「くんちゃん」未来のミライ Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
くんちゃん
4歳児でしかない。大きな成長も大人の意に沿うような対応も示してくれない。「何してやがんだ、このクソガキ」という声も聞こえてきそう。ここまで徹底した幼児表現は画期的である。愛らしく憎たらしい。大人の思考では歩調があわない。くんちゃんのインサイドヘッドも見てみたい。
もはや巨匠扱いの細田監督。プロモーションも資本の後押しがあり、こちらがドギマギする。巷での低評価が追い打ちする。前作が不安要因。やはり失望はしたくない。ようやく恐る恐る見た。心配は見事に吹き飛んだ。「これだったらいいじゃないか!」十分に弾けている。
ディテールがよく描き込まれている絵作りの見事さ。ミライちゃんとくんちゃんの肌の弾力が伝わってくる。確かに断片的に5回繰り返される構成が最後の方できつくなるし、樹の説明のくだりは過多にも思える。しかし、個人的にはくんちゃんをもっと見たい。それだけで大満足である。
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