志乃ちゃんは自分の名前が言えないのレビュー・感想・評価
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加代ちゃんは歌が上手に歌えない
原作既読だが詳細はうろ覚え状態で観たのだが…これは良い実写化。
以下印象を羅列。
実写になるとしんどい場面を飛ばすことはできないので、志乃が喋る/喋れない場面でのいたたまれなさが倍増する。
ブルハが刺さる世代なので『青空』にグッとくる。
そしてちょい役ながらいぶし銀の渡辺哲。
いかにもなお涙頂戴路線から少し外れているのがいい。ちょうどいい感じ。
顔をぐしゃぐしゃにして号泣する場面で、ふと『花とアリス』の鈴木杏と蒼井優を思い出す。
OASIS"(What's the story) Morning Glory?"しかわからんです。
確かに大なり小なり皆が
確かに大なり小なり皆が持つ、悩みコンプレックス。そのそれぞれの葛藤を音楽、背景を使い上手く描いていたね。二人で橋で演奏していたシーンも上手く光を使い輝き感を出したし、最後の歌や叫びもよかった‼️悩み病んでる人にも見せたいね😭
高校入学時に感じる大きな壁
主人公の志乃ちゃんが入学式後の新しいクラスで絶対あるであろう「自己紹介」をずっと練習しているところからはじまる 小学校、中学校また大学でもない高校の「初対面のクラス」の緊張感は、その後の高校生活を決めかねないだけに「友だちづくり」「一緒に弁当を食べるグループに入れるかどうか」、そんな思いに迫られたことを思い出しました グループに入る、入れないなど結構残酷なやりとりがあるものです 志乃ちゃんのそういった思いが手に取るように伝わってきて、観ていて辛くなりましたが、加代との時間を重ね、橋の上で歌っているときの表情がみるみる明るくなっていきます しかしちょっとしたことでそういった喜びが儚いものとなるのも、この時期の特徴なのかもしれません ちょっとKYのようにみえる男子も、実は同じような悩みがあって、というところも頷きました 高校の入学式後のクラスでの緊張感を今一度思い出しました(7月26日 シネリーブル梅田で鑑賞)
リアル青春!
青春! そして吃音の人の苦労が少しわかる映画。
吃音の苦労は、うっすらと感じていたが、この映画の価値は、吃音のように誰もがある程度、その苦労がわかる特徴だけでなく、音痴、出しゃばり過ぎて浮いてしまう性格など、本人が気にしていることは様々で、もちろん比べるものではないが、他人からはどんなに小さく見えることであっても、気にしている当事者本人にとっては死活問題なんだ、ということを描いた点かな。
自分には、二人が初めて路上ライブに行った日に、(音痴の)加代が言ったセリフ「絶対にやる。初めて部屋から外に出られたんだから」が響いた。
性格は志乃と正反対と思っていたが、実は志乃と同じく、自分が気にしている点にとても苦しんでいたんだ、とわかった。
誰にも気にしている点があり、それはその人の個性とも言えて、ずっと一緒に暮らしていくもの。大切なのは、それとつきあう自分のあり方なんだなあとしんみりした。
しかしこの映画の魅力は、映画の中盤、二人がバンドを組み、弾き方も歌い方もだんだんスムーズになっていく夏の様子。それはとても爽やかで、こんなにキレイに青春の、友情の輝きを描ける腕は凄い!観ていて、ほんっとに気持ちいいよ。
秋の文化祭で二人が見事なデュオを見せて同級生たちがびっくり、というエンディングなら、爽快映画だなと思って観ていましたが、その結末は…そこはみなさん自分で観た方がいいです。
飛び抜けて美人というほどではない二人が、数々の瞬間、本当にキレイに見える。映画の醍醐味であり、監督の腕ってヤツなんだろうな。関係ないけれど、主人公がよく鼻水たらす映画でした。
いずれにしろ、素敵な映画だった。おすすめです。
場所は沼津と下田だったんだ。静岡県東部出身の自分が「なんだか見たことあるような景色だな」と感じるわけだ。
後日談
この映画は、その後も何度か「もう一度観てもいいな」と思った映画でした。「きみの膵臓を食べたい」「ハローグッバイ」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(女優見たさかな?)
おまけ
なるほど、脚本は「百円の恋」の人か。納得。
感情を揺さぶられる作品だった
途中の歌のカット割りと、文化祭のシーンに関しては、あんまり良くなかったけれど、その他は素晴らしかった。
それほど上手いとは思わなかった光の表現も、作品の雰囲気と非常に合っていたし、女の子2人の演技も上手いとかそういうものを超えたナチュラル感だったし、何よりも人の感情を揺さぶるような映像表現や演出に非常に感銘を受けた。
原作は読んでないけれど、読みたくなったし、どんな思い出であれもう一度あの日に帰りたいと思ってしまった。
出だしからタイトルバックが結構肝だったような気がする。個人的には、初っ端のそれで完全に心を掴まれてしまったような感じだった。
キラキラしていたあの日、確かに素晴らしかったけど、やっぱなんだか切ないよね。いい作品だったなー・・・
叫び
吃音を抱えた少女と音楽好きな音痴な少女の物語。
自己紹介さえ地獄の苦しみ、本当は喋りたいけど喋りたくない、病気じゃないし普通でいたい。
コンプレックスをデリカシーのない残酷な周りは笑うけれど…。
誰しも少なからず持っているコンプレックスに向き合い挫折しというストーリーで、甘やかしたり同情したり何でも上手く行くだけの話じゃなくて、厳しさと温かさがとても良かった。
日本の青春映画としては出色の出来栄え
自尊感情が低い人は世の中に多いと思う。どうしてそうなってしまったのかは、たぶん本人にもわからない。自尊感情を持つようにすすめる人はいる。そういう人は、一度きりの自分だけの人生なんだから大切にしないといけない、同じ意味で自分自身も大切にしないといけないという意味のことを言う。
しかし世の中を見渡せば、幼くして殺されたり餓死したりする子供はたくさんいるし、人間以外の生物の多くは、生命そのものを蹂躙されている。自分の人生や自分自身を大切にしなければならない理由はどこにもない。それよりもこんな世の中に自分を生み出した親を恨む。
このあたりまでは、たくさんの人が辿る道である。そこから先は人によって進む道が違ってくる。中には生まれてきたことを恨む気持ちが世の中全体に向かって、誰でもいいから殺したい、自分も死にたいと、自爆的なテロ行為に走る人もいる。しかしそれは本当にごく少数で、たいていの人は、日常生活の中に自分なりの小さな幸せを見つけて、つつましく生きていく。そのために必要なのは、低い自尊感情と現実に存在している自分との折り合いをつけることだ。実存的な問題である。
本作品では、自尊感情の持てない3人が、互いの関係性の中で生きる喜びを見出そうとしていく。まさに青春模様で、覚束ないギターを弾き、テクニックなしの歌を歌う。吃りの人でも歌うときは吃らないのは昔から知られているが、志乃の歌は特にまっすぐな歌い方で、亡くなった加藤和彦を思い出してしまった。彼も心に闇を抱えたまま生きていた人で、遺書には「消えてしまいたい」と書かれていた。同じような思いを持つ志乃に彼の歌を歌わせる演出が心憎い。演じた南沙良は鼻水を垂らしながら泣く熱演で、役によく入り込んでいた。
蒔田彩珠はテレビドラマで見かけた不機嫌な少女から一歩脱して、期待と不安に揺れる思春期の乙女を見事に演じる。この人の落ち着いた演技がなければ志乃の役が成立しなかったと思う。
世の中の価値観に迎合せずに人間の真実に迫ろうとする意欲的な作品で、日本の青春映画としては出色の出来栄えである。
青春。いい。
女子高生特有の感じがいい。小説でいうと三浦しをん的な、この年齢独特の感じがいい。橋で歌ってるときの感じと、ラストのあっというまに心移りしてる感は最高にいい。
また、音痴の演出もいい。一人で歌うところは本当にいいね。
ただ、男子の演技が行きすぎなのと、吃音はちょっと協調しすぎでだるい感じもあった。
志乃ちゃんは自転車に乗らない
一見無神経で馬鹿にしているかの様に見える菊地君より、担任の先生の方が遥かに無神経で残酷な行いをしている。
母親から病気扱いされた志乃ちゃんの行動が、痛いほど良く分かる者にとって、この映画は傑作などと言う言葉では、到底言い表せない。
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