「生へのカウントダウン」ビューティフル・デイ KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
生へのカウントダウン
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ジョーの過去やトラウマ、少女とその周りに何が起こったのか、全てを語りきらず断片的に切り貼りする構成。
大きな身体に髭の生えたイカついおじさんが、頻繁に幼い頃の虐待と軍人時代の惨い体験がチラついて苦しむ様子が痛々しかった。
「何してるんだ」と自問を繰り返して、事あるごとに死への一歩を踏み出すもすぐ引き返す姿が印象的。
細かいストーリーを汲み取り掴んでいく面白みはあるけど感情移入はしにくい映画だった。
最後の台詞はホッとするものの、イマイチ唐突にも思える。
とはいえ家族も仲間もなくし、生きる意味を失った彼らがあて先もなく「行こうか」と言い合えることにグッときた。
ふと目を逸らせば死んでしまいそうな二人だけど、それでも生きることを選んだ事実に安心できる。
被写体に近めのカメラワークで映像が綺麗。音楽も意外とノリのいいハウス系で好きだった。
ドロついた血液などたまに挟まれる生々しい描写にドキッとできる。
なかなかストーリーにのめり込み楽しめる感じではなかったし、わりと単純な本筋に拍子抜けしてしまったのが残念。
ビジュアル含め好みな映像と演出の面白さで乗り切れたかな。
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