ビューティフル・デイのレビュー・感想・評価
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とてもよかった
お母さんを殺した相手が死ぬ間際にホアキン・フェニックスの手を握って一緒にシャーリーンを歌うのだが、その歌詞があまりの内容で驚いた。人生の暗闇をあんな美しいメロディで歌っていたと初めて知って、見終えた後に歌詞を検索して読んだ。
時折挿入されるフラッシュバックがトラウマなのかな、あんまり意味が分からなかった。詳細に伝える気もない表現なので分からなくてもいいと思う。
主人公はお母さんの介護をしており、あんな年の男にとってはさぞ負担だっただろうけど、とても親身にお世話をしていて背負うものがあるのが有難い時もあるなあとなんだか身にしみた。
女の子が美しかった。
演技は良いのに、いまひとつ伝わらない
タイトな映像と音
音楽と映像が素敵です
大好き
素晴らしい。血と暴力とトラウマと幻想性。省略と抑制の効いた演出で紡がれるのは奇妙な殺し屋と少女の物語。
鋭利かつ硬質なショットとキレのある編集。説明台詞を排した演出が冴え渡っている。
ジャンル映画の枠組みを借りつつも、そこから逸脱/脱臼する奇妙で美しさを讃えた抒情性もある。映画の娯楽性・ジャンル感と芸術的側面もきちんと融合している。
パーカッションや打ち込みによる不規則性と規則性を往還するリズム主導の音楽が、主人公の内面的錯乱・苦悩状態を体感させてくれる。物語世界で鳴っている音と劇伴が明確に区別されず溶け合っているような箇所が何度もあり、それがまたよかった。ジョニー・グリーンウッドは毎回いい仕事をしていると思う。
髭ボーボーでずっしりした体躯、虚ろな目で虚無を抱えるホアキン・フェニックスも存在感があっていい。楔のように打ち込まれるフラッシュバックが常にタナトスの方へと彼を誘引するが、あのフィジカルな存在感で辛うじて現世へ繋ぎ止められているような説得力がある。
湖の中での美しい水葬シーンや、シャーリーン『愛はかげろうのように』を使った奇妙な演出など、幻想的な場面が符牒のようにあらわれる。
そして、出番はそれほどでもないが、無垢で残酷な存在感を強烈に残すエカテリーナ・サムソノフという発見も嬉しい。
ハンマー映画に新たなる傑作誕生か。ほんと好き。
銃器を使わない方がより暴力的に観える
救済
虐待の傷を受けたジョーがニーナをはじめとした少女を救う様子は、幼少期のジョーを自ら救済しているようにみえました。知事が殺された現場でジョーは「俺は弱い」と言っていましたが、ニーナではなく自分で手を下したかったのでしょうか。家の中で絶対権力を持っていたジョーの父親と知事がかぶりました。ラストシーンは、本質的に救済されたと受け止めました。
ラストシーン、タイトルに涙する。
面白い
決別
ずっしり
リン・ラムジー作は精神にクる
リン・ラムジーと言えば、「モーヴァン」「少年は残酷な弓を射る」など、救われない心を救済するかと思わせて突き放す作風が散見されるが、そういった浮遊する心への監督の鋭い眼光がピークに達したと言えるの今作だと思う。淡々としていながら、過激で残酷で、でも魂の救済を渇望する人々を見つめる視線には、微かな優しさも感じられる。少年期のトラウマを引きずりながら、満たされない現在を殺伐と生きているだけの男。人助けの様だが、実際には人殺しという家業に身を投じている彼は、大人にはツラく当たるが、少年少女にはどこか優しい。そんな彼が、大人の勝手な欲と汚さにより、あまりにも過酷な境遇に晒された少女と出会い、何かを共有する事によって、彼の精神は満たされたのだろうか...そのものズバリな邦題(原題は全然違う)に希望を見出したい。PTA作品の常連、すっかり映画音楽作家として成熟したジョニー・グリーンウッドの耳障りなまでに鋭角な音楽は、心に突き刺さるようで痛くて素晴らしい。ホアキン然り、ダイアン・クルーガー然り、昨年のカンヌの審査陣はちゃんとしてたんだなあ、と納得。
トラウマ塗れ
掴みどころのない心の闇。幻想的なサスペンス。
【賛否両論チェック】
賛:主人公が抱えたトラウマの深さや、それ故の葛藤が、不思議な少女の救出劇を通して描かれていく様に、思わず考えさせられるものがある。
否:物語自体はかなり淡々と進み、想像しないと分からない部分も多いので、好みは分かれそうなところ。
トラウマを抱え、時々自殺企図をしながらも、家出し傷ついた少女達を救出し続けるジョー。観ている方は、最初はその真意が分かりませんが、ニーナの救出事件を通して、少しずつその理由が明かされていくので、ジョーが抱える痛みの重さに、思わず考えさせられてしまいます。彼の、死ぬことを恐れていないが故の強さや、決してヒーローではないその心理描写も、見事なものがあります。
半面、ストーリーはかなり淡々と進んでいくほか、ハッキリとは語られずに、
「えっと・・・結局こういうことかな?」
と想像しなければいけない部分も多い印象を受けます。加えて、結構生々しい暴力描写もあったりするので、その辺りは好みが分かれそうなところです。
とはいうものの、なかなか異色な光を放つサスペンスでもありますので、是非チェックしてみて下さい。
脚本賞かー…。
恐怖
ほったらかし
精神的に病んでる男の抑揚のない殺人行脚。他人の依頼でヒト殺し。殺しても、殺さなくても何も変わらない。「お前は本当はそこに居ない」まあ、その通り。
この映画を観ても、観なくても何も変わらない。
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