劇場公開日 2018年5月26日

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「私の理解を超える主人公らの世界には…」ファントム・スレッド KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0 私の理解を超える主人公らの世界には…

2025年12月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

タイトル名だけを小耳に挟んでいた程度
だったが、キネマ旬報ベストテンにおいて
「スリー・ビルボード」
「ペンタゴン・ペーパーズ」
「シェイプ・オブ・ウォーター」
の話題作が1〜3位を占めた後の第4位
に選出された作品と知って初鑑賞した。

しかし、長く生きながらえながらも
質的に人生経験の乏しい小生には、
何とも難解で理解に苦しむ主人公らの
思索と生き様だった。

そもそもが、主人公は何を持ってこの女性に
惹かれたのかが良く分からない。
描かれる二人の出会いが初めてなのか、
そうではないのか、
初めてだとすると、
後で彼はデザイナーとして、
女性の身体的マイナス点は己のデザインで
処理すると豪語している位なので、
そんなモデル対象としての理由だったとも
思えない。
彼女の自然さや記憶力に魅力を感じたから
なのだろうか。
でもそれはデザイナーとしての直感とは
異なるようにも思うのだが。
また、彼女が前任の女性と同じように、
主人公への気の触ることをしながら、
彼のファッションハウスに居続けられたのは
何故可能だったのだろうか。

母の遺髪やら、
思い出の品を服の裏地に縫い込める等、
マザーコンプレックス的に過去に生きる男
が、事ある度にハッキリと意見する
これまでとは異なる女性に感化され、
結婚を機に様変わりをするかと思ったら
そうもいかず、
しかし、結局は再び穏やかな夫婦生活へ、
とは、なかなか共感までに辿り付くことの
難しい主人公だった。

一方、女性の方も、
毒キノコを食べた後の男の看病で
彼が強くなるとの理屈にも置いてきぼりで、
私の理解を超える二人の主人公の世界には
なかなか付いていくことの出来ない作品
となってしまった。

KENZO一級建築士事務所
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