ファントム・スレッドのレビュー・感想・評価
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めくるめく
この監督、この俳優。そして、「毒」というキーワード。この物語はどのような結末にたどり着くのだろうと、観る前から空恐ろしい気持ちでいっぱいだった。切り刻まれるのは男か女か、もしくはお互いか。どれほどに陰惨な修羅場が繰り広げられるのか…と、頭のすみに覚悟と緊張感を常備。けれども、まるで夢から醒めるように、すっと映画は結末を迎える。 どこまでも、甘く。なんというハッピーエンド、と思えたのは、彼らの振りまく毒にすっかりやられたせいだろうか…と、かえってぞくぞくした。
この映画のクライマックスは2つある。まずは、完璧なデザイナー、レイノルズが自ら否定し、破り、汚したドレスの復活。本人は自分がしたことを察する間もなく熱にうさなれ、かつて自分が贈ったドレスを纏った、若き母の幻影に出会う。そんな幻をあっさり打ち消すのは、田舎のウエイトレス上がりのアルマだが、レイノルズは成すすべもなく、一寸の隙もなく看病に徹する彼女を受け入れるよりほかない。夢と現実が入り交じったような暗い密室の外では、まばゆいほどの光の下で、新たなドレスが着々と形づくられていく。その指揮を執っているのは、彼でもなく、完全無敵の姉でもない。見えない糸であやつられているように、主人不在のまま整然と立ち働くお針子たちは、不思議な存在感を放っていた。
そして更なるクライマックスは、終盤の食卓。アルマは優雅な動きで(レイノルズが嫌悪する)バターを惜しげなく使った料理に毒を盛り、彼もまた、それを優雅に味わって見せる。フレームの中では、第一のように彼が苦しむ様子は描かれない。毒を盛る人・盛られる人が、まるで共犯者のように共鳴し合っている。実は毒は幻なのか、平然としているのが演技なのか。毒を盛る・盛られる様子が演技なのか。真実はフレームから押し出されているだけなのか。突き詰めようとすればするほど、物語の糸は絡まり合う。真実を求めるのではなく、自分にとっての真実を選び取れ、と迫られているように思えた。
第二のクライマックスの後、薄暗がりの中で、新たなドレスがつくられる。姉も、お針子たちも、もういない。そこにいるのは、レイノルズとアルマだけだ。華やかな諸々から隔絶されたような2人が、これまでになく満たされ、ほのかな光さえ発しているように見えた。
思いがけないラストに遭遇し、ふと、塚本晋也監督の「六月の蛇」を思い出した。仕事も人生も駆け出しだった当時は、その結末に戸惑うばかりだったのだが、なぜかこの映画に引かれたという職場の大先輩は満足そうだった。「最後に、倫子さんはしあわせになってよかったよねえ…。」予想もしないシンプルな感想に、衝撃を受けた記憶は今も鮮やかだ。久しぶりに「蛇」を観返してみたら、今の自分はどんな感想を持つだろう。そして、あの先輩も、の映画をどこかで観ていたらと願う。
デイ・ルイスの生き様は、映画職人としてのPTAの精神そのものなのだろうか
「役を生きる」とはこの俳優、ダニエル・デイ・ルイスのための言葉である。同じPTA作品の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の地の底から情熱をみなぎらせるような役柄とも違い、ここではナチュラルな仕草や声のトーン、目線の動かし方などを駆使しながら、柔らかな佇まいの中に強靭な何かを秘めた男を見事なまでに演じきる。この存在感に触れただけでもピリリと身が引き締まる思いがするではないか。
老舗ドレス工房の朝の風景、食事時の流儀。ひと縫いひと縫い。全ては仕事中にどれほど感性を研ぎ澄ませるかに傾注され、後のものは二の次。そこに入り込んだひとりの女性をめぐって男の価値観が徐々に揺らいでいく、その戸惑いの過程が実に滑らかに綴られる。そこでふと思った。もしやDDLの姿には、PTAの映画作りの姿勢が投影されているのではないか。特に家族を持つことで変わりゆく精神性について、この映画は深く深く掘り下げている気がした。
二人の思いそれぞれに強く共感した
二回目鑑賞したら、一回目とまるで異なった気持ちになりアルマの言葉に涙してしまった。(2024.10.14.)
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レイノルズのルティーン、特に朝の身支度に見惚れた。ダニエル・デイ=ルイス自身も毎朝やってるんではないかと思わせる滑らかな手の動きと集中力、頭のてっぺんから靴下&靴のつま先までバシッと決める。イギリスだから朝食に拘りがあるのは当然。hungry boyの主たる栄養源は朝食に違いない。「お腹すいた」を繰り返す大人はマザコンだろう。
別荘の近所にあるVICTORIA Hotelのレストランのウェイトレスのアルマは、若い、かわいい、垢抜けていない。すらっとした姿の彼女が思わずこけた姿がガツンとレイノルズの心を掴んだ。注文の品は全部暗記しているし手書きのメモも小生意気でシャープ、頭も良いアルマ。頼んだ紅茶はラプサン(朝食時にいつもレイノルズが中国茶風のポットと茶碗で飲んでいるのもラプサンだろう)。初対面の日のその晩のディナーに誘われたアルマ、アルマを眺めるレイノルズの笑顔はこのうえなく優しい。そして共に朗らかに、にこやかに別荘へ向かう、アフェアでなくレイノルズの仕事のために。
レイノルズの姉・シリルは黒パンプスのヒールの音をコツコツたててフレグランスの香りを辿りながらアルマに近寄った;「サンダルウッド、ローズウォーター、シェリー、それにレモンジュース?」怖い!レイノルズがアルマを採寸する時間ジャストに別荘の仕事場に到着して採寸メモを始めるシリル。「彼にとって理想の体型ね」胸が無いのも肩幅があるのも美しい、たとえアルマにとってコンプレックスでも。「弟はお腹が丸いのが好きなのよ」
嗅覚で受け入れられないものも嫌だがそれ以上に耐えられないのは音だと思う。アルマがたてる音は私にも耐え難く有り得なかった。不快感を覚えても口に出すのは少し後というこのあたりのダニエルの間合いと表情はよかった(怖かったが)。繊細なことだから文句を言うのにも繊細さが求められる。鈍感なアルマを呪った。でもアルマは最後にはお水の入ったピッチャーを高々と掲げグラスに注ぎ豪快な音をたてるのだ、わざと。神経質で完璧主義で自分にも人にも厳しいレイノルズを自分の世界=彼の夢の中の母親になってあげる=に招待してひとときの休息を与えるために。
アルマはレイノルズ自身もレイノルズが作るドレスも心から愛した。彼に作ってもらったドレスは彼女に本当によく似合う。ネックレスを全くつけないデコルテが輝いている。アルマが最高のミューズで理想のモデルであることもレイノルズはわかっている。レストランで自分に夕食を誘ってくれたレイノルズの笑顔に嘘はないとアルマは最初から確信していたと思う。シリルの心はもう掴みシリルもアルマのことが好きだ。あとはレイノルズと自分の繋がり。私は人体模型ではない、なぜ恋人なのに二人きりの空間と時間が持てない?弱った彼は赤ちゃんみたいに頼りなく優しくオープンで私だけが彼を看てあげられる、元気にしてあげられる。仕事一途の生活は緊張を強い心身が疲弊し神経がやられ人を抜け殻にする。アルマが勝った。次はアルマの手の内を知った上で彼女の世界に自らの意思で足を踏み入れたレイノルズが勝った。
25~30才程の年齢差の二人は交代に、相手圏内に足を踏み入れ自分圏内に入ってもらいを繰り返し、レイノルズを苦しませていた死の重みと香りは遠のいていったのかも知れない。それともレイノルズはもう既に死んでしまったのかも知れない。それでもアルマは必ず彼を見つけその世でまた共に生きるんだろう。
あまいラブ・ストーリーではない。デュ・モーリアの小説『レベッカ』の空気感と同質のものを感じた。映画の最後の微笑ましいシーンは、監督からダニエル・デイ=ルイスへのプレゼントなのかもしれない。美しい音楽が頭の中をまだ巡っている。
ダニエルの映画俳優復帰のニュースに喜びを禁じ得ない。願わくば二枚目半の役を、そして役にのめり込まないで欲しい。
おまけ
アルマ役のビッキー・クリープスは映画「エリザベート 1878」(2022)の主役シシィを見事に演じた。ビッキーも監督・脚本のマリー・クロイツァーも肝っ玉が据わっている映画人。二人ともシシィが求めていた自由をこの映画で叶えさせた、シシィと一緒に笑いながら。
夫婦のありかた
たぶん観る人は夫婦のどちらかには共感するというか、身をつまされる気持ちになるんじゃないかという気がする。
神経質すぎて思いやりのない夫も、彼なりの美学があって、それにやりすぎな仕返しをする妻も、譲れない思いがあって。
生きてきた環境が違いすぎて、普通なら相性が悪そうな2人なのに、2人にしか分かり合えない点で噛み合っている。観る側は何故そこで折り合う??という、理解できない薄らとした怖さが残る。でも続く夫婦って、他人にはわからない点でわかり合っているもの、ということは理解できるというか。
難しいけど、沢山綺麗なドレスを見れて、それだけでも満足感はある。
ドレスを愛した男と男を愛した女の駆け引き
ポール・トーマス・アンダーソン監督は少々苦手だ。
何気に彼の作品リストを見てみたら過去に4作品観ていて全部星3つだった。
面白くない訳ではないのだが、突き抜けるものがなくてしっくりこない。なんだか引っ掛かりが残って後味が悪い。
どういう事かというと、私の映画力ではポール・トーマス・アンダーソンを紐解けないのだ。ちょっと難度が高い。
しかし本作「ファントムスレッド」は、中々面白く観る事ができた。
繊細な、恋と言っていいのか判断に迷うが、ドレスを愛する男と、そんな男を愛した女の恋の駆け引き。
中盤以降はもうネタバレなしでは何も書けないほど激しくなり二人の関係を描いていく。
冒頭から始まるアルマが誰かに事の顛末を語るシーンも効果的だ。
これは何の場面なのか、彼女は何を語るのか、あらゆる可能性に目を向けながら、いや、これは一番新しい時間に語られていることであるから、確定している未来に意識を割かれるという方が適切かもしれない。
音楽はピアノやヴァイオリンなどの落ち着いた感じで(落ち着いているのは前半だけだが)良い雰囲気のサロンかレストランでリラックスしている感覚もあり良かった。
総評として、少々行き過ぎなラブサスペンスであろう本作は星4つでいいかなくらい楽しめたのだが、妻は面白くなかったと言うし間をとって慣例通り星3つにしようと思う。
やはりどこか紐解ききれないポール・トーマス・アンダーソン節は残ったしね。
レイノルズを演じたダニエル・デイ=ルイスは一年も裁縫を学んだというし最高なんだけど、なんとなくジェレミー・アイアンズかレイフ・ファインズで観たかった気持ちもしこりとして残ったかな。
アルマは境界性パーソナリティ障害の女っぽいですね
若い女が爺と結婚なんてまずしないわけで…。この辺りがよくわからない爺がドツボにはまる。よく描かれています。下品な食べ方、周囲の人間から浮いて嫌われる、結婚した後から急に偉そうな態度にかわるなど、境界性パーソナリティ障害者のありがちな行動パターンがきっちり入っています。特に食事シーンの品のなさが凄いです。1時間36分の食事シーンが良いです。あのシーンは本物の境界性パーソナリティ障害者の女を研究でもして真似してるのかと思ってしまった。この映画の一番よくできたセリフが、1時間59分の「弱っているあなたが好き…」からのシーンです。このセリフも弱者を踏み台にする境界性パーソナリティ障害者のいいそうなセリフです。また、女優の美人なのかよくわからない微妙な顔も良いです。この手の女は口元に下品さがにじみ出てる場合が多いので面白い。
こういう女と結婚してしまった男が落ち目となっていく様が暗い感じで最後まで続きます。
焼成は関西学院大学医学部卒のインテリなのですが、境界性パーソナリティ障害者を知っているかいないかで、評価のわかれる映画でしょう。もし知らないのであれば、意味不明な映画で、爺と若い女のちょっとかわった恋愛と思ってしまうかも知れませんね。
タイトルなし
1950年代ロンドン
オートクチュールの世界を舞台に
完璧主義者の仕立て屋(ダニエル•デイ=ルイス)と
彼にミューズとして見初められた女性との
予測不能の愛憎劇
この作品を最後に引退を宣言した
ダニエル•デイ=ルイス
役になりきるため
約一年ほど洋裁の修行をし
バレンシアガのスーツを複製できるほどの
腕前にまで上達し
ドレスを作り奥様にプレゼントしたそう
男って奴は〜〜
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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ダニエル・デイ・ルイスの引退映画とされる本作。
神経質でこだわりすぎるドレスメーカーとして
ほぼ完璧な仕事をこなす主人公。
で、田舎のホテルの
平凡なウエイトレスだったヒロインのアルマは、
いきなり都会的で
いかにも上流階級の香りがする男に
声をかけられ舞い上がってしまいます。
こだわり過ぎるが故の男の内面の弱さと
表面は平凡に見えて、実は一旦掴んだモノを
離すまいとするしたたかな女のせめぎ合い。
観ていて行き詰まる静かな攻防。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
結局男ってのは、仕事ができる奴ほど
現実生活には目を向けない生き物なんですよね〜
妻を支配しているつもりがいつの間にか支配されて行く。
最後は、「やっぱ女って怖い〜」系の映画。
いつの間にか男の方も、
女の強さやしたたかさに気付きながらも
結局は身を委ねて行く。
男って奴は〜〜
ああ、昔の男はなんと脆く、
救いようが無い生き物か
改めて実感しました。
単純に女は恐い、という話
玄人好みの美しい話のような錯覚を与えるが、深堀してもなぜそのような主従関係が生まれたのかわからなかった。家の秘密というより単なるマザコン。
年下の理想の彼女を見つけたが、彼女がしたたかで最後は上に立った、という普通の話。
安心して観れるPTA作品
PTA作品はよく狂気が描かれるが、これもまた少しおとなしめの狂気。
昨今のパッケージ化された商品としての映画というより、映画芸術ですよ。PTA作品は。映画パターン化されていない、しかもセンス良くまた品がある
ダニエルデイルイスの職人気質の高年齢独身者、ハマってましたねぇ。脇を固める俳優も素晴らしかった。
大人の映画。支持。
愛し合い憎しみ合い踏み留まり戻って愛し合うのでなく、憎しみ合いの先まで突き進み一周回ってまた愛し合う。
そんな人の世の迷宮に誘う完璧な美術衣装撮影照明音楽演技そして語り過ぎない脚本。
PTA、ブギーナイツ 以来の快打。
大人の映画。
互いが病的に依存し合う関係
お互いが病的に依存し合う関係は
麻薬的な魅力があるのかなと思いました。
印象的なのは、姉シリルです。
真っ白な肌、深いブルーの瞳、真っ赤な口紅、端正だけどセクシーな服、素敵でした。
精神面のサドマゾ
淀川長治さんが存命だったらこの映画をどう解説するか。
その身振り手振り口調までが頭の中で蘇ります。
まあ怖い怖い愛情って怖い物語です。
主人公は、服飾デザイナーの天才。
王室までも顧客に抱える有名人です。
しかし実は他人に対する支配性向が極限まで強い「人格障害者」で、次々に女を取り替えるが、単に支配の対象にするだけであり、興味があるのは女の外見だけで、愛情など感じたこともないという独身主義者の老人です。
唯一、彼を理解しているのが実の姉。
人格障害者の共犯者として、奇妙な同居生活を許しています。
……とまあ、こういう設定を見ただけで、観たくない、って人が出てきそうな映画でした。
支配性向が極限まで強い人格障害者に、生まれて初めて「愛情」を感じさせた女性が行ったこととは何か。
なかば見せつけるように、何をしたのか。
好きという感情と、恐怖という感情が、実はごく近いところ共通の根を持っているのかも知れぬと示唆する作品です。
それにしても、怖い怖い愛情を描いた映画でした。
私にはドレスを見る審美眼がないので、「凄いのだ」、と言われれば、きっと凄いのだろうとしか理解できないものの、彩る音楽の美しさには心動かされ、この音楽を聴くだけでも映画料金の価値は充分にあると思います。
ダニエル・デイ・ルイスによるウッドコックのストイックさにひたすら圧...
ダニエル・デイ・ルイスによるウッドコックのストイックさにひたすら圧倒されていたがラストが近づくにつれアルマの存在感も増していった。二人の愛のカタチが最後まで理解できず中途半端な気持ちで観終わったものの素晴らしい衣装と美術、オートクチュールの世界の描き方など見応えは十分な映画だったと思う。
原題のPhantom Threadで深読みし過ぎた(゚Д゚)
だって、Phantom=GHOSTだと思ってしまったので、
なんか途中からホラーみたいになるのかと思ってみていました。
ある意味タイトルの引っ掛けなんだろうけどね。
男って奴は〜〜
ダニエル・デイ・ルイスの引退映画とされる本作。
神経質でこだわりすぎるドレスメーカーとして
ほぼ完璧な仕事をこなす主人公。
で、田舎のホテルの
平凡なウエイトレスだったヒロインのアルマは、
いきなり都会的で
いかにも上流階級の香りがする男に
声をかけられ舞い上がってしまいます。
こだわり過ぎるが故の男の内面の弱さと
表面は平凡に見えて、実は一旦掴んだモノを
離すまいとするしたたかな女のせめぎ合い。
観ていて行き詰まる静かな攻防。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
結局男ってのは、仕事ができる奴ほど
現実社会には目を向けない生き物なんですよね〜
妻を支配しているつもりがいつの間にか支配されて行く。
最後は、「やっぱ女って怖い〜」系の映画。
最後は男の方も、女の強さやしたたかさに気付きながらも
結局は身を委ねて行く。
男って奴は〜〜
ああ、昔の男はなんと脆く、
救いようが無い生き物か
改めて実感しました。
今時の弁当男子とか、育メンには無縁の世界かも?
それはそれで、イイ様な、寂しい様な〜〜(笑)
@もう一度観るなら?
配信でじっくり観ました。
キノコとバター
ドレスが綺麗。自然が綺麗。街並みが綺麗。音楽が綺麗。もちろんダニエル・デイ=ルイスもヴィッキー・クリープスも何もかも綺麗。
だけど、内容はというと…
ダニエル・デイ=ルイスの引退作。気難しいオートクチュールの仕立て屋レイノルズがウェイトレスのアルマと出会い、禁断の愛へと発展していくというお話。
確かに最初の方からは想像もつかないラストが待っていました。
でもね、ちと難しすぎましたわ。
とにかくこの愛の形が当たり前みたいな感じで話が進んでいくので、気づいたらかなりヤバイ方向に進んでたりして、しっかり観ていないと(観ていても)理解できませんでした。
自分にはあまりハマらなかったという印象です。
登場人物達がとにかくヤバイ!
特にマザコン&ロリコンのレイノルズとメンヘラ女子アルマの歳の差カップルは狂気。
最初に書いたように舞台背景や映像、音楽が美しいので、なんとか中和されているのですが、可愛い顔してなかなかエグい話でした。
1番理解不能だったのはアルマです。
どうしてそんな簡単にディナーにOKを出したのか?
考えれば考えるほど恐ろしい⁉︎
ダニエル・デイ=ルイスの笑顔はとても可愛らしくて良かったです。
静寂の美学
朝食にこだわる いわゆるルーティンで、あの朝食じゃないと全てが上手くいかないという囚われ人の考え方 朝食に宗教性、霊性を与えている、ああいう芸術家は多いような気がしました
この映画は静寂がキーで、俳優人の喋る時の口腔粘膜の接着する音、離れる音、舌の接着する音などが鮮明に聴こえる それが特別な雰囲気を与えるエッセンスな映画でした
全100件中、1~20件目を表示