フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のレビュー・感想・評価
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うーん…。やっぱり当事者はそんな呑気でもないと思うんだよねえー。ん...
うーん…。やっぱり当事者はそんな呑気でもないと思うんだよねえー。んじゃどーすりゃいいのさって感じよね。
ランドリーのおばちゃんの言葉が沁みたなあ。そう考えるしかないよなあ。
ちと辛い
冒頭からちびっ子たちの下品なイタズラ。
その子が帰る家にはグータラな母のみ。
その母は友人のお店から食料を恵んでもらい、
家賃のお金はその場凌ぎの犯罪紛い。
これはひょっとして、こんな感じがずっと続くのか?と心配していたら、ホントにその通りだった。
常々「社会的弱者」への焦点を、偽善者ぶって声高に唱える自分ではあるが、今作での「社会的弱者」は生活困窮者。しかもいつも責任転嫁して反省しない学習能力ゼロな母親。正直言って自業自得、感情移入はゼロであった。
しかしその子どもには罪は無い。
(でも空家の件はマズイよな・・・)
それはボビーにも他のみんなにも分かってるし、観客も知っている。
ムーニーの視点で描かれる今作は、そんな罪の無い?子どもの何気ない日常であるが、それを見せられるにつけ、自分の親としてのスタンスの整合性を確認してしまう。
最低な母親ならば、子は反面教師で真っ当に生きていくのかもしれないが、ここでの母親は子にとっては最高な母親なのである。だから社会で直面する現実にも、子は反省する事を拒否してしまう。考える事を放棄してしまう。これは少なからず間違っている。
はたして、自分もムーニーの母親の様になってしまってはいないだろうか?
自分は子に、考える事を放棄させてはいないだろうか?
好きな映画ばかり勧めて、そればかり観てれば良いと押し付けてはいないだろうか?
モーテルで暮らす貧困層の現実含めて、反省を掻き立てられる辛い作品でした。
見た目はカラフル、内容はヘビー
主役の親子はとにかくお行儀が悪いけど、この娘にとっては最高のママ。
お行儀悪すぎて逆に新鮮で見入ってしまいました。
演技が本当に本当にみんなお上手。
映画背景を知って胸を打たれました。
【アメリカの貧困家庭の母と娘が逞しく生きる姿にスポットライトを当てた良作。】
- 定住する場所がなく、ネットカフェなどを渡り歩く人々が日本にいるのは知っているが、今作品を観ると、アメリカでも同様らしい。-
◆感想
・安モーテルを居場所にする、全身にタトゥーを入れたヘイリー(ブリア・ヴィネイトという服飾デザイナー。彼女の胸のタトゥーはインパクト大)と明るく元気なムーニーというふっくらとした可愛い女の子。この母娘の人間力が素晴らしい。
・安モーテルの管理人演じるウィレム・デフォーがムーニーやその友達の安全をさりげなく気遣う姿も又、良い。
・世界的に有名な「夢の国」に隣接する安モーテル付近で遊ぶ子供たちの明るい姿と並行して、アメリカの「見えない貧困層」の生活スタイルも描き出した、ショーン・ベイカー監督の慧眼に感心する。
<フロリダの明るい陽光の中のラストシーンは忘れ難い作品である。>
<2018年7月7日 劇場にて鑑賞>
彼女達が頭から離れない。
子どもから大人になるにつれ、絶対的に正しいと思っていた親は、決して正しいばかりではなかったと気がつく瞬間がある。本作の母親も一般的な常識から見ると正しくない。好き勝手に遊び回る娘の躾もできているように思う。だが物語が進むにつれ、この親子を愛おしく感じてくる。それは、この母親は正しくはなくても限りなく娘を愛しており、娘もそれを分かっているからだ。この親子愛は、正しさ、善悪を超えた揺るぎないものだと確信させられる。これこそが正しい、守られるものではないかと突きつけてくる。それだけに映画が終わった後、彼女達の幸せを願わずにはいられない。しかしこの作品は、ただ願うだけでいいのかと問いを投げかけてくる。彼女達が頭から離れない。
「マイマイ新子」みたい。しかし、その背景にある社会は・・・
社会派ドキュメンタリー風の映画です。子役も良いのですが、脚本がよくできていると思いました。子供の視点で日常生活を描きながら、だんだんと厳しい現実が見えてくる展開とかが上手い。
表面上はフロリダの真夏を子供が駆けずり回るだけの映画です(撮り方が上手い)。ぶっちゃけそれだけ。そこにあるのは子供の世界。雰囲気が似てる映画としては「マイマイ新子と千年の魔法」みたいな感じ?しかしその背景にある社会構造は、「マイマイ」とは全然違っている。
この映画の妙にリアルで嫌ぁな感じがするところは、悪者が登場しないところ。まぁドキュメンタリーだから当たり前か笑。現実世界でもそう。こいつさえいなければ!という悪者はいない。だからこの世界は、もはや救いようがないんだよね。
この先の話は、映画からは少々脱線しますが・・・
この手の映画のレビューに「自己責任じゃん」っていう感想を言う人がいるのですが・・・この映画に登場する、モーテル暮らしの母親や父親達に対して自己責任だ!と言って何になるのか?
とはいえ「モーテル暮らし」という条件は、非常に特殊なものなので脇に置いておこう。
そもそも、「自己責任により人は不幸になるのだ!」という論理自体に、僕は反対する。人間はこの論理に従うべきではないと思う。何故か?それは、この論理は、無条件に世界のほとんどの人間を不幸にするから。これはどういうことか。あなたは、現実世界で頻繁に、「自己責任だから仕方ない」って思う場面が多いでしょう(僕は多い)?それは何故か?「自己責任で不幸になった人」を頻繁に目の当たりにしているからだ。つまり、「自己責任により人は不幸になるのだ!」という論理に従った場合、世界のほとんどの人は不幸になってしまう。
みんな勝手に、「ああ・・・これも自己責任だな。」と思い込み、不幸になっていく。これが、先進国における、本当に深刻な「負の連鎖」だと思う。それでもあなたは、この論理に従いますか?
芝居がヤバイ!
素行が超絶に悪いDQN母、その純粋無垢な娘とお友達…、みな無名なのに芝居がナチュラルで上手い!
そんな中での"顔面凶器"ウイレム・ディフォーの良い人っぷりが最高!!
ラストの唐突なファンタジーには違和感が全く無いワケではないので、惜しくも満点ならず!
カラフルさに隠れた負の連鎖
可愛い子ども達が、ものすごく口が悪く全く教育されていない姿にびっくりしますが、母親がもっと下品なので納得。親がクスリ漬けで汚い場所で放置されているという訳ではなく、親子で楽しそうに暮らしているし、建物がとてもカラフルなので、悲惨さが感じられいんです。でもやはりこの負の連鎖を断ち切る為にはやはり政府のお世話になった方が良いですね。ファンタジーなラストも悪くない。子役の演技力が素晴らしい。ウィレムデフォーのキャラが良かったな。
「優しいまなざし」等と上から目線で語りたくない。
皆さん書かれているけど、子役がすばらしいというか「素」だろ。と思うほど。内容を考えると素直に笑えないし、希望も見えてこない。
ほんと「このポンコツ」と怒鳴りたくなる。とてもやさしくなんて見守れない。
アメリカの現実なんだろうな。ポンコツの連鎖が繰り返されていく。
と、気づくと映画に飲み込まれていた。
やばい映画のひとつ
この映画はヤバイ。
はじめ30分くらいドキュメンタリーなのかと勘違いした。
ものすごくリアルで、まじヤバイ。
その理由はただ一つ。
ガキどもの演技がうますぎる。
あのこまっしゃくれた女子ガキが
芦田愛菜をさらに3回転生させたくらい
演技が上手い。
演技じゃなくてリアルかもと思ったが
インタビュー動画を見て
とんでもないまともなガキなのを確認。
じゃあ、やばすぎる。
こんなとこに収まっているべきじゃない。
世界すごすぎ人間大会に出て
早く評価されるべきだと思う。
とんでもない素晴らしい映画!
いい映画
好き嫌いが分かれるかもしれませんが、凄くハマる映画だと思います。最後のオチ?はちょっとファンタジーっぽくなって残念ですが、私は子供の時アメリカに住んでいた経験があり、めちゃくちゃリアリティがあって最後まで目が話せませんでした。日本でもありうる話ですが、日本では教会の配給ないし人に助けを求めたりする文化がない分、日本の方が暗い貧困になりがちだと思います。泣ける話ではないけど、色々な考えが心をめぐり深いです。貧困は教育や世代連鎖などの問題があり、ある程度は自己責任の部分もあるけれど、子供には産まれてくる環境を選べない。子育てしてる女性のほうが共感できる部分多いのではないかと思いました。
ボビーが優しい
ボビーの厳しくも優しく見守ってる感じが好き。
事件を起こす度に出てけ!と言ってるが、
そういいつつもどこか心配なんだろうなと読み取れる。
実はあの母子の事が心配で心配で仕方がないんだろうなあ
ボビーがいてくれなきゃこんなトラブルだらけの人は即強制退去だろう
ヘイリー(母)が、腹が立って血のついたナプキンを窓ガラスに貼り付けるシーンはなんともシュールだったけど、、、
I can’t say
カラフルな町。夢の世界、ディズニーワールドの側にあるどん底。母親を責めても解決はしない。ウィリアムデフォーに「父親でもないくせに」と投げかける母親ヘイリー。家族というコミュニティと制度が治めるコミュニティの中間を埋めようとする人達がいる。すべて上に丸投げすることはできない。
ムーニーの表情に終始、目が奪われる。絵作りが実に素晴らしい。
子役と色彩は素晴らしいけど、切ない。
子役の演技が凄すぎる!!
フロリダの色彩もカラフルでかわいい。
んが、貧困層で過酷な現実があるとはいえ、己の愚かさに気づかず周囲に当たり散らす母親の素行の悪さが子供に悪影響を与えてしまうことに気づけず、誰も手助けしない孤立した寂しさとの対比が切なすぎる。
子役が素晴らしい!まさに魔法
素晴らしかった。
素人目にも子役の演出どうやってんの?と思った。
子供の自然の会話が導入で
映画に入って行けるのだけど、
「ちょっと待って!これ演技か?アドリブか?
どっちや?すごい自然やぞ!」と驚く。
是枝作品にも似てる気がしたけど、
アドリブじゃなくもっと台詞を自然に
言ってるようにも思う。
上手い子役って大人っぽい演技してるだけとか、
単純に純粋に演技してる印象を受けるけど、
この子役たちは初めて見る感覚だった。
素晴らしかった。
子どもはどこに住んでても住めば都。
どんな生活でも親がいて友だちがいれば楽しい生活を
送れる。
その楽しさが、親のその日暮らし、まさにギリギリの
生活の苦悩を浮き彫りにして胸がキリキリする。
逃げようにもこれより下はないと言う現実が胸を苦しくさせる。
しかし、この子たちがどんな大人になるのかとても心配になった。
ウィリアムデフォーが良かった。
日本ではモーテルに馴染みがないけど、
利用客をお父さんのように厳しく優しく見守る姿、
あれだけがこの映画の救いだったように思う。
最低最悪の生活と環境だけど、美しいポップな映像で
見せる映画のマジックにも酔いしれた。
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