「理想の家族像の押し付け」未来のミライ 熊髭さんの映画レビュー(感想・評価)
理想の家族像の押し付け
あまりにも酷い。
度を過ぎた我儘小僧の癇癪と、
度が過ぎた育児放棄の両親と、
何がしたいのか分からないサブキャラクター達が織りなす、わけわからんホームビデオ
それが第一印象。
この映画のほとんどの時間は、主人公のくんちゃんが白昼夢の様に色々な世界を旅していくのだが、この白昼夢の一つ一つに意味が全く無い(誇張無しで本当に意味が無い)
くんちゃんは映画を通して精神的に成長する事も無いため、観ているこちらとしては意味不明な白昼夢を見させられているだけの完全に無駄な時間になっている。
白昼夢以外の部分はくんちゃん家の家族像を映す、ホームビデオの様な時間となっている。
監督はどうやら確固たる「理想の家族像」を持っているようで、話の合間合間にしきりにこの理想像を主張される。
だが問題なのは、その「理想」が一般とは致命的にかけ離れた、普通の感性で観たら不快とも取れる家族形態なので、主張される度にこちらの不快指数が鰻登りに上がっていく。
(特に、我儘放題のくんちゃんと、育児放棄としか見えない両親の不快度が高い)
全体を通してのメッセージも全く無い。
その為、観てもこちらの心には何も残らず、怪映像を無理矢理観させられた不快感のみが残るという酷い映画になってしまっている。
公正なレビューを書きたいので、良い点も紹介したいのだが、残念な事に褒めるべき点が見つからない。
一回の視聴は耐える事が出来たが、二度と観たくはない映画。
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