「「人生の重み」を伝えようとしているんじゃないか」劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 でるもんた・いいじまさんの映画レビュー(感想・評価)
「人生の重み」を伝えようとしているんじゃないか
TVシリーズは全く未見の状態で劇場版を観た。
さて本作、修羅場で患者を目の前にして「どうか助かってくれ、どうか間に合ってくれ」と祈るシーンはほとんどない。むしろ、出動先や病院内でもほぼ全員が整然と、そして淡々と任務にあたっている。なので、ハリウッド映画でのカーチェイスとか、劇場版『名探偵コナン』シリーズでの超人的なアクションとか、そういう緊迫感を期待していると期待外れに終わるはずだ。
本作ではそういう緊迫したシーンよりはむしろ、「既に何かが終わって、それによって一つの事実が確定したあと」の、一つ一つの静かな涙のシーンが見所だ。何度も貰い泣きしてしまって、それが冷静なBGMとともにグッと心に突き刺さってくる。
本作では、「人は誰しも何か、背中に重いものを背負って生きているんだ」という、つまるところその一点に集約される事実を何度も何度も繰り返し噛みしめていく。ここが今回の劇場版全体を通しての大きなテーマなので、そのテーマを自然に受け入れられるかどうかが、本作を支持するか拒否するのかの分水嶺になるのではないだろうか。
P.S.
いろいろ伏線があるはずなので、もう一度だけ観に行く予定。DVD買いますよ!
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