて、殺される妄想をしたシーンは、え、マジで殺された?と思って、ひぃって声が出ました(隣の方すみませんでした)。
説明のない進行も嫌でなくて、生き残った二人の関係などもよくわからないけれど、なんかちょっと救われた感じがしました。
ジョーが目を開いたまま、涙をぽろりと落とすシーンは、こっちも同じように涙が落ちました。
この涙が何か、私は説明をする術がありません。
言葉で掬えないものが、水になってこぼれたのかもしれません。
家出少女ちゃんが、すっごくかわいかったです。
緑色のグミ
ホアキンフェニックス
毒気が増しましたね〜
BGMが合ってましたね
好きですね〜この感じ‼︎
台所で寝そべって
母親を殺した男の最後を
手を繋ぎながら看取るって不思議なシーンでしたね
オリビアニュートンジョンの曲
あんな詩だったんですね
違いました。
シャーリンでした(笑)
小鳥がさえずり幸せね〜みたいな歌だと思ってましが
全然違う(笑)
武器がハンマーとか映像も好みなのですが
もっとハードなシーンが欲しかったです。
内容的にはイマイチ乗り切れませんでした。
ラストも
微妙だったな
残虐性の理由
ハンマーを使う仕事人。シンジケートからの救出劇。政治家と裏社会の一体構造。イラクかアフガンでの後悔しか無い体験。幼児期の恐怖体験。救い出せなかった女性たちの無残な光景。軽い自殺願望と倒錯的自傷行為。逆説的タイトル。非音楽的B G M,予想し得る中での最悪を辿って行くストーリーライン(主役を除き)。
構成要素を挙げてくと、やはり陳腐感は否めないし、心かきむしる様なメッセージもないんだけど、共感はおぼえる。
ラストの朝食の場面。あのまま終わってたとしても普通に受け入れてしまっただろうし、そこで、今日は良い日よ、なんてセリフで完結するのかとも思いました。
彼の残虐性の理由は、自分自身を叩きつぶしてしまいたいから。ニーナは知事の喉を掻き切りながら、食事を取ります。男と同じ心理まで行き着いたことを示唆している様にも見え。だから最後の、今日は良い日、の言葉の真意が見えない。
いずれにしても、過去エピソードが解りにく過ぎ。進度、遅すぎ。この類の過去作と比較されるのは不可避でしょう。あの二作とは心のどっかで比べてしまう。
むしろこの後の、「ほぼ終わってる二人の逃避行」の方が、気になってしょうがないんだが。。。
とてもよかった
お母さんを殺した相手が死ぬ間際にホアキン・フェニックスの手を握って一緒にシャーリーンを歌うのだが、その歌詞があまりの内容で驚いた。人生の暗闇をあんな美しいメロディで歌っていたと初めて知って、見終えた後に歌詞を検索して読んだ。
時折挿入されるフラッシュバックがトラウマなのかな、あんまり意味が分からなかった。詳細に伝える気もない表現なので分からなくてもいいと思う。
主人公はお母さんの介護をしており、あんな年の男にとってはさぞ負担だっただろうけど、とても親身にお世話をしていて背負うものがあるのが有難い時もあるなあとなんだか身にしみた。
女の子が美しかった。
大好き
素晴らしい。血と暴力とトラウマと幻想性。省略と抑制の効いた演出で紡がれるのは奇妙な殺し屋と少女の物語。
鋭利かつ硬質なショットとキレのある編集。説明台詞を排した演出が冴え渡っている。
ジャンル映画の枠組みを借りつつも、そこから逸脱/脱臼する奇妙で美しさを讃えた抒情性もある。映画の娯楽性・ジャンル感と芸術的側面もきちんと融合している。
パーカッションや打ち込みによる不規則性と規則性を往還するリズム主導の音楽が、主人公の内面的錯乱・苦悩状態を体感させてくれる。物語世界で鳴っている音と劇伴が明確に区別されず溶け合っているような箇所が何度もあり、それがまたよかった。ジョニー・グリーンウッドは毎回いい仕事をしていると思う。
髭ボーボーでずっしりした体躯、虚ろな目で虚無を抱えるホアキン・フェニックスも存在感があっていい。楔のように打ち込まれるフラッシュバックが常にタナトスの方へと彼を誘引するが、あのフィジカルな存在感で辛うじて現世へ繋ぎ止められているような説得力がある。
湖の中での美しい水葬シーンや、シャーリーン『愛はかげろうのように』を使った奇妙な演出など、幻想的な場面が符牒のようにあらわれる。
そして、出番はそれほどでもないが、無垢で残酷な存在感を強烈に残すエカテリーナ・サムソノフという発見も嬉しい。
ハンマー映画に新たなる傑作誕生か。ほんと好き。
救済
虐待の傷を受けたジョーがニーナをはじめとした少女を救う様子は、幼少期のジョーを自ら救済しているようにみえました。知事が殺された現場でジョーは「俺は弱い」と言っていましたが、ニーナではなく自分で手を下したかったのでしょうか。家の中で絶対権力を持っていたジョーの父親と知事がかぶりました。ラストシーンは、本質的に救済されたと受け止めました。
ほったらかし
精神的に病んでる男の抑揚のない殺人行脚。他人の依頼でヒト殺し。殺しても、殺さなくても何も変わらない。「お前は本当はそこに居ない」まあ、その通り。
この映画を観ても、観なくても何も変わらない。
おもしろかった
人生に絶望した中年男と居場所のない少女の邂逅と人生の再生なんてのは、まぁかなりありきたりな設定かもしれません。
しかし、えげつないことに満ち溢れたこの世の中においても微かな希望が訪れる瞬間があるということ。
それが孤独な独身女と捨て猫の出会いであっても、虐待された少年と変わり者と疎まれる老人の出会いであっても良いのです。
手垢の付いた設定だの説明を省きすぎだの思わなくもありませんが、伝わるものは確かにありました。
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