「怪獣とタイタンの違い」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ Imaさんの映画レビュー(感想・評価)
怪獣とタイタンの違い
トレーラーがすごく良かったのもあって期待して見に行ったけどビミョーな出来でがっかり。
ストーリーは見せたい状況や画に持ち込むために逆算して作ってるのがバレバレで必然性のないようなことを登場人物が繰り返すだけ。
ストーリーとか人間ドラマなどにははなから期待していなかったがあまりにも酷すぎてアクションシーンに気持ちが乗り切れない。
さて問題のアクションシーンとCGの方が良かったかというとこれもひどかった、CGは雑なように見えた、具体的には怪獣たちの質感が安っぽくてソフビの人形が暴れてるようにしか見えなかったし怪獣たちの目に人間味があり可愛さやキャラ性が見えてしまう、前作のゴジラと同じゴジラが出てきてると到底思えない(笑)
見始めはある種の様式としてこのようなデザインにしたのかと納得していたけどそうゆうわけではなさそう・・・
日本のシンゴジラでは怪獣感を演出するためにゴジラの焦点の合わない目を特に気をつけてデザインされていてあくまでも人間とは意思を通わせることのできない神的な災害的な存在として描かれていたがこれは日本の神様の概念であって今回の作中では怪獣たちはタイタンと呼ばれている、つまりこれは西洋人の神様の概念であり怪獣たちは人間と同じ考え方や感じ方をするパワーの強いだけの人間なのである。
そう考えると見せ場である格闘シーンもただのプロレスにしか見えない、怪獣映画はプロレスで当たり前と思うかもしれないが映像を学んだプロ(ハリウッドなのでその世界では一流のはず?)なのかと疑うレベルで演出が酷すぎて怪獣たちが勿体無い使われ方をされている。
一番最初の肉弾戦でキングギドラが南極で目覚めそこでゴジラと戦うのだが南極なので本当に何もないので対比する物体がなく怪獣のスケール感が掴みにくい、最終決戦のワシントンも場面転換の時にすでギドラによってほぼ崩壊しておりこれもスケール感や怪獣の破壊力を表現するチャンスを逃していて何を表現したくてそのような場所を選んでるのかが必然性にかける、モスラとラドンが互角に戦ってたのも見せ方が悪いのでモスラの羽とか足とかが取れないのが不思議に思えた、メインの4怪獣と並行して世界各地で他の怪獣も暴れてるらしいのだがこれはニュース映像風のシーンがモニターで映るだけで世界がどの程度危機的なのかも全く伝わらないし、最後にゴジラがギドラに勝ちその周りに各地の怪獣たちが集まってきてひれ伏すシーンがあったのだけど、どいつも今まで何してたのかも描かれてなかったし、戦闘シーンもなかったのでなんかよくわからんやつらにひれ伏されてるゴジラもそれでいいんですか?と思ってしまう。
ラドンが火山から目覚めてメキシコの街を低空飛行するシーンだけはかっこよかった、人間が必死に逃げようとも怪獣が飛んでるだけで災害級の被害が出ていてスケール感がよく出ていたが、このシーンはトレーラーで使われているので新鮮味はなかったしトレーラーでかっこよく見えたシーンが本編だとそうでもなかったりと逆にどうしたらそうなるんだと思った。
世界観の設定もイマイチでオキシジェンデストロイヤーが出てきたのだけどただ水爆が爆発したみたいな演出でしかもギドラには全く効果はなく逆にゴジラだけ瀕死にしただけだった。
そのあとゴジラを復活させるために必要もなく原爆をゴジラが休んでる横で芹沢博士とともに爆発させるのだけどなぜかゴジラが復活、ゴジラは核エネルギーを動力としてるのはわかるけど爆発させて効果あるの?と突っ込みたくなる、最終決戦でゴジラがギドラに倒されそうになった時に、次はモスラの鱗粉で復活したような描写があったのだけど劇中で何も触れられておらず、度々瀕死になるゴジラをあらゆる手段で復活させ酷使しゴジラが気の毒だった(そもそもなぜゴジラは人間にここまで奉仕しているのか?)
以上今作は人間ドラマや家族愛が見せたいのか?アクションを見て欲しいのか?物凄い絵面で勝負してるのか?怪獣映画として作ってるのか?何にポイントを絞って作ったのかわからないしどれだとしても中途半端で全く必然性がない設定やシーンばかりで残念なことになってる。エンドロールの最後で初代ゴジラの監督?の写真が出てきたのだけど日本のゴジラに関連ずけないで欲しいとさえ思ったほど日本の怪獣文化を飯の種にしてるような作り方なので怪獣映画としてみたらひどいものだと思います、万人向けのアクション映画としても見れたものではないので、お金にっ余裕があって直近に予定がない人や適当に子供ずれが見るぐらいには面白いと思う。
なんというか根っこの部分でハリウッド(アメリカ)と東宝(日本)でゴジラの捉え方が異なっているのかなと思います。
あちらはあくまでモンスターであって、こちらは八百万の神様として見ていると思うのです。
その違いをハリウッドに理解してもらうのは難しいのかもしれませんね。
あのトレーラー見て文芸作品を期待する感覚はよく分かりませんが、ハリウッドに期待してたのはドンパチするような映画だからそれで良いんじゃないですかね
文芸?作品としてならシンゴジラがあるみたいだし
ドンパチ部分が気に入らないってレビューは同意する部分もあります
僕の映画の見方なんですけど、文芸映画しか基本見ないので今作も文芸作品として最初は見ていました。
それで日本のゴジラにもVSシリーズがあるのは知ってますがあえて文芸として評価できる初代とシンゴジラを引き合いに出してレビューしてみました、それだけ期待値が高かったということです。
僕も文芸作品しか認めないというスタンスではないので本文にも書きましたが、途中から大衆娯楽作品としてみてましたが、それだとしても酷いと思いましたね。
VSシリーズの系譜だからと何十年も前のキッズが喜んでたような作品を引き合いに出されてますが、それで良いんですかね?
制作側も観客もそのような低いハードルで満足なら私はそれ以上はなんとも言えないですね。
着ぐるみでの愛らしさとCGでの愛らしさというのは違いますよね。
リスペクトが足らない以前に、そもそも作品として問題ですよね。
参考になるレビューでした。
>どんな理屈で口から光線出るねん、とか考えたらダメ。人々の考え方や行動も我々には少し理解できないのも仕方無し。
コメントしっかり読んでから御意見を述べて戴きたいですね
口から光線出しちゃダメとは一言も言ってません。怪獣の描写が荒唐無稽なのは当たり前ですから、キングギドラの首が新しく生えようが、ゴジラが核爆発の力で復活しようが全然構いませんよ。ちなみに僕はシン・ゴジラを18回観てますし、一番好きなゴジラ映画は「キングコング対ゴジラ」です
…で、話は逸れましたが、やはりあの母親の思考は「?」ですね。怪獣が暴れ回れば世界中で自分と同じ「愛する者を失う悲劇」が起きるのは確実なのに、それに気付くのは「娘の言葉&家出」というのは怪獣映画うんぬん抜きにしてもお粗末です
お二人に共感する部分もありますがともに映画にリアリティを
求め過ぎでわないですか?
怪獣が居てそれを管理してたりする世界での話しですから
どんな理屈で口から光線出るねん、とか考えたらダメ。
人々の考えかたや行動も我々には
少し理解できないのも仕方無し。
おっしゃる通り!怪獣達を目覚めさせ世界中を大惨事に巻き込んだあげく、娘の一言で改心する母親の思考回路は全く理解できません。昭和シリーズ&平成シリーズからのネタ借用は嬉しいんですが、その使い方がイマイチ……特にオキシジェンデストロイヤーの雑な扱いには心底ガッカリでした