「60点」億男 まぁと@名作探検家さんの映画レビュー(感想・評価)
60点
映画評価:60点
まさに映画版『芝浜』でしたね。
元々失敗続きで『心』を失くした主人公
が、突然宝くじで当選して大金持ちになってしまう。
そのお金を使えば幸せになれると思い込んでいた矢先にお金を盗まれた所からストーリーは始まります。
この主人公を通して、
九十九だけでなく、私自身も《お金》について考えさせられました。
お金って、
身に余る量を手に入れた時に人は変わってしまうものだと思っていました。
それだけではなかったんです
身に覚えのない程、失う時も人は変わってしまうものだったんですね。
この主人公でいえば、
借金を減らす事に一生懸命になり
いつの間にか《お金》に囚われてしまう。
お金を返す事ばかりに執着する。
その結果、大切なモノを失い、家族を失った。
他の方のレビューで
奥さんの言っている意味がわからないという人がいますが、
主人公の頭は、
幸せになるために人並みの暮らしをさせてあげたい、自分の失敗で作った借金で苦労をかけたくない、そのためにも頑張って働いて一刻でも早く借金を減らしたい。
そう思っていたんでしょうね。
だから、奥さんと決別した時に
金さえあれば、借金さえなければ別れずにすんだと考えたし、逆に手に入れば寄りが戻せると思っていた。
そこが違います。
決別した理由は《お金》ではないんです。
お金に囚われて、家族を向き合わなかったからです。そんな人がお金を返せた所で改めて家族と向き合う事なんて出来ません。
お金を使うのは《人》なんです。
お金は変わりません。
使う人が違うから、お金が変わって見えるんです。
お金なんてなくたって、多額の借金を作ってしまっても、家族と向き合える人は向き合えるんです。
ダメな人はお金があったとしても、なかったとしてもダメなんです。
ちゃんと身の丈に合ったモノを手にしておくべきなんです。
その事を、
主人公目線から映画を通して学びました。
別にお金だけではありません。
お酒だって、ギャンブルだってそう、
その行為やモノのせいではなく、
扱う人に問題があるんですよ。
自分を制御できない人が
人様の迷惑をかけて使って良いものではないです。
良いですよね、
例えモノや生き方が変わっても
いつの時代も変わらず、同じ失敗を繰り返しているんですよね。
それが知れる
歴史や落語は昔から大好きです!
そして、
映画だからこそ視聴してもらえる
現代版『芝浜』
とても勉強になりました。
是非、観て下さい。
オススメです!
【2021.10.13観賞】
作中にも出てくる落語シーン