劇場公開日 2019年5月31日

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「新たな怪獣神話の誕生に立ち会えた感動。 そして、世渡りのプロ、ラドン先輩に感服」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 須賀さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0新たな怪獣神話の誕生に立ち会えた感動。 そして、世渡りのプロ、ラドン先輩に感服

2019年6月4日
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私は現在高校生です。
僕らの世代は00年代ゴジラシリーズを締めくったゴジラFINALWARSの時点ではまだ1〜3歳程でした。そのため、劇場で見た初めてのゴジラ映画がgodzilla(2014)やシンゴジラになるわけです。これがかなり厄介な問題で、これらCGゴジラ映画世代である僕たちが過去作品、とりわけ昭和作品を観ると どうしてもミニチュア特撮の“古さ”が気になってしまうのです。勿論、ミニチュアという制限の多い条件下で、あの手この手工夫されて作り出された特撮シーンの狂気的な素晴らしさは分かります。しかし、それはあくまでも“旧き良き”であり、現代的なセンスとは若干のズレを感じます。
強烈なメッセージ性を持つゴジラ(1954)やゴジラ対ヘドラは今でも見劣りしない作品ですが、’当時の'最高峰特撮映像の力業で魅せる作品、三大怪獣 地球最大の決戦や怪獣大戦争などの怪獣対決モノは、撮影技術が進歩した現在、公開当時の興奮はもう味わえなくなっています。 そのため僕たちの世代は、怪獣バトルの本当の興奮を知らないのです。
そんなとき、制作が発表されたのがこのキングオブモンスターズでした。 予告編での神々しいまでの怪獣描写、’現在'最高峰のCG技術で躍動する怪獣たちに公開前から大興奮! 公開日には初めて映画を見る小学生のようにそわそわしてしまいました。やっと我々世代も怪獣バトルが味わえるのか、と上映前から感極まっていました。
ここからは内容についてですが、まず、怪獣をtitansと訳した点、これは上手い解釈だなぁと思いました。やはり怪獣は単にモンスターではなく’畏怖'嫌煙の象徴ですからね。次に、怪獣たちの生態をクトゥルフ神話の神々になぞらえた点、これも上手いなぁと思います。これはコロンブスの卵ですね。怪獣バトルとクトゥルフの神々の勢力争いがここまでうまく調和するとは…。考えてみれば自明なんですけどね。
また、その神々の神秘に人間が少しずつ干渉しつつあるという設定も悪くはないと思います。かつては自然界になされるがままだった人類は今や人工的に雨を降らせたり、火山の噴火を止めたりする技術を確立しつつある。あのオルタはそんな現代人類の技術を象徴するものなのでしょう。

書きたいことはまだまだありますが、細かいことは置いておいて、何より重要なのは、新たな世代の怪獣対決映画の誕生に立ち会えたこと、この点だけでもこの映画は100億点なのです!

須賀